2014年10月31日金曜日

第291話 ヴァチカン国際音楽祭に参加して 後編

さて、後編は翌々日26日〔日〕に開催されました一夜の音楽祭について、
合唱〔バス〕に参加したひとりとして、お話しを申し上げさせて頂きます。

それは、西本智実指揮によるG/ヴェルディの”MESSA DA REQUIEM”の演奏会のことであります。前編にもお知らせのように4大聖堂のひとつサン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ大聖堂が演奏会場となりました。

用意された観客席は、招待客・一般客共およそ2,000席を数えました。
聖堂内を覚えていらっしゃる方ならば、お分かりかと思いますが、聖堂の
中央にそれらの席は、大きな大理石柱に挟まれるようにセットされました。

この大理石柱は、中々のモノでして1本1本見て居るだけでうっとりする様な不思議な魅力を兼ね備えているのです。聖堂内にはざっと数えただけで80本はありました。※何でも数えてしまう癖があります。

26日〔日〕午後9時。いよいよ本番が始まりました。場内アナウンス〔挨拶・開催趣旨〕が、伊語、英語でスピーカーを通して聖堂内に流れました。続いて、ヴァチカン市国の代表者〔大司教様?!〕のご挨拶スピーチ。

イントネーションなどから、この代表者?はイタリア人ではないなぁ、とは
後でイタリア人の同僚が、ふっと洩らしたことばでした。ただ、そんなことよりも挨拶が短めでとても良かった、と思ったのは”私の感想”です。

予定とおり、レクイエムの前にアンドレア・バルコーニの”ヴァチカン賛歌”
が、演奏されました。一人の日本人男性が指揮者の横に立ち、奏でるオーボエは、ひと際静かな雰囲気で上質な音色を堂内に響かせました。

さて、西本智実指揮者のタクトが振られました。ppp sottovoce ♪Requiem,
テノーレとバッシから、静かに静かに演奏は、Andanteから始まりました。

演奏会の全てはとても語れませんが、今振り返りますれば、演奏時間のおよそ90分はあっと云う間に過ぎてしまいました。

幸いにも、左隣りで歌ってくれたジャンルーカさん、後で歌っていたアレッサンドロさんの好リードもあって、普段の練習が遺憾無く発揮できました。〔あくまで自己満足でしかありませんが。〕※イタリア人男声は素晴らしい音でした!

纏めに”特記事項”と言いますか、記録して置きたいことを一つ。

[pppp♩♩♩libera ]で全曲が終演した訳ですが、指揮者西本智実さんは、両腕を真っ直ぐに下ろし,頭を垂れたまま、どの位の時間だったのでしょうか、じっと動じずに直立不動の姿勢をされていたのでした。

やがて、観客席に向い深々と一礼をしたとき、2000人の聴衆者からの大聖堂割れんばかりの感激の万雷の拍手は、暫くの間、止むことを忘れたかのようでした。



プログラム右側囲み部分が演奏会の紹介です。
            4人のソリストは、素晴らしい演奏でした。

            
 
 
大聖堂の中庭風景/石像は剣を持つサン・パオロ
撮影は8月20日  
 
ガランとした大聖堂中央〔撮影8月20日〕
 
ここに2000人のお客様をお迎えしての
ヴェルディの”REQUIEM”演奏会が催行
されたのです。10月26日〔日〕21:00
 
 
 
聖堂に 日伊合作 レクイエム
 
ヴェル・レク 西本指揮の 見事さよ
 
 
                   元鷹 
 
 
 
 

2014年10月28日火曜日

第290話  第13回 ヴァチカン国際音楽祭に参加して 前編

いよいよ秋も深まって24節季でいうところの”霜降”の季節もまじかとなりました。暖炉近くで家族との語らいや囲炉裏端でのパチパチと炭のはねる音などのイメージが彷彿される今日この頃です。

本日は、先日24日〔金〕サン・ピエトロ大聖堂と翌々日26日〔日〕サン・パオロFLM大聖堂にて開催された”ヴァチカン国際音楽祭”の一部の模様をお伝えさせて頂きます。

先ず、今年第13回を迎えた”ヴァチカン国際音楽祭”ですが、ブログを
お読み下さっておられる多くの皆さまには、未だ耳慣れない国際音楽祭ではないでしょうか。

かく言う私も昨年まで、ローマに居ながらも承知しておりませんでしたから
当然ではございます。早速に掻い摘んでお話しを申し上げます。

ヴァチカン市国が主催する音楽祭《正式名称は、XIII FESTIVAL INTERNAZIONALE DI MUSICA E ARTE SACRA》で、世界から屈指の
オーケストラ、合唱団等が招聘されるものです。

アジアからは、昨年に初めて西本智実指揮イルミナートフィルハーモニー
オーケストラ&イルミナート合唱団が招聘され、大好評を博し本年も2連連続で同音楽祭に招かれた経緯があります。

先立っての演奏会は、ミサ曲が24日〔金〕午後5時よりサン・ピエトロ大聖堂大祭壇前に於きまして1時間30分ほど掛かって演奏されました。

曲目は、オラショほか、隠れキリシタンが歌い引き継いできたミサ曲や
AVE VERM CORPUS、ヘンデルのハレルヤ等5曲をオーケストラ付、或は無伴奏で演奏されました。

ミサ曲が演奏される中、大司教様によるミサが、厳かに執り行われたのですが、我々合唱団はおよそ90分ほど立ちぱなっしで、足が棒になった感じでした。

対面するシスティーナ礼拝堂合唱団の皆さんは、腰掛けたままの状態で歌われたり、立ったりして歌いましたが、その美声は大礼拝堂に響き渡り本場宗教曲の素晴らしさを遺憾なく発揮していました。

この讃美歌は中世のヴァチカン市国の大音楽家パレストリーナの作曲かもしれない、などと勝手に想像を逞しくして聴いていた次第です。

⇒後編へ続く



サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ遠景。
               ボルゴ・ヴィットリオ通りにて撮影。

              

              第13回ヴァチカン国際音楽祭
              リーフレット表紙


                
リーフレット中身
 
10月22日より順次開催された演奏会のプログラム
※左ページ赤枠囲みが、参加したプログラム
 
 
今日だけは ハレルヤ歌う 空高し
 
ミサ見つめ ミサ曲歌う なぜ此処に 
 
 
                   元鷹
 
 

2014年10月27日月曜日

第289話 カロリーナ・コストナー選手 ローマへ

CAROLINA KOSTNER《カロリーナ・コストナー》選手が、25日ローマに来るというニュースを23日(木)朝に、道を訪ねた体育大学の学生ダニエッラさんから聞くことが出来た。

ご存知のようにカロリーナ・コストナー選手は、今年行われたソチ冬季オリンピック・フィギュアスケート女子の銅メダリストです。

オリンピックや世界選手権などでもTV映像を通じて、日本の選手らと上位を競ったイタリアのチャンピオン選手です。スケート練習場に通う子供たちにとっては、憧れの的であり、きっと目指す英雄的存在の大選手でしょう。

25日(土)午前10時と午後2時にマンチーニ広場にある”AXELスケート
センター”にて、カロリーナ選手を迎えてのイヴェントが行われることを同センターの受付に置いてあったチラシで詳しく分りました。

是非、私もカロリーナ選手の素顔をみたいものだ、またエキスビションを見物させて貰いたいと早めに家を出てみました。午前10時のイヴェントは、
どんな様子かを私には解説できないのですが、どうやら基本のスケーティングを教えて居るように見えました。

指導中は終始笑顔を見せて一所懸命参加して練習している生徒さん達をひとり一人(10名の生徒でした)優しく、そして包み込むように教えているカロリーナ選手の姿を見て感動してしまいました。

会場となったAXELアイススケートセンターの関係者に伺えたのですが、
これまでも自身の練習会場として、〔ローマに来られた時には〕何度かリンクに来場されているとか、但し今回のような生徒さんらを指導される機会は初めてです、とのことでした。

さて、午後2時からはカロリーナ選手の模範演技が始まりました。
実は、国内でもフィギィアスケートをリンクへ行って見た経験は有りませんでしたから、見るもの全てが新鮮でした。

演技時間は、10分もあったでしょうか。写真を撮っているにいつの間にか
終わっていました。結構早いスピードでリンクを何周もするものですから、
シャッター・チャンスも掴めずに、納得のゆく出来栄え、否、写り映えの良い写真を撮ることは出来ませんでした。

それでも応援に駆け付けたカロリーナ選手の地元ファンの大歓声を聞けて、楽しませて頂きました。驚いたのは、演技中に尻もちをついた時でさえ、大きな拍手で声援を送ったことでした。

このような声援はイタリアらしく、呆気らかんとして愉快な思いを抱きました。兎に角、カロリーナ選手の全ての動きが、会場に集まったファンには
たまらなく嬉しいに違い有りません。

そんな会場の空気を居る間中ずっと感じとりました。いつの間にか、多くのファンの中に居る自分が、周囲のイタリア人と一緒に同じ世界に入り込んで居ることに気づいて、何か可笑しかった。

親切に道案内をして下さって、なおかつ貴重な知らせ《カロリーナ選手の
エキシビジョン情報》を下さった体育学校のダニエッラさんに心から感謝したい気持ちでいっぱいです。有難う!グラツェ!!ダニエッラさん!!!

 





スケートりンク天井中央に吊るされた
            カロリーナ選手の顔写真が目立ちます。

            

            ピントも距離もイケマセンデシタ!(中央)
            残念でした!!笑顔をみられないのが。

            

            生徒さん達によるデモンストレーションも
            ご紹介されました。会場は、応援の熱気に
            包まれていました。


            ありがとう! ダニエッラさん ご親切

            カロリーナ 夢はぐくむ スケーティング

                                 元鷹  

2014年10月24日金曜日

第288話 ユリウス城

前話の古代遺跡「オスティカ・アンティカ」のストーリーは、如何でございましたでしょうか?ブログをお読みになっている間、地中海からの爽やかな風を、読者の皆さまのお部屋まで届けできたら、と空想しております。

さて、第288話は「オスティア・アンティカ」の続編といっても良い内容です。お気軽にお読み飛ばして頂ければ何よりです。

さて本論ですが、「ユリウス城」というお城をご存知でいらっしゃる方は少ないでしょうね。オスティア・アンティカ遺跡の正に入口周辺《国道を挟んで》にドーンとどっしり構えている建造物です。〔写真ご覧願います〕

手元には、調べる伝手も少なくて多くを語れません。
唯一、いつもお世話になるガイド本「旅する21世紀ブック望遠郷9ROMAローマ《イタリア》」同朋舎出版から、その歴史をご紹介致します。

城塞の天守は教皇マルティヌス5世(1417-31)が建て、他の部分は
後に教皇ユリウス2世(1503-13)となる枢機卿ジュリアーノ・デッラ・ロヴェレが、1483年から86年に建てた、とあります。〔同書p416〕

残念ながら、入場できる日が限定されておりまして、当日はNO!の日でした。かと言って、またの日に来ようという訳にも行かず、お城の外側だけで我慢することにしました。

ユリウス城は、お城を完成させた第216代教皇GIULIOⅡの名前をとったネーミングだった訳です。この法王は、ローマ・ルネッサンスを興隆したことで知られています。

SAVONA《北イタリア・リグリーア州》生まれ。ラッファエロ、ミケランジェロらを招いて、藝術・学問を奨励しローマ・ヴァチカン市国を再生させました。サン・ピエトロ大聖堂の再建立にも活躍した法王様でした。

また皆さんが良くご存じのシスティーナ礼拝堂に「最後の審判」(ミケランジェロ作)を注文した法王としても有名です。彼のお墓は、サン・ピエトロ・イン・ヴィコリ教会にありますが、ミケランジェロ作「モーゼ像」で有名です。

それでは、なぜこの法王様〔正確には、枢機卿時代〕はローマ郊外のオスティアにお城を造ったのでしょうか?当時の大権力者であるはずの枢機卿にとって、単に避暑地を求めたものでは無かったようです。

調べてみて分ったのですが、2代前の法王アレサンドロ6世(1492-1503)とのコンクラーベ《法王選出選挙のこと》争いに大いに関係が在ったようですが・・・。

ユリウス2世は、自分のお城の前に古代の遺跡「オスティア・アンチカ」が
地下深くに眠っていたことなどは知らなかったのでしょうね。何せ、遺跡が調査発掘されたのは、近世19世紀になってからということですから。

現在では、オスティア地区のシンボルとして地元に人々や世界からの
観光客に親しまれているお城のようです。



遺跡《を背にした》の入口付近から
             ユリウス城を撮影しました。
             デザインが見事だと感心しました!

            

            ユリウス城の近くまで参りました。
            此処に来た時には、城の歴史も分らなかった
            のですが、今回ブログを書いてビックリしたことが
            沢山ありました。歴史の面白さ、不思議さです。

          
            不思議だな ユリウス城 遺跡前
                                元鷹
            
             

            
            

2014年10月18日土曜日

第287話 古代ローマ遺跡 オスティア・アンティカ

今日は、皆さまをローマ郊外にある古代ローマの遺跡”オスティア・アンティカ”(Ostia Antica)の旅へ誘(いざな)いたいと思います。

紀元前に建設された街オスティア・アンティカには、あの有名な南イタリアのポンペイの遺跡とはひと味の違った趣を感じることが出来ます。

”OSTIA ANTICA”を初めて耳にされる方も多いのではないでしょうか?
昨今、日本からローマに観光にいらっしゃる方々で、”オスティカ・アンティカ”(古代ローマの遺跡)を訪問され方は、殆ど皆無に近いと思われます。

ローマ・テルミニ駅から、メトロと国鉄線を乗り継いで行けば、ほぼ1時間
程度で、遺跡のあるまち”OSTIA ANTICA”駅に到着できます。

松並木をゆっくり歩きながら、遺跡までは5分位で到着出来ます。
入場料11ユーロを支払って入場します。広大な敷地の遺跡群もさることながら此処かしこに”ローマの松”が点在していることに驚かされます。

オスティアは、ローマ第4代の王・アンクス・マルティウス(前640-616)
によって、建設されたという伝承があります。

さて昨夜遅くの豪雨の為か、今日は空気が澄みわたり、遺跡群には何処からともなく海風が心地よく吹きこまれてくるのが、何とも嬉しかった。

そういえば、海辺に近いレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港(通称、フィミチーノ空港)は、それほど遠くないところに位置しているはずだから、地中海からの海風が、この一帯を駆け巡るのも、なるほどかなであります。

ところで、記録によれば私は1996年5月26日に此処を訪れています。
もう18年以上も前のことなので、残念ながらすっかり記憶が蘇りません。

ただ二つだけですが、①モザイク模様、②大理石の公衆水洗トイレだけを不思議と思いだしながら、市街の大通りであるデクマヌス・マクシムスをゆっくりと歩きました。

遺跡の大通りデクマヌス・マクシムス

            
象牙貿易を行っていたリビアの町サプラタ
            の事務所のモザイク。ローマ・コロッセオに
            登場する象も扱っていたらしい。

            
半円形劇場・音楽堂
             4000人もの観衆を呼び込めたと
             紹介されています。

          
FORICA(公衆トイレ) ※この字型の右側部分
            腰掛けて用を足すらしい?長閑な風景が展開
            されたことでしょう。男女の仕切りは、中央にあった
            ようです。紀元前の水洗式トイレに驚きました!


             心地よく オスティア歩く 風の中
                              元鷹

2014年10月17日金曜日

第286話 亀の噴水 後編 

さて後編に入ります。読者の皆さんには、次回ローマへお越しの際には、ぜひともご観賞戴きたい「亀の噴水」であります。申すべくもなく、ローマの街では、教会で、広場で、通り沿いで、噴水を見かけることが可能です。

しかし、マティイ広場の「亀の噴水」は態々出掛けてみないと楽しむことが
できませんから、観光途中にバス窓から観ることは出来ません。その意味では、ローマ観光スポットとしては知られざる「名噴水」であると言えます。

後編では、「亀の噴水」をベーシックにお伝えさせて戴きたいと思います。

☆場所
PIAZZA MATTEI 行き方は幾つもルートが在るかと思いますが、
             お薦めは、バス40、64(どちらもスリにご用心)にて
             ラルゴ・トッレ・アルジェンティーナで下車します。
             
             コルソ・V・エマニュエルⅡ通りを渡り、S・ニコラ・デ・
             チェザリニ通りを選び、そのまま真っ直ぐに歩きバス
             ボッテゲ・オスクレ通りもこえて歩きます。

☆亀の噴水について
             依頼主:マティイ家         
             設計者:ジャコム・デッラ・ポルタ(1532-1602)
             
             完成  1584年
             ブロンンズ製作 タッデーオ・ランディーニ
                                   亀について    1658年の修復時にアンドレーア・
                         サッキによって製作された。 

☆噴水の特長
             青年像4体と亀4体は、ブロンズ仕上げ。
             噴水は、大理石を使用している。
             デザインには、”寓意”が込められているとも。
             ※この”寓意”を理解することに面白さがあります。
             参考本(「ローマの泉の物語り」竹山博英著;集英社新書)に  
             詳しいので、是非ご一読をお勧めします。 

以上、縷々申し上げましたが、今回興味を惹かれましたのは「亀の噴水」をデザインした建築家ジャコモ・デッラ・ポルタであります。

先の本に詳しいのですが、サン・ピエトロ大聖堂のあの聳える大クーポラをミケランジェロのあとを継いで完成させた人でもあるのだそうです。

彼の成した事業、建築物など益々興味が尽きません。
噴水を掘れば掘るほどに湧き出る水の如く、特にバロック時代のローマに
偉大な建造物を残した人物への憧憬は、止むことが有りません。

躍動感溢れんばかりの青年像
               亀の噴水ならではの優雅さは格別です。


      
ブロンズの青年と亀 VS 大理石の泉
               の素材の美しさも魅力の一つです。


                秋散歩 また行ってみたい 亀の道
                                   元鷹

                 

2014年10月15日水曜日

第285話 亀の噴水 前編

ローマの天気は如何したことでしょうか?10月も半ばを迎えたのに陽気はまるで春のような温かさでした。街には、観光客の人だと思いますが、半そでシャツで短パン姿という恰好の人が多く見受けられました。

今日は、久し振りにゲットー(ユダヤ人街)の一角にあるマティイ広場の「亀の噴水」を見てきました。

さて、驚いたことにデジカメを噴水に向けて居たところをイタリア人の太い声が、私の名前を呼ぶのでした。エッ、こんな処で一体誰だろうか?

何と、その声の持ち主はロベルトさんでした。かつて、会社の近くにあるバールの経営者兼バリスタでした。不思議なことに、彼とは思わぬところで再会することが度々あったのですが、まさか亀の噴水で会おうは・・・。

はっきり記録で分っていますことは、ここを訪れた回数は今回が4回目です。ローマの散策の興味が尽きない理由の一つには、観ればみるほど、調べれば調べるほど新しい発見にぶつかることが出来ることにあります。

今回再々訪問の訳は、ある同僚とのヒョッとした会話がきっかけでした。
作品のモチーフの亀(4体)の作者は、「誰だった?」と云った会話の中で
”ベルニーニ”との答えに対して、どうも違うような一種の感が働いたのでした。

私はその夜本棚から、「ローマの泉の物語」(竹山博英著:集英社新書:0255D)を手繰り寄せて、再読してみました。結果は、明快でした。
ベルニーニは、俗説として亀の作者に名を挙げられているようですが。

竹山さんの著作に依れば、1658年頃アンドレーア・サッキによってブロンズの亀4体が付け加えられた、と説明されています。〔同書:p74〕

亀は、最初からデザインされて居たわけでは無かったようですが、見るからに作品全体の重要なポイントの位置を占めているように思われます。

また亀の存在は優美な噴水のデザインに、ユーモア感を醸し出し、噴水に優雅さと言いますか、奥行きを持たせてくれているように思わせます。


青年の左手がカメを押し上げているように
            見えます。どのように取り付けたのでしょうか?

            

            10/14 16:45頃撮影
            噴水の全体像をご覧戴けます。大理石と
            ブロンズとのハーモニーも魅力です。

 
            

            秋の午後 亀の噴水 優雅さよ  
                               元鷹 

2014年10月12日日曜日

第284話 SUPERCAR SHOW 写真集

昨日掲載の第283話「SUPERCAR SHOW 2014」には、タイトルがスパーカーであったにも関わらず、車の写真は2葉のみでした。また、急いで居たこともあってか、末筆に駄句を添えることを失念していたことに気づきました。大変失礼しました!

その様なわけですから、第284話は「SUPERCAR SHOW 写真集」として、会場にて撮影しましたとりたてのスーパーカー写真集をお楽しみ願いたいと思います。乞うご期待!全6葉。




            スーパー・カー 遥か遠くに 人を呼ぶ

            若者は スーパー・レディと 写真撮り

            展示場 車尽くし 秋の宴
                               元鷹        

2014年10月11日土曜日

第283話  SUPERCAR SHOW 2014

1週間ほど前に地下鉄通路の広告掲示板で「SUPERCAR SHOW」開催のことを知って、興味をそそられたものですから出掛けて参りました。
〔10月10日〕  なお、開催は、10月10日~12日の3日間です。

場所は、”Fiera di Roma”(ローマ展示会場)で、フィミチーノ国際空港に近い処です。テルミニからメトロB線にてピラミデまで行き、ここで国鉄のローマ・オスティエンツェ駅にて、フィミチーノ行きへ乗り換えます。

ところが、さすがに?「ローマ」です。乗り換えで大分時間をロスしてしまいました。ご推察のように、自動発券機が不具合ばかりで1枚のチケットを購入するのに大いに戸惑った次第です。

結局、親切な30歳位のイタリア人男性が近くのキオスクで買ったら良いよ
とアドヴァイスをしてくれた為、ナルホドそうだったか!と気を取り戻して、
やっと購入できました。ヤレ、やれでした。

電車には20分ほどは乗車した思いましたが、やっと目的地の「Fiera di Roma」駅に到着。驚いたことには、駅をでて遠くに会場であろうと思われる建造物が見えるだけの何もない運動場に居るような錯覚をしました。

やっと、会場入口に辿りつきました。入場料金は、16ユ-ロ(2300円程度)とやや割高でした。後先にありますが、この展示会は第1回目の開催とのことで、どのような展示展開なのかは事前の情報収集も何も出来ずにやって来て訳です。

ところで、”スーパーカー”と云う言葉は、何時頃から出回った?ものなのでしょうか?私自身の記憶では、昭和50年代(1975年以降)初めに日本でも、マスコミ、専門雑誌などに紹介されて一大ブーム?になったような
薄っすらした想いです。ですから、あれこれ40年程前の昔話しです。

広い会場の説明は略させて頂き、その分撮影した写真をご覧戴きたい、と思います。開催側のお話しですと、ご来場者のスーパーカーファンには、ご満足頂ける内容が揃ったと、自信たっぷりに話しておりました。

真っ直ぐ会場へ続く石畳のような道を
            歩きました。
何やら宇宙ステーションに来たような
            会場までのアプローチです。
ビックリするようなスーパーカーが眼を
            惹きます。

            

            MASERATI と印されたシールが見えます。
            展示車の側には、必ずスーパーLADYがいるのです。
会場では、主催者らが開催の意義や抱負
            などを語って、来場者に謝意を述べていた。
  

2014年10月9日木曜日

第282話 秋の味覚

良い季節となりました。ローマは、秋らしい天候が続いています。日中はぽかぽか陽気です。さて、一昨日は休みを利用して、近くの御用達スーパーマーケットの”CONADO”(コナド)へ参りました。

店内に入りますと秋の味覚が、グァーンと眼に入ります。
オシャレなディスプレイでは無いのですが、何せボリューム圧巻と云う
並べ方でした。右側にフルーツ・コーナー、そして左側はお野菜です。

早速、栗〔CASTAGNE〕3.25ユ-ロ、かき〔KAKI〕0.67ユーロ(2ケ)を
計測器(はかり)に掛けて、備え付けの籠に仕舞いました。

他には、ペットボトル水(SAN BENEDETTO/2L大)、長ネギ(PORRI/2本)などを買い求めた次第です。週に1回は、料理用或は飲料水としてペットボトルを購入することは、当然の習性となりました。

アパートに引かれて居る水道水は、飲めるようですが、カルシウム含蓄量が多く、余り適さないからであります。まあ、そう言ってもパスタ鍋に入れてスパゲッティを茹でるには、勿論水道水を使っているのですが。

お話しが逸れてしまいましたね。そうそう、今や秋たけなわです。
栗と柿の味比べをご紹介するはずでした!正直申しまして、栗も柿も全くと言ってよいほどに日本で食べていた味と風味は変りませんでした。

こんな書き方では、何ともはや自分でも可笑しくも面白くも無いのですが、
針小棒大にして表現することも咎(とが)になりますので、ご勘弁を願う次第でございます。
 

食べ物、食品一般について書きものをすることは、意外と難しいものだと、
毎回思われてなりません。反省。やっぱり、四季折折の旬の味は、自分の舌に乗せて楽しむことが肝要なことでありましょうか?

自慢の大皿に柿と栗を盛りました。
            秋の味覚には欠かせない味です。
            味は日本のモノと殆ど同じでした!
            柿は、イタリアでは「KAKI」と言っています。


            天高く 理想も高く 秋の空    
                             元鷹

2014年10月3日金曜日

第281話 財布を守る

神無月10月に入りました。皆さまお元気のことと存じます。
9月には、爽やかだった朝夕の風もいつの間にか、ヒンヤリと感じます。

秋分が過ぎて夕暮れの訪れが、駈け足で忍び寄るかのように早く感じてしまうのは私だけでしょうか?

そろそろ二十四節季で言いますと”寒露の候”であります。
晩秋から初冬にかけての露を指すそうですが、”甘露”煮を想いだしてしまうのは、”食い意地”が抜けきれないせいでしょうか。 

さて、10月最初のブログの題目は、「財布を守る」としました。

イタリア、ヨーロッパ、否日本以外と置き換えても良いかも知れませんが、海外旅行をする上では避けて通ることが出来ない「スリ」や「置き引き」被害から、如何に身〔財産〕を守るか?を考えてみたいと思うのです。

 ◎防止策その1
命の次に大切とまで言われる「パスポート」は、身から離さない。
旅行グッズのひとつに首から下げるパスポート入れがあります。
又は、腹巻式の貴重品入れも有効であります。

 ◎防止策その2
多くの現金は持参しないことです。クレジット・カード〔VISA×1、他×1〕が
便利です。※ピン・コード〔4桁〕は必須ですから、忘れないようにします。
万が一の場合の発行カード会社の連絡先を控えて置きます。

 ◎防止策その3
携帯電話〔要:海外使用可能かの確認〕、電子機器〔スマホ、i-padなど〕の持参活用。
海外では一般に公衆電話は、使い方が不便で困ります。

 ◎防止策その4
乗り物に注意!特にローマでは、メトロ〔地下鉄〕は要要注意!
※バスにも御用心。特にテルミニ駅とヴァチカン市国を結ぶ
  バス〔NO・40、NO・64〕は、要注意が必要です。

 ◎防止策その5
観光地は、”スリの巣状態”になっている、と言っても良いぐらいです。
ハンドバックは、エレガントなものよりも安全度の高いタイプのものを。

また男性用長財布のしまい方には、研究工夫が必要です。
旅先には持たない覚悟も必要です。

以上、防止策の思うところを書いてみました。ご参考になれば幸いです。
危険な目にさらされるのは、日本人観光客のみにあらず、イタリア人他多くの観光客も同様です。

楽しい海外旅行の第一歩は、”安全確認”から準備したいものです。
因みに3年間滞在の私の被害は?ナポリで1回。ローマで1回です。
どちらも乗り物で移動中でした。

今日は「安全確認!」の張り紙を書いて御守にすることにします。


            スリ除けに 確認すれば 効果あり 
                                 元鷹