2013年10月31日木曜日

Campagna Abbonamenti

Abbonamento(i)とは、年間購入・年間購読といった意味を持つイタリア語です。現在、ローマ歌劇場はこの11月から来年の10月までの1年間のアッボナメントの販売に懸命♫になっています。

”懸命”♫ということばは、いつも陽気なイタリア人にはピッタリしない
イメージですが、素人目には、AbbonamentoへのPRの勢いを見ますと、
随分と力を入れているようにみえてなりません。

歌劇場正面入口の懸垂幕、入場口メインの柱に巻き付けた大ポスター、或は通りに面した広告塔への掲載をするなど、結構な露出が街中で見受けられます。

年間購入のメリットを考えてみますと、1年間の席を確保できることが最大のメリットと言えます。

その都度のチケット購入ですと観たい舞台でも、何らかの理由で見逃してしまうこともありますから、事前に入手出来ていれば大変安心です。

今一つのメリットは、まとめ買い(オペラ×7舞台、バレー×3舞台、年間10舞台)による割引が、大きな魅力です。

多くのオペラ・ファンは、この時機を逃さずに、思い思いの「マイ・シート」の確保に躍起になることでしょう。

さて、折角ですから手元にあるパンフレットから予定されていますオペラの
演目をご紹介しておきます。ローマご旅行の際、ご参考になるかも知れません。


    演目             演奏日程
        
1.ERNANI 2013/11/27、29 ・ 12/1、3、10、12、14
2.L'ENFANT ET LES SORTILEGES
         2014/01/30 ・ 02/01、02、04、06
3.MANON LESCAUT
         2014/02/27 ・ 03/02、04、06、08
4.MAOMETTO Ⅱ
         2014/03/28、30 ・ 04/01、03、05、06、08
5.L'ELISIR D'AMORE
         2014/05/08、09、10、11、13、14
6.CARMEN
         2014/06/18、19、20、21、22、24、25、26、27、28
7.RIGOLETTO
         2014/10/21、22、23、24、25、26、28、29、30,31

※ご注意  
          各日にちによりまして、時間は違うことがあります。
          事前に再確認が大切です。


            人影もまばらな或る午後のローマ歌劇場正面口。
                
                ここローマでも大人気の指揮者リカルド・ムーティの
                顔写真が目立ちます。

                 

               

                
               
                正面入口右側壁面のウィンドーに飾られたポスター。
                左:リカルド・ムーティを前面に出した年間購入PRポスター。
                右:ただ今開演中のトゥーランドットのPRポスター。



                今が旬 アッボナメンチの 歌劇場   元鷹
                来る春の 今から話題 ネトレブコ       
               

                
                

2013年10月29日火曜日

KAKI 喰えば 

         柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺    子規

季語が柿ですから、子規が丁度今時分に詠んだ句だったのでしょうか?

我が家では(日本に居た頃のことですが)、干し柿を好んで競うように食べておりました。日本の干し柿は、本当に美味しいですよね。

皮を剥かずに、すぐさま食べることが出来るのは勿論、甘くて歯ごたえが良くて香ばしいことなどがその理由でしょうか。

さて、最近スーパーマーケットに出掛けると、入口の野菜・果物コーナーに「柿」が並んでいます。正式には、”KAKI”と表示がされています。

また、場所に依っては、または品種に依ってか、”KAKY”、”CACHI”と称しているケースもあります。

一昨日、ローマでは初めてですが、スーパーにて購入した2タイプの柿を写真にてご紹介致します。


                               A.(上)熟成した柿  1個当たり、145円位。
               B.(中央)お馴染の日本でよく見かける柿です。
                     1個当たり、45円位。


さて、A.の熟成した柿は、トロミ味といいますかスプーンで頂かないと
口元まで届きません。味は、非常に甘くコクもありました。

B.の柿は、全くと言うほど日本で食べた柿と同じ味を楽しめました。
懐かしい日本の秋の風味でした。 

因みに子規の句は、イタリア語では次のように訳されています。

  Mentre mangio un cachi        suona      la  campana.     Horyuji.

    ※ 翻訳は 「IL GRANDE LIBRO DEGLI HAIKU」 p. 277 より。

 



       KAKI喰えば ガーンガーンと 時の鐘   元鷹  

 
              VIA NAZIONALE の スーパーDESPARの食品売り場
              を見学してきました。10月29日午後。
              ここでは、スペイン産の柿を並べています。1kg=2.35€ 
              ですから、少々お高めな価格設定です。 

2013年10月28日月曜日

文楽観賞


10月も慌(あわただ)しく、と言いますか、忙しくと云いますか、今月最後の日曜日の27日を迎えました。

「慌しく」も「忙しく」も”こころ”が、荒くなったり、亡くなったり、することですから、余り歓迎できない「こころの所作」と言えます。

イタリアらしく〔これが難物ですが〕”ピアノ エ ピアノ”〔ゆっくり そして ゆっくり〕と日々を過ごしたいものですが、言うは易くなかなか難しいことではあります。

さて、今月の4日、5日には、「ローマ日本文化会館開館50周年記念特別事業」の目玉一つとして、「杉本文楽」がローマ市内の名門”アルジェンティーナ劇場”にて公演されました。

ローマ文化会館発行の催し物のご案内に依りますと、「杉本文楽 曾根崎心中付(つけた)り観音廻り」の説明の中には、”イタリアにおける本格的な文楽公演はこれまで例がなく、今回が史上初めてとなります。創造的で優れた日本の舞台芸術を一人でも多くの方にご覧頂けることを願っております。”と紹介されています。

私は、初日の公演に出掛けてみたのですが、殆どの席がイタリア人他、外国人で埋め尽くされていました。

お恥ずかしながら、国内では文楽の観賞をしたことが有りませんでしたから、初めての体験でした。”何とFORTUNATO!”

義大夫節、三味線弾き、そして人形遣い(三人遣い)の三位一体となった
日本の伝統芸術に観席のイタリア人は釘づけになったように見入っていました。

イタリア人の口を閉じ込める程の迫力は、他のものではそうそう在るものでは有りません。さぞかし、文楽の持つ魅力に一気に惹きつけられたに違いありません。

話は変わりますが、テアトロ・アルジェンティーナは、1732年建設でロッシーニの傑作「セヴィリアの理髪師」(1816年)、ヴェルディの「二人のフォスカリ」(1844年)、「レニャーノの戦い」(1849年)年などが初演された、と云われています。《イタリアの歌劇場:牧野宣彦著:ふくろうの本》

               アルジェンティーナ劇場正面口。
                創設は1732年の老舗劇場です。   
 


                
 
公演が終了して舞台上から観客席のお客様へ
丁重なご挨拶をする文楽を演じた皆様がた。
久し振りに日本の伝統的なお辞儀を見て”心地よさ”
を味わいました。大熱演が大きな拍手を
劇場いっぱいに巻き起こして止みませんでした。
 
A4サイズの公演用チラシ(2種類)です。
                
文楽の魅力が伝わってくるような素敵なチラシです。
 
 
 
文楽と アルジェンティーナ 観る夕べ    元鷹
文楽は 三位一体 至芸なり

        







2013年10月26日土曜日

お揃いの袴姿に感動しました!

10月に入ってからは、やっとローマの空にピッタリ似合ったアズッロ・カラー(紺碧の色)が、眺められるようになりました。幸せを感じる季節です。

このアズッロ天上を近くの教会の上に見るときは、必ずと言ってよいほど
気分が晴れてきて、同時に思い切って鼻から、口から空気を体一杯に入れてしまいます。

さて、先週のできごとですが、お着物姿の日本人女性4名のお客さまを
お迎えしました。海外に居りますと日本的なものが、食べ物だけではありません、眼に入り易くかつ妙に懐かしくそして嬉しくなるものです。

早速、颯爽と着こなしされた和装のお客様へご挨拶させて頂きました。
イタリアご旅行をお着物姿で闊歩される粋な心意気にこころからの賛美と
感謝の意を述べました。

その中のお一人の方のお召し物のデザイン≪青海波≫に一層の注目をさせて頂きました。2年前より、ローマで発見?したローマン・青海波模様のことが想い出されたからです。

ご承知のように日本の伝統的和装デザインの代表ともいえる「青海波」
図案の歴史は、遥か古代ペルシャ時代にシルク・ロードを通じて、日本へ伝播されたとのことです。

ところが、以前にご紹介申し上げましたようにローマ市内・郊外にて、舗装石や鉄製金物などでこのデザインを見ることができるのです。

シルク・ロードの右方向が日本へ辿りつき、片や左方向が古代ローマへと伝わったのではないだろうか?という全くの空想に近いものであります。

中々適切な参考本や専門家に遭遇しない為に、詳細不詳で真相は藪の中ですが、興味を持って調べてみたいと願っています。

因みに、イタリアでは a coda di pavone 《孔雀の尾》、或いは, apparecchiatura a ventaglio《扇を広げた形状(訳が難しい?)》と呼びます。

お召し物のデザイン「青海波文様」の不思議なストーリーへと話が逸れてしまいました!

皆さんの晴れ姿を写真に収めたく切望して、記念のスナップを撮らせて頂きました。写真撮影並びにブログへの掲載をご承諾頂き、本日ここにご登場となった次第です。

お玄関口からお見送りを申し上げましたが、水しぶきを上げるナイアディの泉・共和国広場方角へ足並みを揃えて、お帰りになられるお着物の後姿を伺いつつ、皆さまに心からエールを送らせて頂きました。

ローマに居りまして、日本の事情に疎くなる一方ですが、ご紹介の4名の日本人女性の堂々とした姿勢と足取りは、日本人女性の美しさ、或は
日本の伝統・文化を如実に物語る瞬間だった、と感服した次第です。


            お買物を終えてお帰りになられる際に、お写真を
                お願いしました。この後、ピア門方面に颯爽と歩いて
                お帰りになられました。ぜひまた、ご来伊下さい!

               


            テルミニ駅に近い ”VIA GAETANO”に在る駐車場は
                青海波文様と思われる石のデザインです。市内、近郊で
                10ケ所程発見しております。
                尚、2012年3月のブログをあわせてご覧ください。



                青海波 波波ならぬ 歴史有り      元鷹
                はつらつと ローマを闊歩 袴着る  

2013年10月16日水曜日

”うめぼし”と”チョコレート”

私たちの普段の生活の中で、「心とこころとの通い合った瞬間」こそ、
ほのぼのと気持ちが晴れることはありません。

事の発端は、丁度1週間ほど前になります。
ハネムーンでイタリア旅行中と思われる若いお二人に、いきなり
「梅干しはありますか?」と尋ねられました。

さすがに梅干しを始め日本の食材の扱いがない為に近くのお店を1軒ご紹介させて頂きました。

しかし、そのお店での「梅干し」の有無までは把握しておりませんから、
明日で良かったら家にあるものをお持ちしましょう、と約束しました。
ただし、休みの為午後からのご来店をと、勝手なお願いをしました。

さて当日所用があり、店に立ち寄って同僚スタッフにその旨を伝えた。
仮におみえになったら、この包みをお渡しを願いたい、と。

次の日、依頼したスタッフに聞いてみると午後(遅く)にお越しになられた、
との報告を受け、役に立てて良かったと少々うれしい気分になりました。

さて、この日夕方に突然、お二人のニコニコしたお姿をカウンター越しに見るや否や、「昨日は有難うございました。こちらを。」とオシャレなデザイン紙に包まれた小箱をプレゼントされました。

家に帰って、リボンを解いて中を開けてみると、カタチの違ったチョコレートが、ギッシリと詰まっているのが眼に入りました。

かえって、お気づかいを戴いてしまったことに、若干の戸惑いを感じつつも、一口チョコを試してみれば。これは旨い!とびっくり。

これは、お二人はベルギー経由にて、ローマに入ったのかも知れない、などと勝手な空想に浸りながら、なお今一ケ、今一ケとチョコを頬張る。

箱の中にあった名刺サイズのお店紹介票を読むと”LEONIDAS”  Roma-via dei Redentoristi 16とあった。えっ、ローマのチョコではないか!!

私は、ガーンと頭を打たれたかのように何度もそのカードに眼を通しました。と言いますのも、これ程美味しいチョコレートが、地元に在ることを知らずに長い期間居たからです。

しかし、日本から来た若いカップルの情報収集力とお店を探し当てた探究心に、そしてそれ以上とも言える”梅干しへの感謝のしるし”をカタチに表してくれたお二人の心情に触れて、嬉しさも美味しさも100倍になりました。

これから梅干しを食する時には、お二人のお気持ちが想い出されて、スッパイ味と甘い味が交差するのではないだろうかと楽しみにしています。

                               チョコレート・カラーのシックな包装紙とリボン。
                 
                お店は、パンテノンに近い裏通りに在ります。



               ほのぼのと ひとの心に 情あり       元鷹


2013年10月9日水曜日

Gelateria La Romana

それは、今年の4月頃だったでしょうか?

9月20日通り沿いに”Gelateria La Romana”が、出店したのです。
たまたま気がついて、それとはなしにお店に入ってみたら、これまでの
ジェラート屋さんとは、全く違った雰囲気のお店作りにビックリしました。

インテリアは、比較的クラシックかつオーソドックスな設えです。
また、店舗の正面右奥には工房《キッチン》を備えているようです。
出来上がりのジェラートを新鮮な内に楽しめるようになっています。

但し、私のようにジェラート食歴のない人には、少々困った部分もあります。それは、注文の際に壁に張ってあるメニューを読んで、店員さんへ
伝えないといけないからであります。

従来の街中にある一般のお店ですと、「エッーと、これとこれを!」と
眼下に見えるジェラートの鍋《?》を指でさせば良かったわけです。

しかし、何事も案ずるよりも産むが易しの例えの如く、2度、3度・・・もう
5~6回も通いますと、メニューにも慣れてきて、却って選ぶ楽しみが、
自然と湧いてくるから不思議です。

今日は、私の前に居たお客様が選んだチョコレートが美味しそうに見えた
ものですから、真似をして注文し、それとフラゴラ《イチゴ》を頼みました。
2€/ピッコロ・サイズを注文。

どちらも濃い味がして、これまでになく旨い!とコーノを口に何度も運んで
チョコレートとイチゴのジェラートを愉しみました。

お店のご紹介
お店の名前:”Gelateria La Romana”
            住所:Via Venti Settembre,60 Angolo Via Piave,  00187  Roma
            電話:++39-06-42020828
     Web: www.gelateriaromana.com

                               右側:出入り口、真正面がキッチン〔工房〕です。
                多くのお客様で賑わっています。左上方が、字書きの
                メニューです。右側に腰掛けて、美味しそうに食べている
                シニョーレは、正に「熱中」。イタリア人は、ジェラートに
                目が無いのです。


                
 
              
            店内に置かれたジェラート・ケーキ/タルトは、
                美味しそうでした。


               

                注文したジェラート・コーノを撮影しました。
                チョコレートとフラゴラのコンビネーションは、初めての
                オーダーでした。チョコレートが、特に旨かった!



                秋深し 眼に舌に佳し ”ラ・ロマーナ”    元鷹   


2013年10月2日水曜日

シチリア紀行 編集後記

今回初めてのシチリア旅行の体験を、「シチリア紀行Ⅰ~Ⅷ」と題して、
ブログに掲載致しました。ご購読、ご高覧有難うございました。

振り返って、”シチリア紀行Ⅰ~Ⅷ”を読み返しますと訪問先の印象記
[土地柄、美術館などの話題]が中心になっていることに気づきました。

しかし、実際には各町で多くのシチリア人との出逢いを持つことができました。そして、その土地の人とのコミュニケーションこそが、旅先での潤いとなって、美しい景色と共に忘れられない想いでのひとコマとなりました。

パレルモでの4人の元気な少年達との出会いでは、イタリア・セリエAや
ロシアで活躍する日本人選手の名前[ナガトモ、モリモト、ホンダ]などを聞かされて、とても嬉しくかつ愉快でした。

アグリジェントでは、海の家のご亭主およびその知人と写真を撮っては、世間話をさせて戴きました。また、タクシーの運転手には、とても親切に
ご案内してもらったり、シチリア人の”情”に触れることができました。

ローマで知り合いになった日本人Kご夫妻とシラクーサで、再会が出来たのは、全くの幸運とご縁のお陰でした。※夜間に路上でバッタリ出逢った。

シラクーサのギリシア劇場入口では、アコーディオン引きのオジさんから、タンバリンを持たされて、近くに居たガイドさんと3人で「’O SOLE MIO」の合唱をしては、仲良くなったりする場面もありました。

イタリアは”ベッラ・パエゼ”・美しい国と呼ばれますが、シチリア旅行を通じて、この言葉にこころから同調することが出来たことは大きな収穫でした。

                                        パレルモで出逢った仲良し4人の少年たちは、
              「ナガトモ!ホンダ!」と連発して和ましてくれました。


               

 
アグリジェントの海の家で
左:モナコ ルイジ さん
   右:ブリジオ カロゲロ さん

               
               
               
            シラクーサでは、陽気なアコーディオン引きの
                アレッサンドロさんと7ケ国語を操るガイドの
                サントさんと”’O SOLE MIO”を合唱しました。


                                            南国の 来てみてわかる 島の良さ    元鷹
                
                 
                  
                 ゲーテ云う シチリア在りて  イタリアよ  


                *メッシーナ海峡のフェリーに乗って***

                 空高く 群青の海 今帰る
                 ローマへの思い こころ新たに      元鷹

                                            
                                                *シチリア・マップ
                         
                        
                   

                 
                 
                 

                △マークの左上  ⇒ パレルモ
                △マークの中央下⇒ アグリジェント
                △マークの右下  ⇒ シラクーサ        










 

                  

2013年10月1日火曜日

シチリア紀行Ⅷ シラクーサ アナディオメネのヴィーナス

シチリア紀行最終章は、「アナディオメネのヴィーナス像」です。

ギリシア野外劇場の見学後に、ホテルを挟んで丁度反対側に位置する
「Museo Archeologico Regionale Paolo Orsi」とやたら長い名前を冠した
博物館を尋ねました。入館料8€。

目的は、前出の和辻哲郎著「イタリア古寺巡礼」≪岩波文庫≫p・134~135の13行に書かれたシラクーサの美術館で観たという”アナディオメネのヴィーナス”の話に甚く魅かれたからであります。

しかし、文庫には博物館/美術館の名前・ところなどは書かれていませんでした。また、90年前のシラクーサでのどこかの美術館での印象記ですから、一体どこにあるのかしらと不安もありました。

しかし、念ずれば通ずの云われではございませんが、他に読んだ参考本やサラクーサ市内での情報に依って、上記の博物館に展示されていることが分かった時は、胸を撫で下ろしました。

博物館に入るまでのアプローチもたっぷりとしていて、まるで公園の中を
歩いているようでした。エントランスもりっぱでしたが、先ずは建物の大きさにビックリです。

氏は、先の本のなかで次のように紹介しています。〔p・1357行~10行〕

”しかしこれだけの女体像は、ギリシア以後の時代ではなかなか見られ
るものではない。この像の前に立ってながめていると、ローマの[カピトリノのヴィナス]よりもあるいはこの方がいいかも知れない、という気持ちがした。”

私は、昨年秋だったと思いますが、ローマの[カピトリノのヴィナス]を観て、
感嘆の至りでしたので、氏のことばにただただ畏れ入って、そのヴィーナスを探してみよう、観てみよう、という動機づけになった訳です。

館内は、Aゾーン~Dゾーンまで、4つの部屋割で構成されておりました。
其々のゾーンには、シラクーサにおけるギリシアの文化や歴史を充分に
紹介してくれていました。

AからCゾーンまでは、急ぎ足で観て回ることにして、Dゾーンに展示されているあこがれのヴィーナスへ向かいました。

ヘレニスティック時代[紀元前3~1世紀]の作と云われているそうですが、この博物館の名物であるヴィーナスの置かれた部屋は、特別室と
いった空気が流れていました。

ギリシア彫刻のヴィーナスに近づき、この旅行のために新調したデジカメのシャッターを切りながら、美への畏敬の念を抱きながらも溜息をすることしか他はありませんでした。


            博物館外門から入口までのアプローチです。
                旗が見える場所が、エントランスとなります。

                     
               
 

            黒地と土色のコントラストは、今見ても新鮮です。
                そして、デザインはエレガントさを感じさせます。
                 
                ギリシア文明の質の高さには、ただ驚くばかりです。


               
 
”アナディオメネのヴィーナス”

                紀元前3~1世紀の大理石彫刻

              
ヴィーナス左側から撮影
 
 
 
ギリシアの 女神ヴィーナス 目の前に
じっと動けず 只釘付けに     元鷹