2013年1月26日土曜日

ショペロのご利益

ローマに住んで早1年と半年となります。かつて東京近郊に住んでいた時に、随分大昔の話ですが、「交通ストライキ」なるものがございました。

ローマでは、今日でも健在でして時々行われるのですが、昨日25日〔金〕の交通ストライキ(バス、メトロ、タクシーなど)は久しぶりでした。

前日夕方に誰彼ともなく、”明日はショペロがあるそうだよ!”と言った話しが伝わって参りますと、不思議に他の2人、3人からも耳に入るのです。

ショペロとは、ストライキを意味するイタリア語のことばです。

辞書を引きますと諧謔的(かいぎゃくてき)には、”休む”という意味も含んでいるようです。

いつもお世話になっている理容師のルーカさんにその辺のことをズバリ聞いてみました。曰く、「ショペロは毎回金曜日にするのは、金・土・日と連休になるからね。」とのこと。やっぱりそういうこともあるものかなぁ?と妙に感心してしまった次第。

さて、お昼過ぎにテルミニ駅のチンクエチェント広場へ出てみれば、一部のバスは運行されている様子であった。どうしても約束があったので、タクシーでも拾わなければならなかったのでしたが、何とかどうにか、行き先方面のバスは間引き運転?を開始していたので助かりました。

サン・ピエトロ寺院から徒歩15分位の所に、ファビオ・マッシモ通りがあります。この通りは、私の散歩する定番通り(不思議と散歩する道は習慣化されてきます)のひとつなのですが、楽器店、時計店、生活雑貨店、バール、玩具屋、衣料品店、などが並んでいます。その中に、時々ひやかしで入る調理器具店 ”KASANOVA”で面白いモノを偶然に発見しました。

それは、「MASSAGGIATORE TESTA」です。「頭マッサージ器」とでも訳したらよいのでしょうか?一口で申しますと台所にある卵とぎ機(卵焼きを作る時などにグルグル回転させる手動式の調理器)の形をしたものです。写真をご覧ください。

昨年ローマにお住まいの知人宅にて拝見して、デザインにその発想にビックリしたことがありました。その奇想天外なシナモノに甚く感心したことが想い出されます。
以来ショペロの昨日、”KASANOVA”店頭にて、発見できた訳であります。

千載一遇と申すべき”ご利益”を授かった「ショペロの日」に乾杯!



      ※使用方法:黒色が取っ手です。頭のてっぺんから
              軽く叩きます。又は、帽子を被るように頭を包み、上下させます。
写真をよくご覧戴きますと、針金の先には、
        極小のボールがついています。また長さの違う針金が、 
          6本づつ計12本着いています。長さ;針金部分約15cm、
           取っ手部分部分約8cm、幅(太いところ)約10.5cmです。

大発見 ショペロのおかげ 頭モミ    元鷹


2013年1月19日土曜日

”アルマーニのマネジャー"のお話し

日本の家族からのメールによれば、今週14日の関東地方は大雪にみまわれた、とのことでした。
ローマへ観光にいらした日本人のお客様からも”日本は寒いですよ!”と何度か伺っておりました。

さて、ローマはお正月から比較的温かで、朝夕夜を除けば、ポカポカ?陽気の1月前半の天候でした。しかし、ここにきて連日の大雨・小雨の連続が続いています。また、今日(18日)の天気は、北風が強く吹き、いよいよ本格的な冬到来を思わせるものでした。

”アルマーニのマネジャー”のお話しです。

昨年11月半ばの或る日曜日のことでした。いつもの通勤道(VIA CERNAIA)を歩いていた時、
駐車中の車の中から、突然、声をかけられたのです。曰く「コロッセオは、どのようにして行ったら良いのか?」と質問されたのです。

私は一瞬「エッ?!」と思いきや、「この道を戻って・・・・・」と説明したところ、運転席の彼は、自己紹介を勝手に始めたのでした。かいつまんで申しますと、「ミラノから来たアルマーニのマネジャーをしている」と言うものでした。普通、そんな自己紹介はありませんから、この男、可笑しい奴かな、と。

休む間もなく、「貴方の身長はいくつか?」と。
そして、透明のビニール袋に入った”長袖シャツ”を投げるかのように渡されたのです。

この一連の動作はまるで、全てが芝居のような格好でしたが、いよいよ本性発揮です。

「現金の持ち合わせが無くて、クレジットカードでガソリンを入れようと思ったがダメだった。
少々、金銭を応援してくれないか?」と。私は、おもわずエェ-ッ!と唸ったが、シャツのこともあったので、財布から20ユ-ロ(2,100円)を渡してしまいました。

”アルマーニのマネジャー氏”曰く、「これじゃとても足りないよ!」と、オカンムリの様子。
私は、「それじゃ、これ(シャツ)は返すから、20ユ-ロを返して!!」と真顔で反撃すれば、マネジャー氏は、一気にアクセルを踏んで、「じゃな!アバヨ!」とばかりに、その場を勢いよく去ってしまいました。

既に、賢明なる読者の皆さんにはご理解頂いた通りかと存じます。
これは、通り魔ならぬ”車詐欺”の手口だったのです。

ところが年が新しくなって1月の初旬のことでした。同じ時刻頃に同じ場所を歩いていると、丁度、
若い親子が、同じような手口で、運転手(詐欺氏)に捕まって、話を聞かされていました。

私は、車の後ろに回って、「この男は危険、注意せよ!」と手話交じりのジェスチャーで、外国人
男性へシグナルを送ったところ、直ぐに詐欺氏の車は発車してしまい、その観光客らしい男性
からは”有り難う!”との合図を頂きました。

こうして、私の”20ユ-ロ”は、新しい年に役に立ったのでした。

 教訓その1.ローマでは、否、海外では、車から声を掛ける輩には、反応しないこと。



                              ここが、VIA CERNAIA です。後ろから3番目の
             赤い車の辺りに「曰くアルマーニのマネジャー」が
             車を止めて、カモ?を待っていた。 

   
             普段から 油断大敵 スリに詐欺          元鷹  

         
    

2013年1月9日水曜日

書き初め大会

新年も8日目です。ローマの正月は、ポカポカ陽気に恵まれた静かな≪街並みは、今年もいつもの様に騒がしいのですが≫日が続きました。

年の瀬にイタリア人スタッフから、「来年は、書き初めはどうするの?」と訊ねられて、「勿論、来年もやりますから参加して下さい。」とは答えたものの、忙しさにかまけて準備不足のまま本年2日の朝を迎えることになってしまいました。

実際には、午前9時30分ころから一人、二人と集まって8人ほどの参加者で、書き初め大会を楽しみました。筆の使い方に、慣れた人も不慣れな人も墨汁に筆を入れると嬉しそうに好きな日本語の
ことばを書き出しました。※参加者のイタリア人は、日本語の基礎は出来ている人でした。

例えば、「夢」(イタリア人、日本人)、「美」(日本人)、「希望」(イタリア人)、「新年」(イタリア人),「月星」(イタリア人)
などを選んで立派に書いてくれました。

変わったところでは、自分のお子さんの名前をカタカナ書きにして、筆を奮ったお母さんスタッフもいて、微笑ましくも新春を飾る楽しい”書き初め大会”となりました。

今年も参加者は、イタリア人スタッフの方が多かったのには驚きましたが、中国人スタッフは、お昼休みを利用して、一所懸命に立派な筆使いの文字を仕上げておりました。

            

             
             書き初めに 祈りをこめて 運ぶ夢        元鷹

2013年1月6日日曜日

今日は、Epifania の祝日

今日6日〔日〕は、Epifaniaと綴って”エピファーナ”と読みますが、カトリックの祝日です。
伊日辞書によれば、救世主の御公現の祝日、主顕節とあります。

ネットなどで調べてみますと、キリスト生誕後に東方の三博士が貢物を届けに来た日とも。

さて、”エピファーナ”の今日は、子供たちが変装をしたり、お顔に化粧をしたりして親御さんたちと
広場に集い、あるいは親戚筋の方々がお祝いに、お菓子をプレゼントをしたりするファミリー・親族で楽しむ一日です。

子供たちは、前の夜に暖炉の周りに、またはキッチンにお菓子を入れてもらう下げ袋を用意して、
楽しみにベッドに入って翌日を迎えるのです。

丁度、サンタクロースに代わって”BEFANA〔ベファーナ〕”〔箒に跨って、やってくるそうです〕という魔法使いのお婆さんが、1月5日の夜から6日朝方にかけて、暖炉から入ってくると言う伝えです。

良い子には、美味しいお菓子を届け、駄々っ子〔?〕には、炭〔スミ〕を届ける、と言うものですが、
この炭そっくりに作られたお菓子が、売られているそうです。


さて、クリスマス前から飾られていたツリーやネオンなどは、今日をもって外されます。
お正月〔CAPOD’ANNO;カポダンノ〕を挟んで、今日までの一連の祝日〔複数回〕をイタリアでは、
”BUONE FESTE”(ブオネ・フェステ)と称して、グリーティング・カードに印字されるのです。

イタリア語に疎い私は、クリスマス前にイタリア人に「BUON(A) FESTA」と挨拶をした際に、
彼は「BUONE FESTE と言わなくちゃ!」とアドヴァイスしてくれたことが、今、理解できました。

"L'Epifania tutte le feste porta via "       主顕節は、お祭りの締めくくり
という諺もあるそうです。長い長いお祭りは、やっと今日で〆となる訳です。

成程、不断は厄介に感じていましたが、単語の単数、複数の使い分けは、このような歴史的時間、または文化的な過程を得ながら、今日に伝えているのでしょうか。

してみると、文化行事と言葉(単語)とは、一蓮托生の関係で脈々と私たちの生活の中に溶け込んでいるのですね。

早速、今日ならばローマの街中にいるだろう”BEFANA”お婆さんにその辺のところを聞いてみることにしたいと思います。


 


            エピファーナ 今はサルディの はじめなり      元鷹

            (釈)サルディ→SALDOの複数形SALDI(バーゲンセール)のこと        

2013年1月1日火曜日

歳末のヴァチカン市国サン・ピエトロ広場

たった4日前とは言え、新旧の年度を超えてしまえば、話題としては旧聞となります。
昨年のブログに積み残しが、ひとつありました。元旦のお目出度さに免じてご勘弁頂いて、
披露させて頂きます。

サン・ピエトロ大聖堂の大きな広場の中央には、毎年プレゼーピオが展示されるので
楽しみにしています。昨年は、25日クリスマスのタイミングを逸してしまい、27日〔金〕の
正午頃、プレゼーピオの見物に参りました。

ところが、あの広大な広場は昨年以上の見物客でごったがえしておりまして、
展示されているプレゼーピオを見ようとする世界からの観光客が長蛇の列を作っていました。

今回は仕方ないとばかりに、列には加わらずに出来るだけステージに近寄って、撮影して
みました。サン・ピエトロ広場の”雰囲気”だけでも味わって頂けるかも知れません。



                大聖堂のクーポラが中央に、その前にはオベリスクが
                   聳えます。そして、その前のスポットには「プレゼーピオ」が
                   クリスマスを挟んで展示されます。

                  キリスト誕生のお祝いに駆け付けた人びとの
                     様子をミニチュアで表現しています。街並みも 
                     人々の動きもリアリティを感じさせるものがあります。

                     
                  プレゼーペオ 伝え知らずに 只感心      元鷹
   



2013年 明けましておめでとうございます。

皆さま!2013年明けましておめでとうございます。

旧年中には、ブログ「ROMAの麗雅都だより」をご愛読頂きまして,
誠に有り難うございます。
本年もあい変わりませずに宜しく♪ズ-ズィと御願い申し上げます。

日本の2013年元旦は如何お迎えで御座いますでしょうか?
ローマは、ただ今1月1日午前11時現在”快晴”でございます。
気温も引き締まった寒さは残るものの、まあ凌ぎ易いお正月と言えます。

ここローマで迎えた新年は2回目となります。
いよいよこの夏からは、3年目のローマ滞在となるわけです。
元旦の今日は、お屠蘇を楽しみながら、今年一年の計を案じてみたいと
思います。

曰く、「一年の計は元旦にあり」。
古い言葉ですが、大切にしたいと思います。

「夢」、「希望」、「勇気」などなど幼き頃に通った書道教室で習った”書き初め”を
明日2日には、イタリア人の仲間と楽しむ予定です。

さて、今年の抱負はどうしようか?などと思い巡らせるのもお正月ならではの
楽しみではあります。

少し、お屠蘇が入り過ぎたかな?

それでは、皆さまのご健勝を祈念しつつ新年の御挨拶とさせて頂きます。





                2013年元旦午前10時45分ころ撮影。
                アパ^ート〔7F〕ベランダから撮影しました。

                                            
                同じくアパート東側の窓から、ご近所を撮りました。
                テルミニ駅に近いオフィスとアパートが混在する地域です。
                中央右手に聳える高塔は、金のキリスト像です。

                元旦は 今年こそはと カポダンノ         元鷹
                   
                 ※CAPOD’ANNO 〔伊〕 元旦正月、1月1日のこと

                伝えたし 麗雅都だより 春の夢          元鷹

                古都ローマ 古典原点  ここに在り        元鷹