2015年1月1日木曜日

第304話 七大聖堂巡礼 サン・ピエトロ大聖堂

 
いよいよ七大聖堂巡礼の旅は大詰めとなりました。昨年(H26)は、これまで五大聖堂を訪ねて、ご紹介して参りました。

1.サン・ロレンツォ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂
  〔呼称はいくつかありますが、ここでは聖堂とします〕
 
2.サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂
3.サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ聖堂
4.サンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンオ聖堂
5.サン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ聖堂

そして、今回第304話では、サン・ピエトロ大聖堂〔以下、単に聖堂と
いいます〕となります。

サン・ピエトロ聖堂は、ローマに来てからこの方、数えられないほどの回数を見ているわけですが、それでも聖堂の中に入ったのは数えるほどです。

また、聖堂にまつわるガイドブックの類も数多く読んでいるにも関わらず、
全くと言って良いほどに系統的に覚えていないのです。なかなか飲み込めないで居るのです。

お恥ずかしながら初めて聖堂を見て、「大きい、凄い、立派だ。」と感じた頃と余り変わらないのです。ただ驚いてばかり居るだけなのです。

そんな訳でアレヤコレヤ頭を巡らしてみたところ、書棚からコンパクトにかつポイントを言い当てて、聖堂を説明してくれる小冊子から、力を借りて引用することに致します。ご容赦願います。

引用文

カトリック教会の総本山であるサン・ピエトロ寺院はヴァチカン市国に所在し、世界最大の最も豪華な教会で、これはアルベルティ、ブラマンテ、
ラファエロ、ミケランジェロ等のルネッサンスの巨匠、あるいはジャコモ・デッラ・ポルタほか多くのバロック建築家の手を経て前後200年近い歳月を要し、漸く1614年に完成したのであります。その大円蓋《クーポラ》は
直径42米、高さ132.5米の偉容を誇り、ミケランジェロの雄大な構想に
よって設計されたものであります。《以下省略》

如何でしょうか?言い得て妙とはこのような文章のことを指すのではないか、と肝に銘じております。これは、在イタリア大使館が作られた「ローマ案内」(H3年9月)から、引用させて頂いたものですが、流石に簡潔かつ
的を得た内容を持っていると思いました。

さて、繰り返しに成りますが、サン・ピエトロ大聖堂は人智を超えた人間の
なせる技か思う藝術が縦横無尽に張り巡らされていて、凡人には想像すら及ばない宗教と科学が詰まった建造物である、と愚見するものであります。

あたかも2000年有余のカソリック世界の歴史と伝統が、経糸と横糸となって、キリスト文明と文化を織りなしたタピストリーのように大聖堂を支えているのであります。聖堂の内では、言葉にならない崇高な精神性を
感じるのです。

従って、宗教感覚に貧しい私などにこの大聖堂を物語ること自体が、恐れ多いことであり、所詮無理な話しなのだと、考えざるを得ないのです。

決して己を卑下するものではありません。ただただ、大聖堂が人間技であることを受容することが出来ない自分に苛立ちを覚え、その理解を超えた建造物や置かれた彫刻などの藝術の至高性と偉容性が驚異に感じる次第なのであります。


 
 
聖堂第一礼拝堂にある
ミケランジェロのピエタ像
 
聖堂一番奥にあるベルニーニが創った
ドームの4本のねじれ柱
 
 
12月25日正午に法王フランチェスコ
              が姿を現す聖堂正面のバルコニー

              
                巡礼や 天国の鍵 今ここに
                                元鷹 

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