2013年4月30日火曜日

となりの青空市場

私の住むアパートの近くに青空市場があります。一般には何と呼んでいるかは定かではありませんが、屋台または露店のことをバンカレッレと呼ぶようです。

ヘップバーンの「ローマの休日」のシーンにも出てきますが、ご記憶にお有りでしょうか?グレコリーペック演じるアメリカン人新聞記者ジョーの  アパート VIA MARGUTTA、55から出て、最初に賑やかな通りを   楽しそうに歩くヘップバーンの生き生きした表情が印象的でした。

フルーツ・野菜を扱うバンカレッレ(屋台)、魚を商うバンカレッレなどが、次々に登場しました。愉快なことに、うなぎやスイカも出てきましたね。

さて話を戻しますと、近所にある青空市場は、ちょっとした買物に大変便利な市場です。ローマには、まだまだこのような市場が、少し大通りを入りこんだところに点在しているようです。

私は、主にスーパーマーケットに行く時間がない時など使わせて頂くことがあります。20Wの豆電球のような商品も扱っている屋台もあって、ひとつ一つのお店(露天商)をひやかしで見て歩くことも楽しみです。

例えば、この通り両側に並べられた屋台の数は、先日数えてみたら併せて30店ほどでした。布生地屋、野菜・果物屋、紳士・婦人肌着屋、花屋、靴屋、骨董品商、電気部品・製品、アクセサリー、鍋釜店、シャツ・ジーンズ衣類店、などが顔ぶれです。

まるで「露店百貨店」と言えるほど品揃え豊富な青空市場です。
ローマの観光の楽しみの一つにされるのも一興かも知れません。

早いお店は早朝6時30分ころから店を開け、通常は午後3時までの営業をするそうです。日曜日、祝日はお休みです。

メトロB線ピラミデから行ける「ドロボウ市場」(正式名称は不詳です)などの見学も面白そうですが、スリ・置き引き等の巣窟かも知れませんので、
余りお薦め出来ません。

今日は、青空市場のほんの一部をご紹介させて頂きました。

なぜゆえに未だこのような「BANCARELLE」が、庶民の支持を得て存在しているのか、ローマのみならずイタリアに根強く、力強く、逞しく生きているバンカレッレの存在は、単に庶民から支持を得ていることに留まらず、イタリア社会の陰影を反映しているような気がしています。


            VIA MONTEBELLO (モンテベッロ通り)に
             展開される青空市場です。

           

            
           写真は八百屋さんのバンカレッレです。
            奥のお店は、パン屋さんです。プロシュート、
            惣菜なども販売しています。

             
           バンカレッレ 青空市場 散歩道     元鷹
              

2013年4月29日月曜日

いざ!ヴァチカン美術館へ 最終章

ところが、右方向へ足を運び中世紀(と思われる)の作品群を部屋から
部屋を楽しんでいるうちに不思議なことにスタート地点へ戻ってしまった。

”まあ良いか!”とばかり、人混みのする左側方向(システィーナ礼拝堂のある)へ進むことにしました。

「進む」というより「押し流される」状態でありました。
判り易く申しますと、通勤電車のように足の踏み場もないほどの人、人、人です。でも文句は言えません。入場料を払っていませんから。
やっぱり、格言は的を得ております。曰く”タダほど高いものは無い”と。

さあ、どの位歩いた、いや押し流されたことでしょうか?
やっと「システィーナ礼拝堂」の入口まで辿りつきました。(入口は非常に狭いのであります。押すな!押すな!という面々の表情を感じました)

不思議なことに、真に不思議なことに。
ミケランジェロの「最後の審判」を仰ぎ見れば、幾歳月もの時間を忘れ、
まるで20年前からここに居たのでは、と錯覚してしまうほどでした。

圧倒するような「最後の審判」の構図、色、若きキリストの姿、取り巻く
人間の動き・表情等は、例え美術に素人でも、見学者の誰にも感動を
与えざるを得ない、と息を飲みました。

3月この礼拝堂で法王選挙(コンクラーベ)が行われたのか、との思いも
脳裏に浮かんできました。新法王フランチェスコの誕生した聖地?です。

礼拝堂のなかでは、職員が5~7名くらい居て交互に叫ぶであります。
「SILENZIO!(シレンツッオ)」、「SILENCE!(サイレンス)」と叫んで、
見学者の口を塞ごうと懸命でした。

聖なる礼拝堂の中で、唯一この叫び声だけが大騒音であったことが、
何ともはや残念!でありました。

                地図の廊下の天井画です。延々と伸びる廊下に
                華を添えるような天井画。見学者は左右も天井も
                気が抜けません。兎に角、延々と。

               
 

            ラファエルの間の一部分です。古代ギリシャの哲学者・学者
                プラトン、アリストテレス、ソクラテス、アルキメデス等が
                描かれています。
              

               

                   

                 
                ヴァチカン美術館出口にある螺旋階段です。
                上からグルグルまわるようにしてグランド・フロアーへ。
                そのまま出口へ進みます。


                 幸いに 近くに在りて 美の宝
                      意識なければ 遠きオアシス     元鷹                

いざ!ヴァチカン美術館へ  その2

いよいよ美術館入口に辿りつきました。
入口をくぐると直ぐに持ち物検査(空港のセンサーチェックと同じもの)を
受けてから、美術館内部へ階段を昇りました。

20年振りの訪問ですから、記憶がおぼつか無いと言いますか、部分的にしか、館内の様子を想い出すことができません。Uhhh-m(うーんと唸る)!確かにふた昔前には、何度も来ていた処が想い出させないもどかしさを何とも如何せん!

見学のルート別標識案内を見るも法王の名前、場所分類の名前等ばかりで、分かりにくいこともあり、先ずは多くの見学者がゾロゾロと進む左方向(システィーナ礼拝堂)とは反対の右方向へ行くことにしました。


               建物に入ると直ぐに目に入った「MUSEI VATICANI」
               成程、美術館だらけ(複数)なのでMUSEO⇒MUSEIに。

      


               
 
青空に聳えたつサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ。
普段は見ることが出来ない裏側になります。空の
青と木々の緑にクーポラは一層美しく映えています。
 


                巨大なマツカサ(PIGNA)のデザインをしたオブジェ。
                マツカサは、繁栄・平和を象徴するものでしょうか?
                イタリアでは、古くからアートのモチーフとして登場
                してきます。
                館内の中庭は広々として気持ちが良かったです。
                ここは美術館のオアシスです。


                ヴァチカンや 気の向くままに 足運び
                趣くままに 目を見張り            元鷹
                      


                 
                 
 

いざ!ヴァチカン美術館へ その1

2日前の26日〔金〕には、北アフリカから砂混じりの熱風(シロッコ)が、
ローマに雨とともに吹き込んで来て、車上や家屋をまるで泥をかぶせた
かのような跡(あと)を残していました。

その日、私はそうとも知らずに傘もささずに歩いて、頭を多少濡らしてしまったので、北アフリカ産の砂を僅かに受けていたかも知れません。

さて今日は、打って変って夏の日差しがサンサンと輝いた一日となりました。

日曜日に珍しく休みを取ることとなったが、さて如何したものかと、思い巡らしたところ、「そうだ最終日曜日は、ヴァチカン美術館の入場無料だった!」ことをに急に想い出してしまい、早速出掛けてみることにした次第。

いざ!ヴァチカン美術館へとメトロA線オッタヴィアーノ駅を目指しました。

リソルジメント広場まで来てみると何とヴァチカン美術館を目指す人・ヒト・
ひとで、入場を待つ横5~7人の列が、入口(随分先に在るのです!)から、サン・ピエトロ広場へ繋ぐ道路(ポルタ・アンジェリカ通り)途中まで続いていたから、驚きでした。私の前列には、数千人の入場待ちがありそうでした。

結局、待ち時間はおよそ2時間(08:00~10:00)でした。

格言曰く「タダほど高くつくものは無い」と。しかし、初めての「タダ入場」体験も一度は、してみたいと言う憧れは強く、やっと実現できた喜びはひとしおであります。
                   (その2へ続く)


            28日午前9時過ぎ。左奥がリソルジメント広場です。
                    ヴァチカン美術館壁に沿って、長蛇の列です。


           歩道に立つ美術館年間スケジュール看板です。
              
                
                   最終日曜日は、無料サービスの日です。(青色)
                ご存じでしたか?但し、多くのファンで込み合う
                のは必須です。 


             


            
                  入場締め切りは、午後12時30分までと伊語,

                                       英語で知らせています。

                      


                                   
懐かしむ ふた昔前 見たCAPPELLA   元鷹 

2013年4月20日土曜日

ローマ流そら豆の食べ方

パスクア・復活祭〔3/31,4/1〕が過ぎると気候は一段とスピードを上げて
春から夏に変わってしまいました。日中は、暑い、暑いと、もう夏になったのような表現を聞くようになってきました。

4月の陽気は、市内観光客にとっても幸いしてか、市街地にはいつもより
観光客の姿が多くみられます。また、市内の小学校の児童が先生や母親
に引率されて歩く行列を観光地で見かけることが増えてきました。

さて、4月25日〔木〕はイタリア解放記念日の、そして5月1日〔水〕はメーデイの祝日となります。丁度、天候に心配のないこのシーズンは、イタリアでは、家族・友人揃ってピクニックに出掛けることが多くなるとのことです。

この時期にスーパーマーケット野菜コーナーには、FAVE〔ファヴェ・そら豆〕が大量に出回るようです。旬の野菜に目のないイタリア人は、このFAVEとPECORINO〔ペコリーノ・山羊乳チーズ〕を赤ワインで一緒に味わうことを楽しみにしているのだそうです。

そしてこの時期のピクニックやアウティングの時には、これらの3種の神器
ならぬ「そら豆、ペコリーノ・チーズ、赤ワイン」を携えて、いざ出陣となるとのことです。

私も負けじとふだんは余り立ち寄らない野菜売り場にて早速FAVE(そら豆・日本のモノと違って細く長いカタチ)を、乳製品コーナーではペコリーノ・チーズを買い求めて、家にあった赤ワイン(シチリア産・CORVO)を揃えて、ベランダで試食会を楽しみました。

そら豆を生で食べたのは初めてでしたが、チーズと絡めて食べながら、
そっと赤ワインを口に注げば、香ばしくて豆の青臭さは残るのですが、
ワインがスープ替りになって、いっぺんにノドを通してくれました。


            スーパーで並んで売られていたFAVE(中央)です。
            1kg/1.69ユーロでした。
                                試しに270g(11本)を買うことに。

            

              
           左から、FAVE、ペコリーノ、CORVO赤ワイン。
            
           皆さんも一度お試しになられては如何でしょうか?


           珍味なり これは美味いと ぜんぶ食べ   元鷹
                

            
    



2013年4月13日土曜日

見事なヘッディング

ここはローマ・テルミニ駅やヴァチカン市国4大教会のひとつサンタ・マリア・マッジョーレに近い VIA CAVOUR と VIA G・AMENDOLAの交差する交通量の多い所です。

ここの交差点に時々ですが、「見事なヘッディング」を商い?とするTシャツ姿の精悍な男性〔およそ60歳半ばの年かっこうです〕が現われます。

赤信号でストップした運転手を相手に、サッカーボールを右手で上へ押し上げたかと
思うと軽く会釈をして、にわかに頭〔お凸〕でドリブルを始めるのですが、これが惚れ惚れとするほど上手で、見る者を喜ばさずには居られません。

青信号に変わる少し前をみはらかって、ドリブルを中止し、運転手へ声を掛けます。
”どうだい!凄いだろう!”あるいは”楽しかっただろう!”と言った内容でしょうか?同時に右手が、運転手へ差し伸べられていますから、チップの要求です。

この妙技に面白いと関心を寄せた運転手は、観賞料?のチップを出すのでしょう。
一連の彼の動きをその信号の傍で眺めて居る限りでは、気前よくチップを出してくれる人は余り多くないようです。

ローマの街ならではの彼の大道芸人的アイデア〔ヘッド・ドリブル〕からは、生きることへの凄みと併せて、一種のユーモアとも感じられる空気を感じとりました。


            ニコラエ・G・ビッツさんの見事なヘッド・ドリブルは、
                混雑で渋滞する運転手さんのイライラ感を瞬時、
                解きほごしてくれているはずです。♫ ガンバレ!

                

                  
                大道の 渋滞の中 躍り出る
                頭でドリブル ピッチは独り          元鷹           
                   


2013年4月2日火曜日

ローマ郊外のアウトレット視察雑記

ローマの気候は、サクラが咲いても未だ肌寒い感が抜けきれません。
まるで春〔PRIMAVERA〕到来直前のセレモニーであるかのように
冬から春へ、季節のバトンが渡されないかのようです。

さて以前から、行かなくてはと気にしながらも、月日だけが随分と経って
しまうことがあるものです。その一つに「Castel Romano Designer Outlet」と言うアウトレットがありました。

テルミニ駅正面左側には、マルサーラ通りが走っています。
HOTELマジソンの看板を目印にして行けば、その辺りが専用バスの
発着場所になっているようでした。

「その辺り」と言いますのも、通常なら在るであろう案内ボード、或は客が
認識できる目印が何もありませんでしたから。従ってあわてずに様子を
伺うことにしました。

と、間もなく発車時刻20分前位に担当と思われる60歳代の男が胸元に
タテヨコ20×30cm程の行き先名を書いた厚紙を掲げて現われました。

さて、ほぼ35分後に専用バスは目的地の停留所〔FERMATA〕に到着。
外観はモダンな感じですが、中に入ってみるとなかなかクラシックかつ
エレガントな建物が目立ちました。

ショップ数は100余店舗ですが、歩いてみると結構見応えがありました。お客様は、殆どはイタリア人家族でした。日本人客は、母娘と思われる
1組のカップルだけでした。

外国人では、ロシア人と韓国人が比較的多いかなと言う印象でした。
入場口からすぐ左側には、インフォメーションセンターがあります。

実は日本語の案内書を欲しかったのですが、案内係の説明では
アウトレットが出来た10年前から用意してあるのは、伊語+英語、
ロシア語+中国語、そして韓国語+ブラジル語の6カ国語、3タイプの
パンフレットだけで日本語のものは無いとの説明でした。

やがて成程そうか、と気付いたことがアウトレットを出てから判りました。
[shopping GUIDE]を受け取ることが出来るボード〔写真参照〕に用意
されたのは、上記のパンフレット〔ショップ案内&マップ〕だけでした。

これまで日本語のパンフレットが用意されているものだと思い込んで
いたことに、自分の頭の固さと一種の恥ずかしさを感じました。

このアウトレットを運営する会社のマーケッティングは、BRICS+地元の
イタリア人とその他外国人〔国際語としての英語を採用〕ということなのだ
と勝手に想定するまでに時間は掛かりませんでした。

 


            3種類のパンフレットを重ねて撮影しました。
                左:中国語+ロシア語、
               中央:韓国語+ブラジル語、
                右:英語+伊語でショップやレストランなどを記載。

             
             

                今が春 BRAND集め OUTLET     元鷹 

              





ローマでお花見

今日4月1日は、復活祭の祝日2日目に当ります。
花曇りの中、EUR〔エウル〕にある「日本の散歩道」を訪ねて
お花見をしてきましたので、レポートします。

昨年の4月5日のブログにも取り上げましたが、今年は昨年より
4日早く「日本の散歩道」のサクラを楽しんで参りました。

市内からは、テルミニ駅からメトロB線〔ラウレンティーナ方面〕に
乗って9つ目の駅である”EUR PALASPORT”にて下車します。
駅を出ると目の前に人造湖が映ります。

その対岸に「日本の散歩道」〔PASSEGGIATA DELLA GIAPPONE〕に
沿ってサクラ並木が満開に咲き誇っていました。

祝日の午後、家族連れ、仲間でのピクニック、またワンちゃんを散歩
させながら、と言った人達で賑わっていました。

因みにローマでは未だ珍しいサクラの木々は、かつて岸信介元総理が
ローマ市へ贈ったものだそうです。

私は、ノンビリと1本1本と枝葉を見ながら歩いてみました。
日本で観るサクラと全く変わるところがありません。

サクラの木々の下で、沢山のローマ市民が、お弁当や飲み物持参で
お花見をしている風景は、まるで日本に居るかのように錯覚をしてしまい
ます。


             満開のサクラを囲んでお花見が繰り広げられて
               いました。家族の、仲間の輪が大きく広がって。                                           
 人造湖へ流れる川に両岸から噴水が
 注がれ、見事な水景色を見せてくれます。

                          

散歩道をゆっくりと歩きながらお花見を楽しむ
家族連れが目立ちました。画面右は湖です。

 散歩道 日本のサクラ 岸に咲く    元鷹