2013年5月31日金曜日

五百人広場 その新風景

今日のローマは、五月晴れの日差しの強い一日となりました。
前回にもお知らせのように今年の五月の陽気は、おしなべて
肌寒い日が多かったように思いました。

そんな中、多くの人が行き交う広場やテルミニ駅の近くには、
夏の風物詩と呼びたくなるようなバンカレーレ(屋台)のフルーツ屋
が、すでに中旬頃からあちこちに並びだした。

さて、これまでも幾度となく「ローマ・テルミニ駅」周辺をご紹介して
きましたから、今やお馴染の話題ですが、駅前の五百人広場
(ローマ市内最大のバス・ストップ)の風景が、3月あたりから大きく
変わりました。

正面入口前にタクシー乗り場が、繋がることは変わりませんが、
長い間、工事中であった広場の括(くく)り《大きな塀のようなもの》
が、外されたのです。

ですから、テルミニ駅前の目抜き通りであるV.le De Nicola側から、
眺めは数段すっきりと良くなった気がします。〔写真参照〕

毎日おびただしい数のバスやタクシーの出入りのあるローマ最大の
五百人広場〔広場と言うより操車場である〕は、おそらくイタリア一番の
外国人の多い広場でもある。

五百人広場新風景 テルミニ駅正面前には
                   3月頃まで工事用の塀で被さっていた。

            

              
            駅前には、名所遺跡を巡る2階建て
                観光バスが乗車客を待っている。
                因みに2階建てバスは他に3~4社あり。


                 タクボクの 訛り懐かし 上野駅
            
                 チンクエチェント ローマテルミニ  元鷹
                      
            
             

2013年5月29日水曜日

TIZIANO 絵画展を楽しむ

TIZIANO(ティツィアーノ)絵画展が現在、クイリナーレ大統領官邸前にある美術館/Scuderie del Quirinale/で開催されています。≪3/5~6/16≫

ついつい今週の交代休日に観賞に行こう、行かなくてはと思い巡らしているうちに5月も末になってしまった。このままでは、折角の巨匠ティツィアーノの名作品を見逃してしまうかも知れないぞ、というおののきに促されて、休み日の今日(5/28)出掛けることにしました。

美術館に近づくと大統領官邸広場から吹奏楽によるイタリア共和国歌が聞こえてきたのです。珍しいこともあるものかなと、足早に駆け付けました。私は訳も分らず、3列縦隊でセレモニーを進行させている様子を眺めることにしました。

さて、本論です。
ペットボトルやカメラを納めた黒のザイノ(リュックサック)をグアルダロバ
(クローク)に預けて、さあ会場へ。係の若いイタリア人男性に一言、中にカメラが入っているので気を付けて、と言うと”ニッコ”と解ったというような表情を静かに浮かべて、手際良く井げたの形をしている棚へ押し込んだ。

今日で確か、3回目になる美術館なので会場のつくりと云うか構成は頭に入っているために、一人の気軽さも手伝ってか、順路に従って作品を次から次へと眺めて進んだ。

人気作品には、やはり人だかりがしていました。イタリア語、フランス語、そしてドイツ語が、ヒソヒソ話しの音のように耳に聞こえてきました。
旅行客なのだろうか、或はローマに在住の外国人なのだろうか?東洋人らしいギャラリーは、私以外は1組だった。

宗教画には、一瞥だけで通り過ぎてしまうわけですから、私には余り時間が掛かる観賞会ではありません。ギリシヤ神話、聖書のストリー、ヨーロッパの歴史などを知らないこともあってか、絵画の前にくぎ付けになることは、殆どありませんでした。

おおよそ展示会場の最後の方でしたが、よく知られたと言いますか、美術史の本や、雑誌の表紙を飾るような有名な絵画を何点か楽しみました。

特に、「Danae e la pioggia di monete d'oro」(「ダナエと金貨の雨」)とタイトルのついた作品は、大いに関心をひきつけました。一体TIZIANOの絵画のイメージを超えたモチーフのようで面白いと感じた次第です。

30分位でしたが、最後に飾られた絵画「皮をはがされるマルシュアス」を見て、出口へ通じる螺旋階段を下るとクロークに向かった。

引換(NO.17)を先ほどの男性係員へ渡して、ザイノを受け取る際に彼曰く。”随分早かったですね?”今度は、私の方がニッコと笑顔を返しました。

クイリナーレ大統領官邸広場ではセレモニーが
              
                繰り広げられておりました。国歌演奏が吹奏楽で。


               
 
小ぶりな美術館入口には、左右にポスターが
置かれています。入口は、丁度官邸広場の前に
 
               位置しています。


               Tiziano  ダナエと天使 目のうごき       元鷹
               Quirinale  国歌吹奏 丘に鳴る          元鷹


               

2013年5月22日水曜日

テルメ・ディ・ディオクレツィアーノ浴場跡に咲く草花

5月も早残すところ4日となりました。ローマでは、3月の気まぐれな天気の状態を「MARZO PAZZO /マルツオ・パッツォ」といいますが、どうしたものか、5月はさらに輪を掛けたかのような天候不順の日が続きました。

先週は特に寒い日が続き、24日〔金〕の強風、25日〔土〕にはコートが
要るほどの寒さでした。新たに「MAGGIO PAZZO」〔5月の気まぐれ天気〕とでも表現したものか、と首をひねった次第です。※実際には、このようには言われておりません。念の為。

そんな小雨、強風に負けず可憐にひっそりと花を咲かせているスポットを発見して、ちょっとうれしくなりました。

Terme di Diocleziano《テルメ・ディ・ディオクレツィアーノ》/テルメ・ディ・ディオクレツィアーノ浴場跡を寸断(と言いきって良いものか否か)して走る通り、即ちVIA CERNAIA は、ほぼ共和国広場に面した教会サンタ・マリア・デッリ・アンジェリの左肩から、北東に行き交う道路です。

元々テルメ跡であったところを走るこのVIA CERNAIAは、何時頃作られたものか不明ですが、おもいきったものだ、と感心してしまう。

ここをほぼ毎日のように歩くのですが、その日に限って可憐な花が眼に映って、浴場跡の片隅に咲く草花が、妙にその場にマッチして不思議な気がしてしまいました。

因みにこのテルメ・ディ・ディオクレツィアーノは、古代公衆浴場最大のもので、3000人が入場できたといいます。片や夏に屋外オペラが毎年開催されるので有名なカラカラ浴場は、1600人を収容できた、といわれて
います。

古代ローマ人は、コロッセオに遊び、公衆浴場で汗を流しては、互いのコミュニケーションを楽しんだのでしょうか?

古代ローマ最大の規模を誇ったディオクレツィアーノ
浴場跡にミケランジェロが設計したと云われるサンタ・
マリア・デッリ・アンジェリ教会の左側面です。
VIA CERNAIAにて撮影。≪5/21≫
 
赤・黄のケシの花?
                強い風にもケシに、否もとい、柳にカゼ
                とばかりにしなやかにそよいでいました。 

           
VIA CERNAIA 通りの右側の建物に
埋め込まれている道路標
 
 
赤き色 古代の風呂の 偲び草     元鷹
 

 
 
 

ブルガリのアウトレットを郊外に訪ねて

気まぐれではあったものの、以前から気になっていたブルガリのアウトレットを訪ねてきました。

先だって、昨日電話を入れて営業していることを確認しておきましたから
安心して出掛けることが出来ました。行き先は、VIA AURELIA、1052
です。住所から、一目で結構な距離があることは直感で分りました。

案内に依れば、メトロA線コルネリア駅から、バス246番に乗りかえることとありましたが、滅多に行くことのない場所柄ですからバス停を見つけるのにも一苦労?です。

バス246番は、「CASTEL DI GUIDO」行きですが、どの辺にある街なのかも一切分らないまま「エィ!ヤ-」とばかり乗車してしまいました。

紆余曲折があったものの、何とか上記住所に辿りつきホット胸を撫で下ろしました。※〔注〕訪問ご希望の読者の皆さまには、車(タクシーなど)のご    利用を是非お薦め致します。

お店に入り、挨拶〔BUONGIORNO!〕を交して店内を自由に見させて頂くことに。さてお客様は、と言えば、私以外は誰もおりませんでした。

従って、そして気楽に各コーナーの展示品を思う存分眺めることに集中することができました。

ハンドバック、腕時計・貴金属、スカーフ・ネクタイ、そして財布などの革小物製品などが奇麗に並べてありました。ブルガリの女性販売員の言をそのまま申し上げれば、全ての商品は店頭価格から、4割引きになるという
説明でありました。

アウトレット展示品の宿命ではありますが、見るからに鮮度は余り良くなさそうでした。少なくても1年以上前には、世界の主な繁華街のブティックで堂々と通常価格にて販売されていたであろうと思わせる品ばかり。

例えて言えば、晴れ舞台での大役を果たした品々が、控室で次の出番を待っている、という感じでした。

改めてブランド品と言えども真新しさ〔新鮮さ〕が大切なこと、ではないかと感得した次第です。

お客様対応については、全くコメントに困るほど棒にも箸にも引っかかからない状態でした。わざわざ遠い処までお越し頂いた、と言った内容の気遣いのことばは、とうとう聞くことが出来ませんでした。

私は、1F・グラウンドフロアーだけの店内を2度共時計回りと反対に、ゆっくりと歩きまわって、”ジャスト・ルッキング”を楽しんだだけで、礼を述べてローマ市内へ戻ることにしました。

バス停の傍らには伸び放題ながら、奇麗な色をした野に咲く花だけが、ローマ市内から離れたAURELIAの自然の良さを訴えかけてくれていました。


            山の麓に静かに建つブルガリのアウトレット・ショップ。
                正面左側の一角が、ブティックです。隣を含めて
                ブランド品を販売している店舗はありませんでした。

                
 
紫と黄色と白の、野に咲く花が、風に揺れながら
やっとのことで辿りついたことを癒してくれるかの
ように咲き誇っていました。
 
 
アウレリア 野花の可憐 誰か見ゆ   元鷹
  
 

2013年5月15日水曜日

ベランダで夕食を

卑近なお話しでまことに恐縮です。今日のブログでは、我が家〔単身独り身〕の夕飯の一くだりをお伝えします。

3月末日にサマータイムとなって1か月半が経つ訳ですが、午後7時過ぎても陽はまだまだ高い季節になりました。

会社が休みの今日は、ベランダで晩酌と夕食を楽しむことにしました。
晩酌のおつまみには、午前中にスーパーにて買求めたFAVE〔そら豆〕の
大粒を茹で上げました。

イタリアの缶ビール〔NASTRO AZZURRO〕を片手に、また地元の白ワイン{EST!EST!!EST!!!}をそばに用意しての一人だけの酒盛り。

さて、今宵は久し振りの好物「カレーライス」の登場。
ジャガイモ、ニンジン、玉葱だけの素っ気ない具のみでしたが、
日本の味にひとり感激しました。

5月の爽やかな風をベランダで浴びながら、大スプーンを忙しく口に運びました。Ummm...旨い !と自画自賛して、あっと言う間に大皿のカレーを食べてしまいました。

夕陽は、ローマの西方にいつの間にか静かに沈みかけていました。
測定時間:二〇時一一分。


             ベランダから夕陽の沈む西方を撮影。
               午後八時には、近くのサンタ・マリア・
               アンジェリ教会の鐘楼の音が、深々と
               聞こえてきました。


            とわの鐘 身近に聞こゆ 夏宴   元鷹

    

2013年5月9日木曜日

ゲットーを歩く 〔後編〕

「ここにどうぞ!」と奥の4人掛けのテーブルに案内してくれたシニョーラ・ルチア。私は、「SCUSA!(スクーザ)」とだけ行って、その指定された奥の席に腰を下ろした。

合席は、一瞬、日本人親子ではと思わせるほど日本人に似た中国人でした。ルチアが、持ってきてくれたMENUに目を通すまでもなく、ここでの注文の品は、すでに決めていたので、次に回ってきたときにオーダーをした。

注文品は、ハウスワイン・ロッソ0.5L、炭酸入り天然水、〔名物の〕ユダヤ風カルチョフッオ〔フリット〕、そして”フェットチーネ・アッラ・マトリチャーナ”。

ユダヤ風カルチョフッオは、ひまわりの大輪を裏にして揚げたようなカタチです。パリパリと舌感触もよく、ワインのつまみにはもってこいでした。

パスタのフェットチーネ・アッラ・マトリチャーナは、味もボリュームも満点で、本物の味がしました。次回には、ブカティーニ〔スパゲティで太い作り〕
のマトリチャーナにチャレンジしたい。

満腹になってほろ酔い状態を減速しようかと、お店を出て折角ゲットーに来たのだからと、周辺をゆっくり散歩することにしました。

屋根の形がユニークで四角い建物、「MUSEO EBRAICO DI ROMA」
にも入場して歴史と伝統をもつ”ROMAN JEWISH COMMUNITY”〔ローマに生きるユダヤ人の絆と社会〕の一面を学ぶことができた。

ふと時計に目を遣るともう4時30分を過ぎてしまっていた。
太陽はまだ眩しかったが、よぎる想いを振り切って、一先ずゲットーを去ることにした。


            ユダヤ風カルチョフッオ。まるで一輪のひまわりのようです。
                パリパリと風味を楽しみながら召し上がれ!カットが大変。


                


               
            手作りメニューをご紹介します!その後ろに赤ワインの
                ボトルが見えますか?


               

                堂々と聳える「ローマユダヤ博物館」。不思議と
                ローマの高台に昇るとトップの金色の屋根が、
                目に入ってきます。
                  

                垣間見た ゲットーの歴史 ここにたち     元鷹

                
                

                     
                
                
    

2013年5月8日水曜日

ゲットーを歩く 〔中編〕

目指すはゲットーの中に在るお薦めレストラン〔後ほど記述〕だ。
テルミニ・五百人広場のバス乗り場へ向かい「EXPRESS 40」のバスに乗ることにした。

このバスは、サンタンジェロ城とサン・ピエトロ大聖堂のほぼ中間の位置のところで終点となる。途中の”LARGO ARGENTINA”で下車して、地図を頼りに目的地へ。

土地勘が働いたのだろうか、地図の読み方が正しかったのだろうか、私には珍しく順当にゲットーに辿りつくことができた。

さて、レストラン・”Sora Margherita”は、Piazza delle Cinque Scole,30 であった。結構、レストランやバールが建ち並び、地元の人や観光客と思われるような人達で、賑わっていた。

しかし、ゲットーでおそらく一番の目抜き通りと思われるこの辺りにはお目当てのレストランはなさそうだったので、同業の方に道を訊ねるのは多少の気が引けたものの所在のPIAZZA〔広場〕を聞いてみることにした。

ちょっと奥まった感じがするする場所に広場は直ぐに見つかったもののレストランらしい玄関口は見当たらない。もしかして、ここかも知れないという半間間口にオレンジ色の縄のれん〔暖簾のような下がりもの〕を吊るした入口が目に入った。なるほど近寄れば、看板らしきものが掛かっていた。

左側には客と思われる若い男女が椅子に腰をおろしていた。右側の小ぶりのベンチには、50歳代のイタリア人がしっかりと腰を据えていた。順番待ちをしているのだろうと思いつつ、ゲットー式縄のれんを潜ってみると
主人と思われる男性が、5分ばかり外で待っていてくれ、と言う。

広場には大きな噴水が、存在感をもって水を湛〔たた〕えていた。(写真)
年代物であることは間違いないと思わせる大理石をふんだんに使った水盤が印象的だった。

しばらくすると先ほどの主人が席が開いたので声を掛けてくれた。
奥へ入ってみると細長いつくりで、狭いスペースには、大きな体をした
お客様が窮屈そうに腰かけているのが目に入ってきた。


            立派な水盤を持つシンプルなデザインだった。
                チンクエ・スコーレ広場のシンボルです。
 
 
 
一体レストランと感じさせない、思えないエントランスが、
面白い。入口左にレストラン看板があります。
 
 
これは何 飲み屋じゃないか 縄暖簾   元鷹
 
 

ゲットーを歩く 〔前篇〕

ローマに滞在している間には、是非とも行ってみたいところのひとつが、
「ゲットー」≪ユダヤ人居住区≫でした。

念願が叶ってゆっくりとゲットーを見て歩くことが出来たので、印象が色濃く残っているうちに記して置きたいと思います。

場所は、旧市内中央南あたりと言えば良いのでしょうか?

ローマで観光を楽しんだ方なら想い出して戴きたいのですが、ヴェネチア広場から、カンピドーリ広場を過ぎて”真実の口”で有名なサンタ・マリア・イン・コスメディンへ向かう途中に右側にマルチェッロ劇場≪コロッセオより以前に建てられた≫があります。

このマルチェッロ劇場の裏側にあたるところに、「ゲットー」と呼ばれている
ユダヤ人居住区があります。「ゲットー」と言う響きは、何かワクワク感を誘います。

この一角に美味しいレストランが在るとの情報を入手したこともあって、カメラと地図を片手に出掛けてみることにしました。


            古代遺跡のラルゴ・アルジェンティーナ≪東サイド≫から
                アルジェンティーナ劇場≪正面≫を望む。

               

            
            ピアツァ・マッテイの亀の泉≪ジャコモ・デッラ・ポルタ作≫です。
                この周辺から”ゲットー”地区になっているようです。

                
                   

                細い道 ゲットーに続け ワクワクと      元鷹