2014年11月17日月曜日

第296話 ピラミデ辺り


七大聖堂巡礼は今年のテーマですが、あと二聖堂を巡るのみとなりました。そのひとつサン・セバスティアーノ教会を訪ねることにしたのです。

道順は、テルミニ駅からメトロB線にて「ピラミデ駅」下車、バス118番に乗り換えると云うものです。先週14日《金》のことでした。ショーペロの話を聞いてはいましたが、大分のバスは走っていましたから、大丈夫だろうと目検討で出発したのですが・・・

行き先を経由するはずのバス118は、40分位待っても来る気配もなく待つ客も1名の男性だけでした。これは、アカンナとばかり、それならこの周辺を散歩してみようか、と気持ちを切り替えての行き先変更でした。

ピラミデ周辺には、イギリス人の墓地があると何かの本で見ていましたから、お天気も上々でしたからボチボチ出かけてみることにしました。

ピラミデ《ピラミッドのこと》を撮影した後、10分も歩くと墓地は見当たらず
気になった建物にぶつかりました。大通りのマルモラータ通りから、左折したVia Galvani《ガルヴァーニ通り》を歩いて100mも歩かない位の左手にあった建物です。

取りたてて珍しい形をしているわけではありません。玄関近くに掲示された案内文字”EDMONDO DE AMICIS”がググイィーと私の眼を惹き付けたのでした。

と申しますのも3年前に古本屋さんで購入した「CUORE」というイタリアの古典的な良本を一度はほっぽり出していたのですが、イタリア語学習の一助にと二たび三度と机脇に置いている毎日だったからでした。

因みに今し方調べてわかったのですが、日本でも有名な”母を尋ねて
3千里”という話は、この本”クオレ”の話の一部が源であったそうです。
作家は、エドモンド・デ・アミチスといい1886年に書かれたものです。

さて、その後どうしたかと言いますと、玄関近くにいらっしゃったご婦人に
挨拶をして聴いてみることにしたわけです。

この建物は、E/デ・アミチスの博物館でしょうか?と。ご婦人に中に入っても宜しいものか否かを伺いますと、ご親切にも仲介の労をかって出てくれまして受付掛かりの方に縷々聴いてくれたようでした。

結果、ダメ!だったのですが、受付の人の優しそうな男性は、何処からか
絵葉書《デ・アミチス生誕200年記念スタンプ付》を持って来られて、私に
差し出したのでした。

予想外の展開に驚きながらも、我が愛する「CUORE」本を書いた作家の
記念ハガキを手にした時の大感激は、筆舌に尽くし難いものであります。

私は、帽子を脱ぎ深々と頭を垂れて腹からの御礼を申し上げてお二人の前から離れたのでした。その時に聴いたお話しですと、その建物は眼と歯に関わる学校《専門学校?》であるとのことでした。

うれしく、そしてはやるこころ持ちを抑えながら、そして一見の外国人《私》への優しいおもてなしをしてくれたイタリア人のこころの広さに感激しながら、私はポプラ並木を散歩しました。

本の題名「CUORE」とは、”こころ”というイタリア語ですが、なんとも心温まる接遇を頂いた素晴らしい午後でした。頂いた絵葉書は、その日から私の大切な宝物となりました。

                               ローマのピラミデは、古代ローマ法務官
            カイウス・ケスティウスの墓、高さ27m。

            
建物には石版がはめられていた。
            "EDMOND DE AMICIS"の文字が・・・

            
マンリオ・ジェルソミーニ広場から
            M/ジェルソミーニ通りを望む

            
読書中の本「CUORE」の表紙ですが、
            横になったままで失礼します。

            
一見の私にプレゼントして頂いた
            生誕200年記念ハガキです。


            ピラミデに 優しさクオレ 生きている

                                元鷹                
                

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