2012年12月18日火曜日

ボルゲーゼ美術館

ローマに住んでみると実感することが時々あります。それは、歴史が作った有形の文化遺産であり、歴史という時間そのもが在ったという無形の空間的遺産であります。

このローマの印象或はローマの街並みを、「ROMAの蜃気楼」と勝手に名付けて、楽しんでいます。

世界から訪れます殆どの観光客と言ってもよいでしょうか、ローマに在る遺跡、例えばサンピエトロ大聖堂を見て、コロッセオを見て、そしてトレビの泉を見て、驚愕し大感激してしまうのであります。そして勿論、私もその中にひとりなのですが。

紀元前からの建造物から現代までの建築物を同じ街中(空間)で見物できる都市は、世界中をみてもなかなかあるものではないと想像します。この「今昔混在のヴィジュアル体感」こそが、ローマという都市のもつ特性なのかも知れません。

さて今回のテーマは、”ボルゲーゼ美術館”です。人間が、先人が、ここまで芸術をする(変な言い回しですが)とは、と思わず唸ってしまう彫刻や絵画が、このボルゲーゼ美術館の中には在るのです。
(何度訪れましても、ただただ感動するばかりでありますが・・・)

17世紀前半に、シピオーネ・ボルゲーゼ(枢機卿であり、ベルニーニの後援者だったと言われます)が
夏の別荘として造った建物だったそうです。20世紀初の国立美術館になった伝えられています。
1Fには、彫刻作品が、2Fには絵画作品が展示されています。

特に彫刻作品のファンには、お薦めの美術館だと思っています。(尚、入館には事前の予約が必要です。)ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの彫刻作品の数々には、度肝を抜かされます。大理石が、まるで飴細工であるかのように錯覚させられるほどです。ただただ数々の作品の美に感動し、驚き、仰ぎ見るだけです。

美術館を出た後には、広大なボルベーゼ公園敷地での散歩が”美の酔いさまし”にうってつけです。
美と自然をこころから楽しめる魅力的なところが、ボルゲーゼ公園には詰まっていると言っても過言ではありません。



                    左の小片は、入場半券です。
                    ティツァーノ絵画「聖愛と俗愛」一部コピー。
                    水色は、パンフレット表紙です。


                    蜃気楼 至るところに 美の天音     元鷹

                                

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