2015年11月30日月曜日

第424話 カンポ・ディ・フィオリ周辺を歩く

今日は、ガイドの仕事をしている友人のHさんからのお薦めのあった
展示会へ出掛けてみました。場所は、スリが多くの乗ることで有名なバス64に乗車して、「カンポ・ディ・フィオリ」の近くで下車、徒歩3分位の処です。

レオナルド・ダ・ヴィンチの常設展示会場でもあるカンチェレッリア宮殿の
一角に在りました。生憎、到着しましたらPAUSA(パウザ・休憩)のまっただ中で、しまってましたので、この間を活用して近隣を散歩することに。

このカンポ・ディ・フィオリ周辺は、ローマの旧市街15~16世紀の佇まいを楽しめる街並みが、いっぱいあるところです。

即ち、64番バスが走るV/エマニエレⅡ世通りとテヴェレ川に挟まれた地域ですが、道路反対側のナボナ広場、パンテオンの所在する地域と共に中世のローマを彷彿させるに十分な趣きを楽しませてくれます。

今日、散歩した通り名を列記してみます。
1.バンキ・ベッキ通り
2.リッチ広場
3.モンセラート通り
4.ファルネーゼ広場
5.マスケローネ通り
6.ジィウリア通り
7.ペッレグリーノ通り
8.カンポ・ディ・フィオリ広場
と言った広場、通りをゆっくりとショーウインドーを眺めながら散歩したのでした。骨董のお店、ジュエリー(手作り)のお店が結構、軒を並べているのが目立ちました。時間がタップリある時の散歩路として、お薦めです。

会場は午後4時から再開です。
十二分にパウザ(休憩)も取りましたので、カンチェレッリア宮殿に戻りました。催事は、長崎県のキリスト教遺産の展示会です。ユネスコの世界遺産登録へ立候補している、というお知らせが友人Hさんからの情報です。

不思議なことに、今年去年そして一昨年とヴァチカン国際音楽祭<このことはご紹介させて戴きましたが>参加の際に毎回サン・ピエトロ大聖堂の大祭壇近くで、江戸時代から歌われていたというミサ曲を合唱した経験もありましたので、関心を持って展示会に行く事が出来ました。

最終日の今日は、夕方の時間にも関わらず多くの人達が詰めかけて居りました。それほど大きくない会場でしたが、一部屋一部屋に分り易い資料が展示されて、興味を誘いました。

私にとりましては、「親指のマリア様」の複製画が眼に止まりました。
何故に此処に展示されたのかなあ?と疑問を持ちながら拝見しました。

確かなことは、調べる必要がございますが、このオリジナルは18世紀初頭に日本へ来たイタリア人宣教師ジョバンニ・ジデッシが、持ち込んだものと記憶しております。

新井白石は、G・ジデッシとの会話から得た知識を「西洋紀聞」としてまとめた、と云われています。 ところで当時(18世紀初)、お侍の新井白石とG/ジデッシどのようにして会話が成立したのか、興味深いものがあります。

この複製画の出来栄えは素晴らしく、マリア様の表情には気品が満ちて居りました。私は、カン違いをしていました。「親指のマリア様」は親指ほどの大きさに描かれたものを指しているのかと勝手に想像していました。

しかし、今日みた複製画は長さ30CM×25CM位のしっかりした額に収まった油絵のようにも見えました。※写真ご参照ください。

注意してみますとマリア様の衣裳から、小さな親指が出ていたのを発見しました!成程、そうかと合点がゆきました。散歩の楽しさを存分に満喫できた午後のひと時でした。


 
バンキ・ベッキ通り
            歳末の通りの飾りつけが出来たばかり
            に見かけました!お天気は良かったのですが
            赤と白のアンブレラが綺麗に花のように! 

           
           
 ジュリア通り
            ローマの通りの中で好きな通りのひとつです
            ファルネーゼ宮殿の後ろにあります

            
親指のアリア様
              中央に親指が、見えますでしょうか
             偶然の出会いに感謝します! 
             そして、勿論Hさんのお薦めにも。 

               散策は ゆっくり素直に 急がずに
             旧市街 歴史漂う 散歩道
                              元鷹
 

2015年11月29日日曜日

第423話 国境なき合唱団 ローマ演奏会

”国境なき合唱団”何か耳なれない、しかし、いつか聞いたことがあるような合唱団名です。”国境なき医師団”は、時折り耳にしたり、目にしますが、皆さまには如何でございますでしょうか?

先週の21日の土曜日には、この”国境なき合唱団”の皆さんとステージに上がりました。場所は、市内に在る「テアトロ・イタリア」という劇場です。
演奏会で頂いたパンフレットには、合唱団について紹介されております。

「国境なき合唱団は2007年に結成された混声4部合唱団。私たちは毎年国境を超えて世界のいろいろな国を訪れ、その国の檜舞台でベートヴェン交響曲第9番を歌う慈善コンサートを開催しております。合唱やその他の活動を楽しみながらコンサートを作り上げ、恵まれない子ども達へ愛の贈り物を届け続けてゆきたいと願っています。」と紹介しています。

これまでの訪問都市は2007年のウィーンをスタートに、シンガポール、ベルリン、プラハ、オックスフォード、ホノルル、そして今回のローマです。

今回の曲目の第1部は”日本の歌”でした。
ふるさと、花は咲く、大地讃しょう、そうらんぶし

そして2部は”マスカーニのオレンジの花は香り”、
ベートヴェン交響曲第9番合唱付 第4楽章

指揮は、全て横島勝人氏でした。また、ピアノは原 恵子氏。
私は第9だけの参加を予定しておりましたが、全くの偶然となり行きとで、全曲参加するようになった次第です。

とは言いましても初めての曲もありましたので、とても即席で歌えるものではありませんから、クチパクだけの参加の歌も一部出てしまいました。

生憎、当日の悪天候の影響を受けてか、演奏会場に駈けつけてくれた聴衆は多くはありませんでした。それでも、合唱団・オーケストラの演奏に耳を傾けて頂いたことは、嬉しく感謝しております。

国境なき合唱団の皆さんのお陰で、久し振りに第九合唱に参加することが出来ました。ローマでの最後の合唱に第九を歌うことが出来ましたのは、何かのご縁を感じました。皆さまのご来伊に御礼申し上げます!

合唱団の皆さんを乗せた専用バスの
            バーナー「国境なき合唱団」練習会場へ

             
会場になった”テアトロ・イタリア”の
           正面玄関口です。DOPO LAVORO と
           見えます。”仕事が終わってから”とでも
           訳すのでしょうか?


           第九の日 国境なき 和を求め
                            元鷹   

2015年11月23日月曜日

第422話 写真展を終えて

今日は勤労感謝の日で、日本では昨日の日曜日に続いての連休を迎えたことと思います。この勤労感謝と言う日本語は、素敵な響きに思えます。

少し古臭いような気も致しますが、勤労を尊ぶという考え方はごく自然なこころの働きかと考えるのです。

ローマに生活してみて、労働/仕事に対しての日本人、イタリア人、」あるいは、他の国からローマに来て仕事をしている人々の労働への取り組み姿勢の違いは、当然ながら違うものです。

日本人の一般的なごく普通の勤労感とは、どんなものなのでしょうか?
時代時代で変わりつつあるものの底辺に在る立ち向かい方は、大きく変わっていないものと思います。

さて、この勤労への立ち向かい方の違いは、当然ある訳ですが、おおよそイタリア人の見方は、労働観ではなくて恐らく、生き方感の方に主軸を置いた姿勢から来るものなのではないだろうか、と思うのです。

よく話題の登る「価値観の違い」と言えば、そのようにも思えます。
しかし、価値観は日本人の間でも十人十色です。

「価値観の置き方」の違い、と言った方がより分り易いのかも知れません。
人生の価値、意味への根底の押さえ処が違うのです。
何か、纏まりのないお話しで失礼しました。

折角ですから、今日の日本の「勤労感謝の日」には、どんな意味合いが込められているのかを、今一度調べてみたいと思います。

さて、本論ですが、先の二話にてご案内しました写真展の顛末についてお知らせ致します。

予定通り、11月20日(金)の夕刻をもって無事に終了出来ました。ご来場の皆さまに、そしてこのブログDE写真展をご覧下さった皆さまに、厚くそして熱く御礼申し上げます。

思っていた以上に多くの方々のご訪問を受けて、驚いたり喜んだりした2週間でした。ローマ滞在を締め括るイヴェントとなりました。

改めて、「写真(フォート)」の面白さ・不思議さを感じた次第です。

皆さまからも比較的好評なコメントを頂いて、恐縮したした次第ですが、
同じ街ローマに生活していても、イタリア人の観る街ローマと一外国人である私という日本人から観る街ローマは、「写真」と言うフィルターを通じて表現に差異が在り、この差異が観る方の興味・感心となるのかも知れない、と思っています。

末筆ながら、こころ良くギャラリーをご提供頂いた友人のアッレサンドロ氏に深謝申し上げます。

                               前回と同じものですが、再掲載します。
            写真展示会場入口に飾ったポスター&
            イメージの句です。〔左から2番目の額〕

             ”天高く 理想も高く 秋の空” 元鷹

              

           写真展のコンセプト
              CARPE DIEM ”時を掴め”
              玄関敷き/会場に敷きました
              ※写真タテヨコ調子が儘ならず
                  ご免なさい!


           デジカメラ ローマの街角 如何に観る

                             元鷹   

2015年11月17日火曜日

第421話 ブログ DE 元鷹写真展

ローマは、11月に入って連日太陽がサンサンと輝く良い気候に恵まれております。さて、今日は前回ご案内しました写真展に纏わるお話です。

11月06日(金)夕刻6時には、写真展の幕を開けることができました。
早いもので今日17日(火)で、開催12目に当ります。あと4日を残すのみとなりました。

大変感激したことには、会社の同僚が出勤前に、或はお昼休みを使って
写真展の観賞に来てくれたことです。このような展示会は初めてでしたが、お客様の居ない空間で一人待つのも、多少辛いものがあることを学びました。

また、20年来のローマの友人も駈けつけてくれて、励ましの言葉を頂く事が出来ました。多くの皆さまに只管感謝であります。紙上(?)を借りて厚く御礼申し上げます。

新企画??です。第421話では、写真展の一部を皆さまにご覧戴きたくタップリと写真展の写真?!をとくとご覧下さいませ。

ギャラリー入口には、①ポスター②句
            ③風景写真 と続きます。

            

            EURの桜、コルソ通り(2011年12月)
            街角の小噴水?

人物コレクション
            左下には、スーパーマン?も・・・。

自然コレクション
            左から、テルニの滝、アッピア・旧街道、
                 ネットッーノ海浜


              瞬間 シャッターチャンス 運任せ
                               元鷹 

2015年11月5日木曜日

第420話 写真展を開催します。

ブログを継続してきたお陰もありまして、4年以上に亘って撮影した記録は5,000枚以上に上ります。毎回のブログには、平均ですが3枚添付を原則として来ました。

ですから、数えたわけではありませんが今日のブログ掲載までに、
1,200枚程度は、文章と共に載せているものと考えられます。

さて、トリノ通りからガレリア≪V/オルランド通りへ抜ける回廊≫に在る
カメラ店主の友人アッレサンドロ氏のお誘いを受けることが出来まして、この度お恥ずかしながら、写真展≪個展≫を開催することになりました。

テーマは、「Carpe Diem」《今日、その時を掴め》、そしてサブ・テーマは「Spread Your Wings and let the world discover you !」《いざ、君の翼をひろげよ!されば、君の世にあらんこと知らしめん!》を挙げております。

個展の規模は小さいものです。日本の間取りで申し上げますと、さぞかし4畳半ほどのギャラリーです。写真は、A4サイズのものを20点、その半分のサイズのものを5~6点選びました。

決して、力作、佳作と申せませんが、私にとって想いでの深い懐かしさがこみ上げてくるもの特に選びました。さて、知人友人らから如何なる批評、コメントを頂けるものか、今から楽しみです。

☆期間 2015年11月8日(金)18:00~11月20日(金)18:00迄
☆お問合せ先 alibianca313@gmail.com
☆TEL      ++39-06-3899538471   

この期間にローマへお越しの方がいらっしゃいましたら、是非ともお立ち寄り、ご高覧賜ります様にお願い申し上げます。

また、イタリア/ローマにお住まいの方は、お気軽にご来場ご観賞戴けましたら幸甚に存じます。


            締めくくる ローマの滞在 ヴィジュアルに
                                 元鷹   

2015年11月3日火曜日

第419話 文化の日に想うこと

今日は、日本の祝日”文化の日”です。

幸いにも、この時期は秋晴れの好日が多かったように想い出されます。
今日の日本のお天気は、如何だったのでしょうか?

ローマは、今この時点で午前10時を少々過ぎた時間ですが、日本の祝日を祝うかのように青空が広がっております。

私にとりましては、年間に数ある祝日のなかでも大変親しみのあると言いますか、響きの良い祝日であります。

日本を暫く離れている関係上かどうかは分りかねますが、ここ数日前より今日の”文化の日”なるものが、どんな意味を有するものか、”文化”とは何ぞや、などと頭を霞めるのです。

例えば、「文化」というイメージで想い出します言葉を書き出してみますと。文化センター、文化鍋、文化住宅、文化文明、文化的生活、文化人、
文化功労者、文化文政時代、文化的活動、文化的考察、文化クラブ、
文化人類学、などなどが浮かびあがりました。 

英語では、CULTURE《カルチャー》、伊語は、CULTURA《クルトゥーラ》、ラテン語では、CULTUS《耕作、手入れ、育成、教育、洗練、生活様式》などと説明されています。

語源は、どうも直感でしかありませんが、”耕す”ことに始まって、生活、技術、藝術、あらゆる分野・ジャンルで、結果、洗練され得ること、人類の生活向上の役に立つこと、等々のことを示唆するものだろうか、と思えるようになりました。

”文化”を愛する国民の一員として生まれ育って良かった、と今日は感謝をしながら、日本の味を噛み締める一日にします。そして、皆さんでこの素晴らしい祝日”文化の日”をお祝いしたいと思います。


          文化の日 故郷想い 寿司食らう
                            元鷹   


2015年11月2日月曜日

第418話 諸聖人の日

11月1日(日)は、イタリアの祝日”諸聖人の日”です。
この祝日は、どんな日であるのか余り関心を寄せずに居りましたところ、先日、曰く因縁を伺いましたのでメモ替わりに書いてみます。

ちょっと耳慣れない祝日の名前ですが、イタリアに長く住む知人の説明に依れば、年間を通じて毎日カレンダーには、誰誰の聖人の日と定められているそうです。

しかし、聖人《サンタ・サント》は、数100人、数1,000人?にのぼり、カレンダーに収まり切れない聖人をお招きする特別な1日に為るのだそうです。

まあ、何と合理的な考え方があるものだ!と門外漢の私には真に愉快な想いのするフェスタ《祝日》ではあります。

更には、翌日の11月2日は毎年”死者の日”と呼び、ご先祖様のお墓参りをする習慣があるようにも親しいイタリア人から聞きました。
まあ、日本のお彼岸の日のお墓参りと同じような様なことですね。

今年の諸聖人の日は、生憎と日曜日に重なった為、連休または飛び休とは行かずに残念がったイタリア人もここに住む外国人もホゾを噛んだかも知れません。
          ※写真は上記の文章との関連性はありません
シチリア島パレルモのCATTEDRALE
            2013年9月に訪問しました

 神聖ローマ帝国とノルマン・イタリア王国 
              継承者だったフェデリコⅡ世が眠る墓
                  《1194ー1250、55歳没》

            
              合理的 諸聖人が 一堂に
                             元鷹
 

2015年11月1日日曜日

第417話 音楽祭本番の合間に

昨日も今日もローマは、温かい気候に恵まれ秋日よりを楽しみました。

先日30日(金)には、ヴァチカン国際音楽祭の千秋楽としてのプログラムのひとつの演奏会が、サン・パオロ・フィオレ・レ・ムラ聖堂〔ヴァチカン市国4大聖堂の一つ〕にて開催されました。※同日21:00から

私は初年度の2013年には、西本智実指揮によるベートベン第九合唱付にバスメンバーの一員とて、翌年2014年には同指揮者によるG/ヴェルディのレクイエムの合唱(バス)メンバーとして参加しました。
そして、本年も2014年と同じ曲目でしたが、やはり西本指揮者に依って演奏されました演奏会に出場することが出来ました。

聖堂会場は、おおよそ1700名位の聴衆者で、ご招待客を含めてですが、ほぼ満席状態になっておりました。これまでの演奏会では、一番恵まれた天候の下、多くの聴衆者をお迎え出来ました。

地元に詳しい、とある日本女性の言によりますと、「金曜日の夜の演奏会は、参加率が高くなります。」とのことでした。勿論、入場無料という大きなみ力も含めてのことかと思いますが。

合唱には、日本各地からの参加者がおおよそ100名位でした。
そして、地元ローマのベテラン合唱員が40余名ほどだったでしょうか。

さて本番の演奏会時間の6時間前にはゲネプロ(プロバ)が、同聖堂ステージにて実施されました。実質90分位だったかと思いますが、無事早めに終了しました。

今日のテーマ《音楽祭本番の合間に》は、この聖堂裏側にありますBARの敷地に咲いていた何とも優雅なカタチ《ラッパ型》をして、周りの色彩にも馴染んだ色合の花に、私は演奏会前の緊張をほぐして貰うことが出来たのでした。

バール《BAR》のバリスタに花の名を訊ねても「分らない。」と素っ気ない返事が返って来ました。毎年10月、11月に花を付けるが、中々いい香りであることなどを強調しておりました。

成程、そのラッパ状の花の開いているところに顔を近づけますと僅かですが、甘い香を味わい納得することが出来ました。

家に戻ってから、ネットで調べてみますと、「エンジェル・トランペット」と言うことが、分りました。正式な学名では無いかも知れませんが、この名前には、ナルホド上手いネーミングではないだろうかと感心して仕舞いました。

サン・パオロF・L・M聖堂上空の夕陽に舞う
            ムク鳥の一群

見事なラッパ状の大輪を咲かせて
            お客の眼を惹く「エンジェル・トランペット」


            
近づいて撮影してみました
             花に鼻を近づけて香りを楽しみました
             DOLCI《ドルチ》でした!


            バールの花 カタチが愉快 香味わう
                                元鷹