2012年1月29日日曜日

ローマの街角で

今日は、初めてローマ日本文化会館主催の”しゃべりあーも”と言う企画に参加してきました。
イタリア人と日本人が、一緒になって日本語を話そうという企画です。企画の面白さに魅かれて
飛び込みで参加してきました。若いイタリア人の男女9名が、会場に集まりました。おおよそ20~30代のイタリア人で日本のこと、日本文化・歴史のことが大好きな人ばかりです。

文化会館のコーディネーターの方々のご挨拶と説明の後、早速4人ずつにテーブルを分かっての
”シャベリアーモ”が、始まりました。皆さん、大変上手に日本語を話す人ばかりで驚きました。

日本人として、自分たちの文化や言葉のことをこれだけ熱心に学習しているイタリアの若人が、いることに感動しました。毎月1回ほどの集まりがあるそうです。勿論、2月にも参加させて頂くようにメール・アドレスをご担当の方にお伝えして帰って参りました。

ところで、ローマ日本人文化会館は、”VIA ANTONIO GRAMSCI 、74”にあります。
ちょっと変わった名前の”通り”ですが、すぐそばの交差点にひと際目立つ「壁龕・へきがん」を見つけました。否、これは祈りの壁〔映画”ローマの休日”に祈りの壁が出てきました〕なのでしょうか?


ROMA日本文化会館へ向かう交差点にある”祈りの壁”です。


                 ANTONIO GRAMSCI 通りの表示看板です。
                 ”グラムシ”って、どんな虫なのかって訊ねないでください!

                青い目が すらすらしゃべる 日本語で    元鷹

2012年1月23日月曜日

パッパーノ Mozart Requiem

カンツォーネのご指導を頂いているE先生のお誘いを受けて、17日〔火〕にメトロA線フラミニオからトラムに乗り換えて、"音楽の殿堂AUDITORIUM PARCO DELLA MUSICA”へ行きました。

人気の指揮者アントニオ・パッパーノ指揮によるモーツアルトのREQUIEMの演奏会が開催されたのでした。しかも、オーケストラと合唱は、イタリアNO.1と名高いACCADEMIA NAZIONALE DI SANTA CECILIA でした。途轍もない大きさを誇る AUDITORIUM をほぼ満員にした演奏会です。

ソリスチの顔ぶれもE先生のお話しによれば、大変有名なソリストたちのようでした。残念ながら、私には知識が少なくて、すぐに反応できずに困りました。

コーラスは、ソプラノ25名、メゾソプラノ11名、アルト7名、テノール8名、バリトン9名、バス10名で
計70名編成。イタリアNO.1のコーラスの響きを楽しみにワクワクとした気持ちで開演を待ちました。

パッパーノ指揮のモーツアルト・REQUIEMは、ここちよい波動の連続で感動の演奏会でした。
演奏終了後のアウディトリウムの大ホールには、大きな称賛の拍手が止むことを知りませんでした。


               パンフレットから、指揮者アントニオ・パッパーノ氏の顔写真。
                                             そして、赤い線の入ったチケットです。(上部分)
 

会場で求めたパンフレット表紙〔右〕を撮影しました。

モツレクの パッパーノの指揮や 優雅なり   元鷹

2012年1月19日木曜日

春です!ミモザです。

ここにきてローマは急に冷え込んで参りました。私は昨日ポポロ広場のサンタ・マリア・デル・ポポロを
訪ねました。とくにカラバジョの”聖ペトロの殉教”と”聖パウロの改宗”を有する教会として名高い教会です。時間をかけてゆっくりと教会内を見て回りました。多くの画学生たちが、熱心にスケッチブックに
向かい合っていました。

お昼時でしたので、この近くに在るという日本レストランを探してポポロ門を出ることにしました。結局、目的は叶わずに帰途に就くことになったのですが、ポポロ広場の近くで花屋さんと出逢いました。
多くの花の中で、ひときは目立った”ミモザ”を気に入って一束購入しました。

通常3月に花屋さんへ出荷されるミモザが、既に店先に出ていることに驚きました。
親父さんに何処から仕入れたのかと訪ねましたら、”サン・フェリーチェ・チルチオ”という返事でした。
ナポリに近い海辺の町です。成程、早咲きのミモザが、店頭に飾られるようになった訳が分かりました。それにしても、暖冬の今年ならではの季節のプレゼントです。花ことばは、”友情”です。

               

               ミモザの花ことばは、”友情”です。
               可愛らしい黄色い花が素敵です。でも、すぐにドライになります。
               ”可憐短命”ということでしょうか?

               春告げる ミモザの開花 驚きや       元鷹

2012年1月15日日曜日

市井の山高帽のトランペッター

ローマは、普段の散歩が楽しめるところです。どこの道路を歩いても商店では、大小のショッピング・
ウィンドーを、きれいに上手に飾ります。さて正月のこの時期〔SALDI〕は、全てのお店は、30%~
70%の割引セールになります。今年は、1月5日~2月15日の6週間とのことです。

また時々、街角にギター、ヴァイオリン、トランペットを奏でる市井の音楽師の姿を見かけることがあり
耳を思わず傾けることがあります。今日は、地元の地下鉄出入り口に山高帽を被った男が、青空に
向かって素敵な音色を出していました。中々本格的なトランペッターらしく、歩行者の足を止め、お布施を受けているようでした。通り過ぎるには、何かこころ残りのような気がして、演奏の邪魔にならないように駅の階段中央からシャッターを切りました。


メトロA線FURIO CAMILLO駅
  VIA APPIA NUOVA方面をアングルに
階段中央から撮影しました。

絵に成るは 山高帽の 音楽師     元鷹

2012年1月11日水曜日

コロッセオの1枚のレンガ

ローマの新年は、あっという間に10日間が過ぎてしまいました。
とはいっても日本の優しいフォローの言葉の中に”松の内”、”小正月”があります。
今日はまだ11日ですから、まだ始まったばかりと意を強くしてみたいとおもいます。

今年の元旦は、朝早く暗い時間からフォロ・ロマーノ周辺を散歩してみました。
コロッセオには、ハト、野良猫、コルナッキア・グリッジャ(イタリアのカラス)が、朝食を
探している程度で、人の動きはほとんど(それでも2~3組はいましたが)ありませんでした。

元旦でもあり、新しい取り組みをしてみました。コロッセオをぐっると一周することにしたのです。
そこで発見したこと。
1)トイレ   ≪昔にあったようで案内看板だけでしたが、降りて行ってみたら封鎖中。ヤッパリ・・・≫
2)プレゼピオ《昨年ご紹介しましたイタリアのクリスマスを祝うキリスト誕生風景の模型》
3)断面の様子《写真が取りだせないためご迷惑をお掛けします》

  私は、暫くたったまま断面を見つめて思うことがありました。
  世界で現存する最も巨大な建造物を代表するこのコロッセオは、1枚のレンガから出来ている。
  60、000人の観客を収容したと言われるコロッセオももとをただせば、「1枚のレンガ」から
  構成されていることを知って、”コロッセオとレンガ”の関係は、そのまま”人生と1時間”とを
  例えられないだろうか?と。
  
  私はローマに来る直前まで、ある合唱団の一員でした。
  大曲の「第九」・「ドイツ・レクイエム」・「モツレク」を練習して、演奏会に参加させて頂いた次第
  ですが、ご指導頂いたM先生からは常々”音楽は練習を積み重ねること。1枚1枚薄紙を
  重ねるように。”と教えられました。

  その日、私は巨大なコロッセオの前に立ち、1枚のレンガを見つめて今は懐かしい合唱の
  練習の日々を想い出していたのです。先生の声と仲間の声が、聞こえてくるようでした。

            コロッセオ 2000年たつ 積み重ね       元鷹

             コロッセオに接近して撮影してみました。構造の一部が垣間見られかと
             思います。基本的な構造は、以来変わらずに現在にまで伝わっているように
             感じました。

             コロッセオに展示されたプレゼピオです。ローマでは、12月24日~
             新年1月6日まで2週間の間、飾られます。入り口の近くです。

2012年1月1日日曜日

もぎりたてのROMAの元旦です。

明けましておめでとうございます。

2012年の元旦早朝風景を写真でお届けします。
年末から元旦を”カンピドリーオ”の丘で迎えたい、
という願いを叶えて先ほど帰宅したばかりです。

本年もブログ「ROMAの麗雅都だより」のご高覧を
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

                      2012年 元旦
                       元鷹 気涯

カンピドーリオ広場の騎馬像
1月1日 午前7時


         
                フォロロマーノの元旦遠景 1月1日 午前7時15分頃


                    朝焼けのコロッセオ、VIA FORI IMPERIALIにて撮影
                1月1日 午前7時45分頃 静かに新年を迎えました

                                  
                1月1日 午前8時頃 撮影コロッセオ入場門近く
                お馬さんの朝食中をパチリ!お客様を馬車に乗せる
                前に腹ごしらえをしています。麻袋を上手く操っての
                マンジャーレです。御者は、何処に?

                                                カポダンノ 花火の音が 彼方此方で       元鷹

                ※カポダンノ=capodanno (伊語)=新年・元旦のこと

佳い年をお迎え下さい !

今年2011年の大晦日を迎えました。しかし、ここローマで大晦日、お正月を迎えようとは、夢だに思いませんでした。そして、ローマで”ブログ”を書く〔つくる〕ことなど、かつて流行った言葉で言えば正に想定内、いや想定外でありました。

本当に人生は、”至る所に青山あり”でございます。しかし、ここローマでは、青山〔セイザン〕と呼ぶより、宝山〔ホウザン〕と呼ぶべきでしょう。生きる上での大切な”ヒント”を発見できる処と言ったら良いのかも知れません。2000年の歴史が頭上から見守ってくれているという錯覚を覚えるから不思議です。

私は、そのような錯覚・感触を「ローマの蜃気楼」と名付けました。ずっとずっと遠くに在るのですが、近くでは、見えません。人間らしさ・人間臭さが、ここには生きています。率直で、正直で、いいのであり、逆に下手な遠慮は無用なのです。

人間性への深い想いの有無を見透かされるような静謐な空気がここにはあります。しかしまた、蜃気楼には魔性のようなものが潜んでいて、まるで己の鼎の軽重を問われているかのような軽いプレシャーを覚えることもあります。

18~19世紀には、アルプスを越えて数多の芸術家が、フィレンツェ、ローマを訪れました。古代ローマ時代、ルネッサンス時代、バロックの時代の栄華の残照を求めたのでしょうか?
兎に角、五感に心地よい刺激がローマの空気には含まれている、と言ったら良いのでしょうか?不思議なインスピレーションを与えてくれていると感じています。

大晦日の今夜、8月からスタートしましたブログ”ROMAの麗雅都だより”への温かいご支援とご高覧に感謝申しあげて、皆さまの来る年の”FORTUNA”〔フォルトォーナ・幸運〕を御祈り申し上げます。


                     9月10日 フィレンツエのBARGELLO美術館にて撮影
                     ジャンボローニャ作 「マーキュリー像」

                     うつつにも ここまできたり カポダンノ    元鷹
                      
                        ※カポダンノ → 元旦
                     尚、文章と写真とは関係ございません。