2013年12月31日火曜日

第211話 大晦日のサン・ピエトロ大聖堂

2013年(平成25年)もいよいよカウントダウンとなりました。
大晦日のローマの空模様は、まるで2013年の別れを惜しむか
のように、静かな陽がひろがりをみせています。(午前8時ころ)

さあ、今年最後の見収めにサン・ピエトロ大聖堂へ行ってみるかと思いつき、テルミニ駅へ急ぎました。

本年の締めくくりは、サン・ピエトロ大聖堂の様子を発信致します。

ド・ウ・モ、個人的には、ローマ市内よりもヴァチカン市国内にある
サン・ピエトロ大聖堂に、より足を運びがちであるようです。

広場に着くと直ぐに中央に設置された実寸大のプレゼピオと
25M の高さもあるクリスマス・ツリーが、眼前に広がりました。

プレゼピオは、22日頃には出来上がっていた様子ですが、25日の未明になって初めて、生誕のキリストがそっとおかれます。

その隣には聳えるように凛とした1本のモミの大木は、毎年ヨーロッパの各都市から寄贈される習慣があります。

今年は、ドイツ・バイエルン州より樹齢45年と言われるモミの木が、12月13日〔金〕に設置されています。

1982年から今日まで、法王ヨハネ・パウロ2世時代に始まったと伝えられていますが、毎年12月にヨーロッパの各都市から自慢のモミの木が運ばれるのは、サン・ピエトロ大聖堂ならではのセレモニーではあります。

時間はおよそ午前10時でしたが、もうすでに大聖堂へ入場するために
海外から、巡礼?に来られた観光客の列は、ぐるりと大きな弧を描いて
今か今かと入場を待って並んでおりました。

大晦日の今日は、大聖堂入場は午後12時30分まで、そして広場への
入場は、13時30分までと両翼に設置された大きな電子掲示板に知らされていました。

さて、話題の(人気の)新法王フランチェスコは本年(2013)3月にコンクラーベ(法王選出選挙のこと)で選ばれました。

また、アッシジのサン・フランチェスコが生まれたのは、1182年でしたから、何と831年後に同じ名前(フランチェスコ)の法王が初めて誕生した訳で、今年は記念すべき年であった、と言うことができます。

大晦日のサン・ピエトロ大聖堂と広場に立つモミの木。
            ことしのモミの木は、ドイツ・バイエルン州から寄贈されました。 
             

            
           
実寸大のプレゼピオ中央には、幼子のキリストが
みえます。生き生きとしてまるで本物のようです。
 
 

            大聖堂の入口を目指して並ぶ入場者の列は
            ぐるっと半円形の弧を描いて左側の翼まで続きます。
                エライこっちゃ!



                大晦日 サン・ピエトロは ひとを飲む       元鷹
                
              
             

                  
 
    

2013年12月19日木曜日

第210話 師走のローマ・テルミニ駅

ローマの雑踏と云えば、ここしかないのでは、と明言しても良い所はローマ・テルミニ駅であります。(市のやや北東部に位置します)

このローマ・テルミニ駅も毎年師走に取り上げさせて頂いております。
のっけから「雑踏」と書かせて貰いましたが、私自身は「世界の人の動き」
を眺めることができるスポット、またはゾーンとして気に入っています。

さて、今年も駅コンコースにはクリスマス・ツリー(H10m位)が立ち上り、
行き交う人々の一瞬の憩いのスポットとなっているようです。

そして、ツリーには旅人/旅行者らが、メモ用紙やノートに思い思いに書き留めた”希望・願い”の類が、枝先に引っかかれていました。

手書きの用紙には、旅行者のお国のことばで、お願い事が描かれています。日本の七夕様の短冊のようなものであり、或は神社境内の木々に吊るされた”絵馬”のようでもあります。

してみると、人間の常として「願いごとを叶えて下さい!」と云う心からの
希求を文字にして、神仏あるいは天に訴える所作は共通に在るものなのでしょう。

一人では叶わないことを”願い”にして、ツリーに託した心情のほとばしりに、何処の人間にも共通するこころの温かさを感じることが出来ました。

ところで駅名の由来についてみてみたいと思います。

由来1.駅の正面に古代ローマ皇帝ディオクレティアーノが造った浴場跡
     ≪テルメ、或はテルマエ≫が在るところから「テルミニ」と呼ばれ 
     るようになった、と云う。

由来2.古代の水道の終着点が、駅周辺になっていたことから、また電車
     の終着点だったことからもTERMINI〔終着〕駅と呼ばれるようにな
     った、と云う。

皆さんは、どちらが本当の由来だと思われますか?
由来1.浴場=テルメ 説、はたまた由来2.終着(点)=テルミニ 説

1.2.共正しいような気がしますね。

前回にご紹介した愛読書「ローマ散策」河島英昭著によれば、由来2.を
採用したご意見を挙げておられます。(同書P.123~124)




天井まで届きそうなBIGツリー
下部に見えます白い部分は、世界からローマに来た
旅人の夢・希望を書いたメモ、ノート用紙です。
 
世界の人々のお願いごとが、ベタベタと貼られて
                 います。もみの木は、息苦しいことでしょう!?

               
                
               

アップしました!
思い思いの夢や願望を天にも届け!とばかりに。
ここで興味が尽きないのは、①世界の人達により
描かれたこと。②意外とヒマを持て余している人が
多いことであります。実は、不肖ながら私も・・・と
想いましたが、次回に譲ることと致しました。(笑)
 
 
世の中は 果たせぬ夢の 多かりき    
 
成さねばならぬ とは云うものの 
                            元鷹
      

2013年12月18日水曜日

第209話 師走のバブイノ通り

前回の第208話コルソ通りに続きまして、お隣の”通り”となります
VIA DEI BABUINO 〔バブイノ通り〕へはいります。これまでにも「バブイノの噴水」をアップしておりましたが、今回は通りの師走風景です。

実はここの通り〔VIA BABUINO〕は、何と無く気をひき付ける魅力の
ある街並みなのです。特に行きつけのBARがあったり、ショップがある訳ではないのですが、スペイン広場に来るとなぜか足が向いてしまいます。

その理由は、きっと歴史の新旧が重なり合っているバランスとアンバランスとに「面白さが在る」からだと思われます。

数百年前からの教会堂、出来たばかりのブランド・ショップ、老舗のBARや美術商、そしてプ高級プチ・ホテルなどの居並ぶ雰囲気が、その魅力なのでしょう。

前回のコルソ通りとはまたひと味違ったバブイノ通りですが、ピンチョの丘
側に入りこみますと、さらにひっそりと正にひっそりとしVIA MARGUTTA
〔マルグッタ通り〕が控えています。

そうです、名画”ローマの休日”のシーンに登場した新聞記者ジョーが借りていたアパートがあった通りです。今でも、映画ファンがそぞろにこの周辺を地図を片手に「51番地」を探す姿が見られます。

河島英昭著による「ローマ散策」(p.166~167)を紐解けば、かつてローマを訪ねた小泉信三は、鴎外の翻訳した「即興詩人」に出てくる”アルベルトオ座”劇場をコルソ通りに探したそうです。

コルソ通りに見つけることが出来なかったそうですが、この当時話題を呼んだこの(貴婦人/ダーメ劇場)は、今日ご紹介のバブイノ通りから入る通り「アリベルト通り」と「マルグッタ通り」との角にあった、とのことです。

やはり、時代を超えて「いい味を醸しだした街」のひ一つだったようです。


 
バブイノ通り英国教会にかかる満月は
ファンタジーな世界を夢見させてくれました。
 
エレガントなXMASの飾り付けでした。控え目ですが
しっかりと店内の商品をアッピールした大人の設えです。
 
 
 
襟立てて 光求めて バブイノに     元鷹




2013年12月11日水曜日

第208話 師走のコルソ通り

今日の”コルソ通り”見学をどれほど待ちに待ったことでしょう!

2年前に仰いでみたクリスマス・シーズン〔翌年1月6日まで続く〕のデコレーション〔イメージ:イタリア統合150年記念3色旗〕に仰天ビックリして以来、昨年2012年の清楚で穏やかな上質な光の波波波・・・さて今年は、と。

イタリア人同僚Aさんに「先週7日〔土〕から点灯が始まった。」と聞いてからは次の休みの日が待ち遠しく楽しみになりました。

ローマの中心部を走る幹線道路です。ポポロ広場から、ヴェネティア広場を一直線で結びます。おおよそ1km位の長さはあるでしょうか?両脇には、教会、ホテルほか、多くのショップがならぶローマ自慢の繁華街です。

ほぼ通りの中央では、スペイン広場から走るコンドッティ通りと十字を切るようになります。※前回のコンドッティ通りのご紹介も御参照下さい。

さて、今夕は40番の市バスに乗り、ヴェネティア広場手前で降りました。
コルソ通りに向かって少し歩いただけで、通りの入口からレインボー・カラーが眼に入って来ました。

今年は、レインボー・カラーで来たなぁ!と、その趣きの変化を楽しみました。2011年「統合の3色旗」、2012年「祈りの純白」、そして2013年は
「多種多彩の夢」のレインボー・カラーと云ったひかりのイメージです。

師走のコルソ通りは、国内外からの買い物客でどの店も賑わっていました。もう2週間もすれば、”NATALE”〔XMAS〕です。

これからナターレまでレインボー・カラーに包まれたコルソ通りは、多くの観光客や買い物客を光のウェーヴでこころを和ましてくれることでしょう!


                今年は多彩色のコルソ通りの天の川となりました。
                往く人も来る人もカメラを天に向けて、楽しみます。

               
コルソ通りをポポロ広場に向かって歩きました。
 
この光の絨毯は、延々とポポロ広場まで続きます。
 
光ウェーヴの交差点
コンドッティ通りとコルソ通りと交差点です。
光の競演とも表現したい面白いアングルです。
中央奥には、トリニタ教会の鐘楼が薄っすらと。
 
 
 
ゲーテ言う ”もっと光を” ヴィア・コルソ  元鷹

2013年12月7日土曜日

第207話 師走のコンドッティ通り

3日夜にはリペッタ通りのあるレストランへ行く為に、コンドッティ通りを
真っ直ぐ通り抜けてコルソ通りを横切った。

コンドッティ通りの天上を飾るイルミネーションは、眩しいほどの真っ白い光のウェーブ〔波〕のようで見事でした。

さて、例年皆さまにはご紹介してきましたが、コルソ通りの光のウェーブは、スタンバイ〔暗がりながら、ウェーブを見てみると多色の光を楽しめそうです〕でしたがまだ3日の時点では、点灯になっていませんでした。

スペイン階段とコンドッティ通りの中央に位置する「バルカッチャの噴水」の修復も完了した模様で囲みの塀〔工事現場を覆うもの〕もすっかり無くなっていました。

夜も7時前後になるとイタリアの有名ブティックが集まったローマ随一の
コンドッティ通りの人影もまばらでした。

これは海外からの観光客がこの時期ちょっと一息といったところなのか?はたして或は、寒さ到来による外歩きが減ったものか?解りません。
ただ、通り天上のウェーブだけが鮮やかに光り輝いておりました。


スペイン階段を背にして 
                コンドッティ通り天上を飾るイルミネーションが
                天の川のように繋がっています。

               

            上の写真と反対側に位置するコルソ通り側から
                コンドッティ通りを写しました。

                  

               
コンドッティ通りがコルソ通りに突き抜けたコーナーに
あるFENDIのある広場に飾られたXMAS ツリー
 
 
コンドッティ 光溢れる 天の川    元鷹
 
 
 
 

2013年12月4日水曜日

第206話 ローマ歌劇場シーズン来る!

ローマでは本格的な冬の到来と共にローマ歌劇場(オペラ座)は本格的なオペラ・シーズンの幕開けを迎えました。

先月11月27日〔水〕午後7時開演(通常は8時)の今シーズン始まりの
演目は、V/ユーゴ原作・G/ヴェルディ作曲に依る”ERNANI”《第4幕》で、指揮者は、今人気のリッカルド・ムーティでした。

主演は、Francesco Meli〔エルナニ役〕,Luca Salsi〔ドン・カルロ役〕,Tatiana Serjan
〔エルヴィラ役〕たちで、ナブッコ〔今年7月公演〕でも主役を演じたカンタンテです。

舞台美術もこれまで以上の華麗さと重厚さを感じさせる本格的なものでした。さすが王侯貴族の歴史を有するヨーロッパの華やかさでした。

華やかさでは、観劇〔プラテア席かと思いますが〕に集まった紳士淑女の
ファッションもまさに現代の”王侯貴族”を彷彿させるには十分な出で立ちでした。さすがに’13年-’14年シーズンの幕開けの初日でした。

不思議にも私の坐ったガレリア〔最も廉価な年間シートですが〕の席は、
6列22番でした。何と私の誕生日の月日と同じでした。  Signore  mio !


                               オーケストラ席から観客席に向かって挨拶/黙礼をする
                指揮者のリッカルド・ムーティ


               

                                     
                                        フィナーレの出演者総出のごあいさつ風景です。


               

            
                                正面向かって左側に位置するガレリア6列22番の
                                     席番号にビックリ!写真左側半分はステージ、
                 右側中央下は、BOXシートです。


                  オペラ開け 紳士淑女の 社交場   元鷹