2012年6月29日金曜日

サッカー熱

改めてイタリア人のサッカーへの情熱振りには驚きました。

昨日28日午後8時45分から、ヨーロッパ選手権のセミファイナル〔ドイツ対イタリア〕が、テレビ
放映されました。共和国広場のバールは、心にくい演出をして多くのお客様を集めていました。
風の通りの良い共和国広場に面したスペースに席を用意して、バール入口の上に大型液晶テレビを設置してのサービスです。イタリア代表の勝利を願ってでしょうか、玄関左側には国旗を飾って
テレビ中継を楽しむお客様を盛り上げていました。

さて、私の住む界隈では、いつもの通勤道路に面したトラットリア”IL SOLE”は、なんとなんと、
お客様が一人もおりませんでした。ガランとした店内に目を遣れば、観る人も居ないなか小型TVがつけぱっなしになっていました。

お店の若旦那は、商売はそっちのけの様子で、「イタリアが2点取っている。もう優勝したようなもんだ!エエエッ!」と啖呵を切っていました。私は、一言だけ、SPERIAMO!〔そうだといいね。〕と愛想返事をして、家路を急ぎました。アパートに近づきますと、いつもは賑やかな中華料理屋”ドラゴン”は、これまた不思議とお客様の姿は全く見えず、ご主人と思われる親父さんが下向き加減で帳面に眼を通しているようでした。

試合は、2対1でイタリアが、ドイツを破った結果となりました。開放した我がアパートの窓からは、
クラクションを鳴らす騒音がドット入ってきました。




           6月28日〔木〕21:20頃、共和国広場にあるバールで
           涼みながら、飲みもの片手にサッカーTV観戦を楽しむ

           我忘れ 暑さ忘れて くぎづけに          元鷹
             

2012年6月28日木曜日

オペラ ”真夏の夜の夢”

連日の真夏日のようなローマにあって、正にピッタリなオペラ演目のネーミングです。
本当は、6月下旬ですからまだまだこれから暑くなってくるはずですが、W/シェイクスピア原作
の”A MIDSUMMER NIGHT’S DREAM”に涼を求めて、さあローマ・オペラ劇場へと向かった
次第です。

予約が4日前と遅かったこともあり、またそれ以上に財布との相談もあって、結局は”パルケット”
≪ボックス・ます席/4人入場可能≫を選択しての観劇と相成りました。
初めての体験でした。早い順に好きな席〔椅子が用意されています〕を選べると聞いていました
ので、少々早くボックスに入りました。するとどうでしょう?イタリア人男性〔40歳くらい〕が、既に
着席していました。2番目にボックスに入った私は、迷いました。残った3席の中、どの席がいい眺めを得られるのだろうか?と。長考の後、イタリア人のお隣〔左前席〕に落ち付きました。

開演15分前に、残った2席には、ドイツ人の老夫妻が入場してきました。ボックスの後方です。
”ウーム!?”どうしたらよいものやら、困りました。ここのボックス席は「早いもの順」と言う
冷厳な鉄則が、在るにせよ、現実としてこの狭い部屋空間で、イタリア人男性も、私も、揃って
席を交換するのが、マナーなのではあるまいか?果たしてどうしたものか、と思い巡らせながら
”そこから舞台は見えますか?”と愚問を発してしまいました。相手はドイツ人カップルでしたが、

”ご心配なく、有り難う!”と言い放って、大変冷静でした。私のお隣さんのイタリア人は、ただただ
押し黙って、静かにしていました。〔ウーン、なんと悩ましい席を選んでしまったものか?!〕と
後悔の気持ちが強くなってきました。やっぱり多少高くてもこのようなことで気が散ることのない
1階のプラテア席を選ぶべきだった、のではと。私の”真夏の夜の夢”となってしまいました。


               TEATRO DELL’OPERA DI ROMA〔ローマ・オペラ劇場〕
               正面右側に掲示されたポスターです。英語の題目が、ここでは
               新鮮に映りました。六月二二日撮影。
               
                  
               イタリア三大歌劇場のローマ・オペラ劇場正面玄関です。
               イタリア国旗が、何時も風に棚引いて美しく感動的です。

               水無月の 夏の夜の夢 第二幕         元鷹
   
                ※ オペラは、三幕までありました。

2012年6月27日水曜日

愉快な食事会 アッラ ロマーナ

イタリア人との会話には、そろそろ”夏休み”の過しかたの話題が、入ってくるようになりました。
7月、8月のバカンスは、クリスマスの過しかた同様に大変重要な年間行事のようです。

今日は、合唱仲間との食事会《昼食会》が、メトロA線BALDO DEGLI UBALDI 駅から徒歩
5分位に位置するイタリア料理店「LA PIEMONTESE」にて開催されました。およそ50人くらいの
参加者だったでしょうか、ワイワイガヤガヤ楽しい会食会が始まりました。

因みに”アンチ・パスチ”だけでも7皿位サーブされて、お腹が膨れてしまうほどでした。
おまけにワイン《白》も飲み放題でしたから堪りません。ワインもお魚類の前菜も、周りの方と
どうぞ、どうぞとお皿を回してアッと言う間に平らげてしまいました。

プリミ・ピアッチ(第一の皿)、セコンディ(第二の皿)が、終わった頃には、主催者の役員の方が、
手配宜しくポータブル・オルガンをアレンジして下さって、満腹のお腹を押さえて、否、なだめて
参加者で合唱を始めました。

歌った曲目:「NABUCCO」(イタリア第二国歌と呼ばれています/G/VERDI作曲)
       「O' SOLE MIO」、「SANTA LUCIA」、「FUNICULI FUNICULA」、
       「INNO DI MAMELI」(イタリア国歌)、「故郷」(日本語で、今や合唱団の持ち歌です)

やれやれ終了は、なんと午食後4時を回っていました。午後1時30分頃から、始まった昼食会は、
なんと2時間30分に及んだ次第です。たっぷりと食べさせて頂きました。

ふと気がつけば、この昼食会で互いの健康を喜び合い、長い長い夏休み≪FERIE≫を互いに
楽しみましょう!また、9月に元気にお会いしましょう!!と言う意味合いをこめての集まりだった
ことに、思いが至りました。

成程、バカンスの国の諸先輩方々のお洒落な食事会は、楽しく、かつ愉快な訳であります。
それでは、皆さま ”BUON VACANZA !” をお楽しみ下さい。


               写真左下に見えるポータブル・電子オルガンをマエストラが
               直々に演奏して、参加者全員での合唱が始まりました。



お隣の宴席から、お声が掛かって、ぜひ「オー・ソレ・ミオ」を
     歌って欲しいと頼まれて、N子さんと二人で、出張?して歌いました
 宴席では、お祝い会を楽しんでいました。いつの間にか 
       合流してしまいました。イタリア人は、元気よく一緒に歌います。

歌が好き 仲間で歌う 「故郷」を     元鷹 
            

2012年6月24日日曜日

バルカッチャの噴水

今日も茹(う)だるような一日でした。ローマの6月は、こんなに暑かったのか、と首を傾げたく
なるような毎日です。と言う訳で、ここ数回とも噴水を取り上げたわけではありませんが、市内
散策は、噴水を眺めずにはおけないくらいの感動の噴水が、ローマの至る所に在ります。

さて先週16日、スペイン広場周辺を歩いてみました。これまでも何度も歩いているよく知られた通りですが、スピードを変えて歩いてみますと、また新たな発見をすることがあります。スペイン広場の中央には”バルカッチャの噴水”が、横たわって(この表現がピッタリする位の存在感があります)います。1627年ごろにピエトロ・ベルニーニが、設計したと伝えられています。又、その息子ジャン・ロレンッオ・ベルニーニが、協力して作った噴水であるとか、諸説が幾つもあるようです。

スぺイン階段は、映画「ローマの休日」で全世界に知れ渡り、ローマの名所のNO.1(統計はありませんが)となりました。その階段下にある「バルカッチャ」(ぼろ舟)のデザインをした親しみのある噴水が、多くの旅行客を魅了しています。

”バルカッチャの噴水”の名前はバルカッチャ(ぼろ舟)でも、スペイン階段より100年位早く作られて、今や400年近くもローマの名所旧跡として、また世界から訪ねてくる旅人にオアシスの場として
脈々と人気を保っているのですから、最早”ぼろ舟”とは言えません。


               なんとなく親しみやすさを感じさせる”庶民派”タイプの噴水です。
               舟の周りに陣取った旅行者は、なかなか席を空けません。


               噴水手前から、トリニタ・デイ・モンティ教会、スペイン階段を撮影。
               イタリア国旗が中央に飾られて、その下には違ったデザインの旗が
               4枚飾られていました。この日、イベントが開催されたのでしょうか?

               満杯に 水を飲んでも 浮かぶ舟        元鷹

2012年6月20日水曜日

”CHIUSO”(キウゾ) のお話し

イタリアは、「CHIUSOの国である」とは、H氏《元在伊日本国全権大使》の書かれた本の
一小節にあります。日本国を代表された方の言葉です。以来四半世紀の時間が経過しておりますが、さすがイタリアの首都ローマです。殆ど変わりは御座いません。

昨日のようなかんかん照りのなか、今日は初めて”国立楽器博物館”を見学に出掛けて参りました。ローマ四大教会のひとつ「サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂」の在るメトロA線サン・
ジョバンニ駅から、徒歩8分位の所に位置しています。ポプラ並木の下、爽やかな風に頬を撫で
られながら、心地よい気持ちで真っ直ぐに歩きました。

「国立楽器博物館」は、サンタ・クローチェ・イン・ジェルザレンメ聖堂の正面左側にある入口から
アプローチがあります。やっとのことで、正面玄関に着きますと、門扉は閉ざされていて、直ぐ傍に
係り員と思われる女性《SIG.RA》が、携帯電話をしながら、右手を大きく振って、”CHIUSO(閉っている) !”、”CHIUSO!(閉っている)”と、盛んに叫ぶのでした。

成程、鉄扉は閉ざされていますから、何らかの理由に依って閉館しているのは分かるのですが、
兎に角、例によって、不親切極まり無い態度です。「早く立ち去れ!」とばかりに右手を振っては、
「閉鎖をしているのに、この客は、しつこいぞ!」とばかりに、只単に”CHIUSO !”を連呼する
ばかりです。全く困った係りであります。この炎天下に態々訪ねた博物館の係員に、この仕打ち
は、戴けません。サービス精神の欠片もありません。

切り返して、訊ねてみました。”年内には、開けるのかね?”と。すると、彼女曰く、”そうだといいのですが?”とポツリと返答がありました。客を客とも思わないこの不遜な態度には、これまで何度も遭遇してきましたが、なんともはや、”PAZIENZA”(がまん)あるのみです。ローマに生きるためには、”PAZIENZA”を身にまとわなければならないのです。

「嗚呼、ローマよ、イタリアよ、”CHIUSOの国よ!”」

銀行で、レストランで、博物館で、そして如何なる公共施設でも、いつ何時”CHIUSO”(閉鎖中)の
看板が出ていても驚かずに対応しましょう!{CHIUSO}の国ですから、”PAZIENZA”が肝要です。


                      メトロA線”サン・ジョバンニ”下車、サン・ジョバンニ・イン・
               ラテラーノ大聖堂正面にあるポプラ並木道を8分位歩きます。

                
                国立楽器博物館入口の近くにあった紹介看板です。
               左は、バルベリーニのハープでしょうか?右は、世界
               最古のピアノでしょうか?   

                  
                     
               この長いコリードリオの中央に正面玄関があります。
               余り知られていない博物館ですが、音楽・楽器に関心の
               ある方には、必見の博物館ではないでしょうか?

               ワクワクと 訪ねるところ ”キウゾ”なり     元鷹

2012年6月17日日曜日

トリトーネの噴水

今日〔6月16日〕は、気温も大分高くなって、噴水見物には格好の日和となりました。
”トリトーネの噴水”は、バルベリーニ広場中央に位置して、トリトーネ通りに向かって
聳え立っています。後ろ側はバルベリーニ通りを従え、正面を横切るように左側には、
システィーナ通り〔スペイン広場へ続く〕、そして、その右側にはクワットロ・フォンターナ通り
が、そして後方左側には、ベネト通りがあります。

ローマの噴水を代表するこの噴水は、235代法王ウルバヌスⅧの命を受けて、
バロック彫刻・建築の巨匠ジャン・ロレンッオ・ベルニーニ〔1598~1680〕が、1642年
・1643年に創ったと言われています。ホラ貝から大空に向かって,吐き出されてくる
滝のような水の連続を見るだけで、暑さを忘れ、ここち良さを感じさせてくれました。

「ローマへ行ったことのある方は、きっとバルベリーニ広場にも行かれたことがあるだろう。
そこには、ギリシャ神話に出てくる海神トリトンがホラ貝を吹いているところをかたどった
噴水があって、その貝からは、数メートルばかりも高く水が噴き出しているのを見られたに
ちがいない。」(原作アンデルセン、文語訳森鴎外、口語訳「即興詩人」安野光雅作、
山川出版社18Pより引用)これは、有名な”即興詩人”の第1章を飾る最初の語り口の
一部です。あの壮大な物語は、この”トリトーネの噴水”から始まったのです。

ベネト通りの入り口には、ハチの噴水、すぐそばには骸骨寺《正式名サンタ・マリア・デッラ
コンチェツィオーネ教会1626年創設》があって、なかなかユニークで面白い遺跡が楽しめます。


              雲ひとつない大空に向かって、ほとばしる水が旅人に憩いを
              与えます。今年で、創設378年目になります。これまでどの
              くらいの旅人が、この噴水で憩いを味わったことでしょうか?

              とわに吹け トリトン噴水 旅人へ         元鷹 

2012年6月11日月曜日

夏の風物詩

今年のローマの天候は、至って変わり易いというのが、周囲の人たちの声ですが、6月も半ばに
なって、いよいよ夏が本格的に来たかな、と思わせるほどに気温が高くなって参りました。

夕涼みの散歩でしょうか、ナツォナーレ通りは多くの観光客で、人の波がワイワイ・ガヤガヤと
賑やかに押し寄せて来ています。

私も夕涼み替りに、すぐ隣の共和国広場に出ている屋台〔フルーツ切り売り〕へ寄り道することに
しました。色とりどりに奇麗に並べられて、行き交うツーリストの足を止めていました。

店主に許可を貰って、写真を撮らせて戴きました。ホットしたところで、”切りピッツア”ならぬ、
”切りスイカ”〔立ち食いで、大き過ぎず小さ過ぎないサイズです〕のお値段は、1ユーロ〔約105円〕
と手ごろな値段です。咽喉の渇きをほど良く潤してくれます。これから暑さが厳しくなるなかで、このフルーツ屋台
は、バールとはまた一味違ったローマの風物詩の一役を担うことでしょう。

この夏にローマにお越しになられる愛読者の皆さんは、是非ともお試しのほどを。
勿論、チップは無用です。1ユーロを2~3枚ご用意下さい。何故って、美味しさの余り、
「おかわり」の時に困らないようにする為です。



               共和国広場、テルミニ駅寄りに並ぶ屋台
               6月10日〔日〕 20:40ころ撮影

               スイカ食べ 一息入れて マップ見る       元鷹

2012年6月8日金曜日

サクランボ

今、ローマは”サクランボ”が美味しいシーズンです。スーパーマーケットや、八百屋さんの店頭を
鮮やかな色で飾っています。

昨日は、会社の仲間から茶袋にいっぱいに詰まったサクランボを頂戴した次第。どっしりとした袋を手にしたとき、なんとも言えず、想わず笑顔を作るのに十分な感触でした。当てずっぽうですが、一キログラムぐらいの重さだったように感じました。

私は、余りフルーツは食さないタイプですが、なぜかサクランボには目が有りません。
果物は、嫌いではありませんが、一口でいいと面倒くさいのですね、皮を剝いたり、食べる時期を
はかったりすることに抵抗を感じてしまうからでしょうか。

しかし、サクランボはこの点、私にとって100点満点です。袋からざっと網カゴに入れて、水道水
で、洗うだけです。そして、5CMほどの花柄を軽く摘んで口にポイ、ポイと。物臭な私にも随分と
楽しめる果物です。

蛇足ながら、イタリア語では発音が難しいのですが、「CILIEGIA」〔チリエジア〕と言いますが、
通常は、その複数の”チリエジェ”と呼んでいます。英語では、「CHERRY」〔チェリー〕ですが、
”CHEER”〔チェアー〕がその原形では無かったか、と自分勝手に解釈しています。”元気を出そう”、”笑顔で行こう”、と言った意味を含んでいますから。全くの自己解釈ですから、念の為。

あれやこれやと綴りながら、傍らの”サクランボ”をポイ、ポイと口に運んでおりました。
甘くて、ほろ酸っぱくて、そして最後に大きなタネをポイと吐き出す一連の作業には、一種の”食べるリズム”があるように思えます。



                 網カゴいっぱいにサクランボの笑顔がこぼれます

                 サクランボ 口にポイポイ 放り込み        元鷹

2012年6月6日水曜日

白夜のテラスで憩う

いよいよ本格的な夏の始まりでしょうか。余りにも家の中で過ごすのが、勿体ないような気持に
なって、休みの今日は早めの”HAPPY HOUR”と決め込んで、さっぱりとシャワーをしたあと
テラスに移動して時間を過ごすことにしました。

まだ時間は、17時45分です。先ずはビールで乾杯!。おつまみは、夕方にお隣の乳製品屋で買ってきたばかりのパルメジャーノを3切ればかり。ビールの銘柄は、よく街中のバールやリストランテで見かける”PERONI”で、瓶入りを1本一気に飲み干しました。

まだ、この時間は明るくて、南の小高い丘の町並みが、テラスから望められます。最近になって、やっとわかったことなのですが、その遠くに見える丘の町並みは、「カステッリ・ローマニ」と呼ばれ、ローマ郊外の歴史のある街々を称して呼ばれています。

さあ、次は白ワインです。飲み掛けの”Fiano di Avellino"〔カンパーニャ州〕を手元に寄せて、いや、抱えてと言うべきですネ、グイグイと。これは美味い!さすが、DOCGだけのことはありました。
カンパーニャの白ワインには、傑作が多いような気がします。〔「キリストの涙」も旨い!〕

テラスから臨む青い空、白い雲、そして天空を自由に飛交う小鳥たち。それらの景色と遠くにくっきりと姿を見せている「カスッテリ・ローマニ」の家々は、私の心を癒してくれる最高の「一幅の絵画」のようであります。


                                         アパート・テラスから南の方向を写真に収めました。
               丘陵の町が見えないのが残念!です。童話作家の
               アンデルセンもローマ郊外の”カスッテリ・ロマーニ”
               あたりを旅した模様です。〔作品”即興詩人”より〕

               真っ青に 小鳥飛びかう  夏景色         元鷹

                  



2012年6月4日月曜日

亀の噴水

夏日の下、風に誘われるかのように去年から是非直に観たいと願っていた”亀の噴水”に足を運んでみました。目標は、あの巨大な建造物”ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世記念堂”の建つヴェネツッア広場です。

マルチェッロ劇場通りを歩いてすぐにモンタナラ通りに入り込んでみれば、もう近代のローマ市内を
忘れ、まるで中世のローマに迷い込んだような錯覚を感じさせられるような住居群が現れて、驚かされた。自ずと足取りは遅くなって、全く自分の勘だけで、ひと通りの少ない細い道を進むことに。

しかし心配をよそに直ぐにマッテイ広場に建つ”亀の泉”が目前に現れてきました。なんと繊細なデザインをした噴水なのでしょう!ローマに来て、毎日のように観てきた噴水のカタチとは、全く違った印象を受けました。一体この噴水のユニークさは、どこからくるものであろうか?
研ぎ澄まされた意匠の原点は、どこからくるのでしょうか?何ともはや、エレガントであり、噴水の構成美のオーセンティックさを感じました。

噴水のデザインは、ジャコモ・デッラ・ポルタが担い、フィレンツェの彫刻家のタッデーオ・ランディーオの作によるもであるとされています。又、他にもいくつかの説が在るとも言われています。
ジャコモ・デッラ・ポルタは、ローマの多くの噴水を作ったことで有名ですが、他には、サン・ピエトロ大寺院のクーポラを完成させた建築家として、また或は、16世紀の反宗教改革の旗手ジェズ教会のファザードを設計した建築家として有名であります。

ジェズ教会には、私たち日本人には馴染の深いフランチェスコ・ザビエルの祭壇が設置されており
彼の右手か、左手か、納められていると、ものの本に紹介されています。ローマの泉は、このように調べてみますといろいろなことに発展・つながりが出てくることが多く、一筋縄には参りません。

一体、日本人もカメを好む国民ですが、イタリア人もカメには一種独特の印象・捉え方を持っている国民であることは、間違いがなさそうです。


               ピアッツア・マッテイにある亀の噴水、全景               

               
               青年像4体の頭上には、後年になってカメが取り付けられた

               
               青年像、亀はブロンズ、中央の大理石はアフリカから採掘されたもの

               イタリアの カメの噴水 縁起もの    元鷹