2012年2月22日水曜日

”雪の伝説”とサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂

”やっと寒さが抜けてきたかな”と思わせるような、かすかな春の訪れを午後の陽気の中に感じています。不断から「ないものねだり」を戒めているものの、逆に「あるものねだらない」症候群と言ったらいいのでしょうか、手中にあるのに意識が薄くなっている状態のことなのですが、ROMAの
生活には、この症候群対応対策が不可欠ではあります。

今月のブログにローマに四半世紀ぶりの大雪のことを書かせて戴きましたが、勤務地のヴィア・トリノから5分位の所にローマの7つの丘のひとつ”エスクィリーノの丘〔地区〕”があります。
この地区には最高の見どころ《サンタ・マリア・マッジョーレ教会》があります。

以下、観光書「ROMA p・172 同朋舎出版」より抜粋してご紹介します。
「352年に法王リベリウスは、”雪の降った場所に教会を建てよ”と聖母マリアが命じる夢を見た。
やけつくような夏の真っ盛りの8月5日の朝に、エスクィリーノの丘に雪が降ったとき、当然ながら
法王はこの聖母の命令に従って教会を建てた。」

実際には、シクストゥス3世(432-440)が聖堂を完成させたのですが、この”雪の伝説”は有名な話です。今年はすでに2回の雪が降りましたが、天空の聖母マリア様は、下界の雪景色をご覧になられて、にっこりと微笑んでいらっしゃったことでしょう。

                    
                    サンタ・マリア・マッジョーレ教会正面側 2月11日〔土〕撮影
                    ローマにも、10日から11日にかけて雪が降りました。

                     
                四大教会のひとつですが、
                見どころは、①システィーナ礼拝堂
                        ②聖母の戴冠のモザイク
                        ③パオリーナの礼拝堂
                        ④枢機卿ロドリゲスの墓 などがあります。

                近過ぎて 名が知れ過ぎて 遠く在り
                       あるものねだり 至福有り       元鷹

2012年2月13日月曜日

デザイン 青海波 そのⅡ

今月は雪の話題を続けてお話ししてしまいました。雪の結晶もとてもお洒落なデザイン?ですね。
今日は、昨年11月24日に掲載しました”青海波”そのⅡということでご報告させて戴きたいと思います。

元々、この青海波デザインは日本古来のものと勝手に思い込んでいましたが、どうもシルク
ロードの旅を続けて、日本へ来たものではないだろうか、いやそのように古代ペルシアから世界へ
広がったデザインである、とはインターネットからの情報です。

そんな説をサポートするかどうかは分かり兼ねますが、ローマに居て、暇を見ては市内、郊外を
散策している私には、多少なりの驚きを抱くものがございます。

1)2011年11月24日 ローマ市 EUR地区 パラツォ デイ コングレッシの広場≪紹介済≫
2)2011年12月24日 チヴィタヴェッキア市 海岸通りに面した一角≪写真ご参照≫
3)2012年02月04日 ローマ市 ヴィア アッピア 456番地≪写真ご参照≫

以上の3か所が、これまでの写真に収めることの出来ました”青海波”(風)デザインの石畳みです。読者の皆さまは、どんなご感想をお持ちになられましたでしょうか?

イタリアの知人〔50代のシニョーラ〕に、このことを話しましたら、軽くイタリアにはいっぱいありますよ、とのあっさりとした返事が返ってきました。今度、建築家のR先生に詳しく尋ねて、詳しいご案内をさせて頂ければと思います。さて、さて、如何なる顛末になのでしょうか!


                昨年12月24日撮影の青海波風石畳み
                チヴィタヴェッキアの海岸に面した商店街にて 
 
                                    
                     2月4日撮影 近所の幹線道路 ヴィア・アッピアにて
                     住宅敷地のものです。当日の雪が、見えますね。
                     ここは普段は、開いたり閉ったりしています。

                    青海波 大波小波 東西に        元鷹

2012年2月12日日曜日

今日もローマは雪に!

先週の3日〔金〕、4日〔土〕と不思議と同じパターンで、今週もローマには、10日と今日に雪が降りました。何と言うことでしょうか?異常気象は、世界的に起こっているのでしょうね、きっと。今日は、たまたま休みでしたので、フラッと観光地に出掛けてみました。先ずは、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂へ。≪写真A≫(この教会は、雪の伝説を持っているいることで知られています。)

そして、次はサン・ピエトロ・イン・ヴィンコロ教会へ、足元が滑らないようにゆっくりと歩いて辿りつきました。不思議と耳に入ってくる観光客の言葉は、フランス語でした。≪写真B≫

そして、最後は、フォロ・ロマーノを訪ねました。これまで、数度となく来ていましたが、勿論、雪の中を訪ねてきたのは、初めてです。雪の中を、陸カモメ≪正式な呼び名は不詳ですが≫が、数羽フォロ・ロマーノの上空を低空飛行していました。≪写真Cです≫

気がつきますと、カメラを持つ手が、かじけて仕舞いました。さあ、早く家に帰って熱いシャワーに浸かろうか、なんて思いながら急いでメトロB線コロッセオ駅に小走りに歩きだしていました。



                写真 A
                サンタ・マリア・マッジョーレ教会正面 2月11日〔土〕午後4時ころ撮影

               

               写真 B
               サン・ピエトロ・イン・ヴィンコロ教会 の正面奥右側にある
               ミケランジェロ作の≪モーゼ像≫写真が、ブレてしまいました。
      
                
                写真 C 
                雪で薄化粧をしたフォロ・ロマーノです。11日17時頃
                上空を陸カモメが、スイスイと飛んでいました。

                古都に降る ドルチェのごとし 春の雪      元鷹

2012年2月5日日曜日

26年ぶりの大雪になりました。

今朝起きてみると硝子戸越しの外側は、”白銀の世界”に変わっていました。

3日から降ったり止んだりしていた雪は4日早朝にかけて、しんしんと積もって
ローマ市内を雪化粧しました。メトロ、電車、バス、タクシーなど、交通機関に
多少の混乱をきたしたようでした

昨日、いつもランチを取るエノテカのシニョーラ・アンナは、ビックリした得意の
表情で、”26年前の大雪以来だわよ、この雪は!”と説明してくれました。

ローマには、真冬でも滅多に雪が降ることがないこともあり、朝から家族揃って
雪の街並みを散歩を楽しんでいる姿が、目立ちました。


                近くの公園の雪景色 VLLA LAZZARONI 
                4日午前9時30分頃 撮影



               共和国広場(エセドラ)の噴水は、普段の裸婦像が
               ドレス・アップしたように美しくなりました。
               4日午前11時頃 撮影

               初雪や ナイアディのニンフ 艶やかに      元鷹

2012年2月4日土曜日

研究 マーキュリー像の謎 そのⅡ

前回のマーキュリー像のお話しを続けたいと思います。いま読み返しますと表現に曖昧なことがあり、また言いまわしもまわりくどい感がありました。ここで整理してみましょう。

大正12年8月1日 三越本店発行のお客様向け紹介冊子から抜粋です。

  マーキュリー像(高さ八尺八寸の銅像)は、伊太利人ジョバニーダ ポロニアの原型を
  模したもので、此原作は同國の国立フロレンス博物館に蔵されて居ります。
  そしてこれは千五百九十八年ローマ市のビラ メヂチの庭園内噴水の装飾として造ら
  れたもので、形状の奇抜と、技工の精練な点で、世界に有名で御座います。マーキュリー
  は御存知の如く商売の神で御座います。

  ※上記の説明書きが、私には咽喉仏にトゲが刺さったかのように長い間、気になって
    いました。

1)調べたこと&分かったこと
  2011年9月10日〔土〕 フィレンツェ訪問
  上記の「国立フロレンス博物館」とは、現在の「国立博物館バルジェロ」であること。
   ※ 所在地 via del Proconsolo,4   フィレンツェSMN駅から徒歩15分位
  彫刻家は、Giambologna (ジャンボローニャ)1529~1608  1598年作
  撮影しましたマーキュリー像は、三越本店に飾られたものとは違うことに後から気がつき、
  驚きました。写真を色々な角度から撮ってきましたのでご覧ください。


                    フィレンツェのBARGELLO国立博物館の1階で見つけた
                    ”飛び掛けるメルクリウス”(ジャンボローニャ作)全姿形。

                     
                    マーキュリー像を後ろ側から撮影しました。
                    後期ルネッサンス彫刻を代表するジャンボローニャの
                    心意気が右足から力強く伝わってくるようです。
 
          躍動感溢れる美しい立ち姿です。これは、同じものではないなあ、何故?
          ローマに戻って数日後、同美術館へ問い合わせてみたところ、マーキュリー像
          は、もう1点ある、との回答を得ました。私が、オリジナル(?)に逢えて余りの
          嬉しさに、全館を見て回ったのに、もう1点の作品を見逃してしまった、と言う
          ことが分かりました。三越本店のオリジナル作品との出逢いは、今少し先に
          なりそうです。又、ひとつ楽しみは春になってからご紹介できますように。

          ※1  尚、2月1日にご紹介しましたビラ・メジチ庭園内のマーキュリー像は
              上の写真のものと同一のものと言って良いくらい似ていました。

          ※2  美術工芸に不案内であるため表現に適格性が不足しているやに心配
              しております。ご容赦下さい。

          ※3  インターネットにて調べてみますと、上記の作品名は”Mercurio volante”
               (飛び掛けるメルクリウス)と紹介されています。  

          ※4  マーキュリーについて 
              ギリシア神話では全能神ゼウスの末っ子で、ヘルメスと呼ばれます。
              商業・旅人・伝令の神と言われています。
               

        
              マーキュリー やっと逢えても ちがうひと         元鷹

2012年2月1日水曜日

研究 マーキュリー像の謎

今日から2月です。今年日本の冬は、雪も多く寒いお天気が続いていると旅行されていらっしゃる
お客様からのお声を伺っています。ローマの天気は、昨年12月から比較的暖冬が長く続いておりましたが、ここにきて急に冷え込んで参りました。人伝てには、今日にでもローマは雪❄が降る、と話しておりましたが、午前5時現在シトシトと☂降り状態です。

 話題転じて、日本にいた時からの”ある疑問”が、少し雪溶け≪?≫て参りましたので、ご紹介させて下さいませ。マーキューリー(像)を御存じの方が多いと思います。※メルクリウス、ヘルメス同義です。それは、三越日本橋本店の正面玄関(ライオン像のある玄関口)の5階付近に設置されています”マーキュリー像”のお話しです。

基本的な知識としましては、この像は2代目です。昭和47年三越創業300周年記念事業のひとつに再設置(同年5月29日)された像が、今日に至っております。さて、それでは、初代のマーキュリー像についてご説明します。

大正12年(1923)7月1日に同所(詳細は表玄関デザイン変更が在ったように見えますので正確では有りませんが)に設置されたのが始まりです。しかし、2カ月後の関東大震災で焼失した、という説。そして、先の大戦の時に貴金属の供出によるもので、取り外された、という説が有ります。

私の疑問は、当時イタリアの美術品(ブロンズ彫刻)を如何にして選択して、誰がどのようにして三越本店の正面玄関に設置したのだろうか?ということに有ります。と申しますのも当時の時代背景を考えますと非常に斬新でモダンで、さらに時代の先端を進む勢いを感じるからでございます。

ローマの発見が、ブログのテーマですから少々横道になってしましたが、ご容赦を。
少し長くなりましたので、続編は次回の”麗雅都だより”にてご案内申し上げます。乞うご期待!!



               ローマ ビッラ・メヂチ 庭園にあるマーキュリー像
               2011年9月20日入園・撮影後ろ姿です。

               
               ビッラ・メヂチ庭園 正面から見たマーキューリー像です。
               皆様の見慣れたブロンズですね。続編は、次回に。

               マーキュリー 誰が呼んだか メルクリウス    元鷹