2013年2月27日水曜日

チョコレート工房 SAID

ヴァレンタイン・ディも過ぎてしまってから、チョコレートのお話しは、
タイミングを逸した感があるのですが、今日はローマでは珍しい本格的な
チョコレート工房「SAID」を訪ねてみました。

場所は、VIA TIBURTINA、135、テルミニ駅正面左側のマルサーラ通りから、徒歩20位のところに在ります。普段は余り用が無い(失礼)ような地域ですが、兎に角評判のチョコレート専門店を訪ねてみることにしました。

お店に入ると特に変わり映えが余り無いような造りですが、ベテランのスタッフに撮影許可をお願いすると、気持ちよくご主人を直ぐ呼んでくれました。

「私は日本人ですが、友人からメールでお店を知ったのです。日本でもテレビに紹介されて評判になっているそうですね。」とご挨拶をさせて頂きました。応対して下さったカルラ・デ・マウロさんは、創業者のお孫さんの様子で背の高い親切なロマーナでした。終始、笑顔でお話しをして下さいました。

ショーケースには、美味しそうなチョコレートが奇麗にディスプレイされています。創業時から、チョコレートはすべて手作りでやってきたことが、カルラさんの口から、何度も伝わってきました。

傍にいらっしゃったお母様は、レストランのテーブルに生け花をされていました。お邪魔しないように、ご挨拶をさせて貰いました。

工房も入口の外からですが、紹介して頂きました。工房は、徹底的に磨かれて清潔そうでした。1923年から経営を続けているそうで、今年は90周年の記念の年になるそうです。

チョコ製造・販売のほか、BARとレストランも同じ店舗内で経営しているのです。レストランは夕食だけの営業で、予約をしなければなりません。

短い時間でしたが、こうして”SAID”(サイドと発音します)訪問は、思いのほか、とても親切な応対を受けて感激してしまいました。

さて、最初に板チョコを購入して、ショールームのそばにあるBARでエスプレッソを一杯注文した処、ハート型の小粒のチョコを付けてくれました。

そのあとにご主人のカルラさんからのご親切な工房案内になった訳ですが、長居はご迷惑とそこそこに、御礼を申し上げてお店を後にしました。

お店を30mほど出て、エスプレッソの代金を忘れて仕舞ったことに気づき
急いで戻って、お詫びと失礼を申し上げたところ、ベテランのスタッフは、
「ご心配ありません。気にしないで大丈夫です。またお越しください、次回に!」と言って、代金を受け取って戴けませんでした。

”何と太っ腹なお店だろうか?”と恐縮しながら、次回は夕食にくることを約して、お店を出ました。老舗と言われるだけあって、味もサービスも熱の篭った接遇でした!



            SAID店舗正面です。via Tiburtina から
            すこし引っ込んだところにあります。

               
            おしゃれなインテリアで楽しめそうです。
            ロフト感覚ながらトラッドなテイストを味わえます。

               
            左側のお花は、カルラさんのお母様が
            活けたもの。テーブルは、かつて工房で
            実際に使われていた作業台です。
            随所にBOTTEGA(工房)のこだわりが
            伺えて感動しました!


購入してきた板チョコです。
当分の間、チョコレート漬けになりそうです?!

”SAID”とは 面白きかな サイド行く   元鷹
生き粋と 語るカルラに ココア在る    元鷹
チョコレート 積みかさねつつ ノーサイド 元鷹


            

2013年2月19日火曜日

NETTUNO

ローマ市内から車でたっぷりと1時間以上は掛かったか、途中の
道路の混雑具合を差し引いても、まる1時間は車の中だった。

ほぼ20年前には、友人の誘いを受けて家族で1日遊んだ懐かしい
想い出の地、NETTUNO(ネツゥーノ)を訪ねました。

実は昨年末のイタリア・レストランで飲んだ白ワインが、甚く
気に入って探していたところ酒造元が在るここNETTUNO
だったことが、きっかけです。

ワイナリーを後にしてネッツーノの海辺に行くことにしました。
海辺につくと20年前の風景が、未だにそのまま温かく迎えて
くれたかのように変わっていませんでした。

既に夕方5時を過ぎていたこともあって、ひと影はまばら。
丁度、太陽が西へ沈みかけて、なんとも平和でとわの静謐さを
感じさせてくれるような情景でした。

「あっ!ここだった!!」
そうだ、この辺で靴を脱いで冷たい海水に足を忍ばせたのだった、と
独りごとを言いながら、少し歩いてみました。

海辺には、カモメが戯れながら岸辺のエサを探すかのように
低空飛行を繰り返しては群れていました。

カモメのすばしっこい空中遊泳に感心しながら、
シャッターを50回以上も押してしまった。


                                 沈みゆく太陽と静かな海辺
              右側下は、旧市街で多くのホテルが
              建っています。     

               
             カモメは、上に下にと敏捷な動きで空中を
             飛び回っていました。キュー、キューと鳴く
             声には、少々ビックリ!

             ネッツーノ 海もカモメも 変らずに    元鷹  

2013年2月14日木曜日

春を呼ぶカーニバル

温暖な地中海性気候に恵まれたローマは、真冬とは言え晴れ間も多く、
空へ眼を遣れば、天の藍色(アッズーロ)はもう春ではないだろうかと、
錯覚してしまうほどに気持ちを和ませてくれます。

そんな2月の日曜日の午前、VIA NAZIONALE ではカーニバルが行われました。ピノキオをモチーフにした大きな山車(だし)が、道路の中央をゆっくりと動いて、カーニバルの雰囲気をヤンヤと盛り上げます。

山車の前後には、変装・化粧した子供たちが、お父さんやお母さんに手を引かれておおはしゃぎしながら、紙吹雪を辺りかまわずに撒き散らすのです。

この日10日の日曜日は幸いにもポカポカ陽気でしたので、カーニバルに参加した家族連れも歩道で眺める観光客も、こころから楽しみながら春到来を
待っているような一幕でした。

            VIA NAZIONALE 共和国広場に近い街角で
            路面は、紙吹雪で絨毯が敷かれたようになりました。
                           ※ Foto da Sig.ra E.Anna 写真は、E.アンナさんの提供です。 

            春よ来い 無邪気に遊ぶ ローマっこ      元鷹  
   

2013年2月9日土曜日

オシャレな八百屋さん

余りのディスプレイの巧みさに驚かされました!
とは言っても、繁華街の商店街でのお話しではありません。
至って目立たない路地裏〔VIA(通り)ではなく、VICOLO(小路)です〕に
際立って輝いているお店≪街角の八百屋さん≫を発見しました。

余り間口のない(4m位)店構えでしたが、通行人(買物客)には、”ひと眼で判る”旬の品揃えを見せてくれ、ちょっと入ってみようかな、と誘われる雰囲気を十分に発信しているま棚先でした。

この店にも「フィノッキ(オ)」があればと、荷物になってしまうのですが、入ってみたいという衝動を抑えきれずに、「1~2個買ってみようと決心」して、
いざ入場?してしまいました。”ブオンジョルノー!”♫

結局、フィノッキ×2、人参(小)×3、玉葱×3 を購入しました。〆て、3.5€也。日本円で、455円ほどでした。書類入れのバックに入れて持ち帰るハメになりましたが、それでもこれまでに一瞥した八百屋さんの中では、一番の
ディスプレイがされていたお店でしたから、こころから満足の行く”気まぐれショッピング”ではありました。

棚先商品ディスプレイの大切さをあらためて教えてくれる機会を戴きました。
ご主人のエンリコさん、有り難うございました。



                Vicolo D'orfeo ドルフェオ小路で出遭った
                八百屋さんの入口。ご主人のエンリコさん、
                気持ちよく写真撮影をOKしてくれました。

                  
            例えて言えば、絵本の中に入ったような錯覚を
            味わいました。中央上は、ワインです。棚先下に
            カブが見えます。左側奥・エンリコさんが、お客
            さんを接客しています。

            あかみどり トリコローリは イタリアだ     元鷹 
            

PARCHEGGIO CANI

”PARCHEGGIO CANI”とは?

PARCHEGGIO「パルケッジョ」は、ご想像のように駐車場のことです。
CANI「カーニ」は、CANEの複数形で犬のことです。

即ち、「犬の駐車場」という意味合いですが、市内のどこかしこにあるというものでは、なさそうです。非常に珍しい、と言っても良いかもしれません。

今回ご紹介の「犬の駐車場」は、薬局とバール入口に取り付けられたものです。同様のサイズ・デザイン・カラーでしたから、おそらく同時代に流行して、設置されたものと思われます。

しかしながら、私の見る限りではバールやレストランは勿論、一般の商業施設入口あたりに”PARCHEGGGIO CANI”〔犬の駐車場〕を見つけることは、殆ど有りません。

これは一体どういうことなのでしょうか?
イタリア人に「何か法規制があるのか?」と尋ねてみましたが、明確な答えは返ってきませんでした。

また、新たなクエスションが湧きおこってしまいました。引き続き詳しい人を探して、この辺のところを聞いてみたいと思います。



            薬局の入口に繋がれていました。
            飼主は、どこかへ買物に行ってしまいました。

                    
            バール入口で,暫くの間おとなしく飼主を
            待っています。

            ここで待て 美味いコーヒー 飲んでくる    元鷹

    
               

              

2013年2月3日日曜日

黄金のキリスト像とアントニオ

今日3日は、節分の日。そして、明日は”立春”です。立春とは、なんと響きの美しいことばですね。伊訳では「PRIMO GIORNO DI PRIMAVERA」
となるようです。〔坂本鉄男編:伊和辞典より〕

”春の最初の日”ですね。何か、明るい気持ちになってくるから不思議です。

ところで、随分前からずっと気になっていたことが、ひょんなことでハッキリしたときは、ホットして嬉しい気持ちになることがあります。

今回、ご紹介するのは、ローマ・テルミニ駅に近い教会のお話です。
ローマに来たころから、テルミニ駅の正面左側にひと際飛びぬけて空に向かっている立像が、黄金色に輝いているのが不思議でなりませんでした。

「BASILICA SACRO CUORE」という教会です。VIA MARSALA、40
この建物の上に黄金色のキリスト像が、西南方向に聳え立っているのです。

いつ訪ねても門扉は閉ざされているので、事務所にまわって聞いてみれば、午後4時半からしか開かない、という素っ気ない返事が返ってきました。

いつか教会の中をみたいものですが、何せ立像が驚くばかりに目立ちますから、これだけで十分に功徳〔仏教用語?〕を戴いているようにも思えます。

さて、閑話休題。
教会の手前の VIA VICENZA、18 にトラットリア・DELL'OMO が在ります。ここのローマ料理は、正に絶品?のお薦めです。赤ワインとプロシュートを舌の上に乗せれば、もう世の憂さを忘れさせてくれる程。オーバーかな?

☆特記事項は、ここの主人〔あるじ〕にあります。
キッチンは、母親とおもえるシニョーラが、切り盛りして様子。
ホールの客人のすべてを彼が、所狭しと闊歩してサービスする有様は、
見事と申せます。メモは、一切使いません。抜群の記憶力に舌を巻きます。

そんなここの料理の旨さと主人〔名をアントニオと呼びます〕とのひとときの
何気ない会話が、今何よりものローマ生活の”醍醐味”となっています。 




                             via vincenza と  via marsala の交差するところで撮影
            アズーリ色と太陽光を浴びた鐘楼に立つキリスト像

                
                西南方向を見ています。鐘楼が高く、カメラの
                性能、腕の限界もあって、像が小さく見えます。


                雨風に 黄金立像 世を照らす     元鷹       




2013年2月2日土曜日

フィノッキオを食す

さあ、2月です。寒中お見舞いの時季が終わり、まもなく春の訪れを待つ頃になってきました。

マーケット≪青空市場≫の隅には、小型三輪車に積んだ黄色、赤色の
ツボミをつけたチューリップが,その場を和ませてくれていました。

さて、今日は久しぶりにイタリア野菜〔FINOCCHIO〕をご紹介します。
但し、お料理や食べ物には知識も関心も強い人間ではありませんから、
その原産地も美味しい食し方も分りません。

手元の辞書≪小学館伊和中辞典;P977≫を引けば、イラスト付きで紹介されています。いわく「FINOCCHIO ウイキョウ」と記されています。

論より証拠、写真をご覧ください。




スーパーの野菜売り場の中で比較的存在感のある、いや重量感のある、と言った方が当っているのかもしれませんが、一瞬手を伸ばそうか、止めておこうか、と迷いながらも勇気を出して、買物かごにドスンと放りこみました。

味は、とても香ばしく、何よりも食感が素晴らしく気に入りました。歯ごたえが良い、と言うことばが有りますが、野菜の中でこれだけパリパリと音を出せて
しかも香りを楽しめる野菜は少ないのではないか、と感心してしまいました。

因みに値段は、474グラムで0.70ユーロでしたから、約90円になります。
この価格で、栄養が摂れて旨みがあって、食感を楽しませてくれるとは、全くの”BRAVO野菜!”ではありませんか。”フィノッキオ”ぜひお楽しみ下さい。


如月に フィノッキ食べて 春を待つ    元鷹

香りよし パリパリ噛んで 春を待つ    元鷹