何度も書いてしまい恐縮なのですが、ローマの今年の夏は、猛暑続きだったこともあって、昼に夜に寝苦しい日が続きました。
しかし、寝苦しい故にベッドでの読書時間が平年より増えたことは、ある意味では思わぬ収穫だった、と言えるかもしれません。
つい最近読み終わったばかりの本は、タイトル書きの「ミラノ 霧の風景」
須賀敦子著でした。元々、記憶に間違いなければですが、前回のローマ滞在中に、手に入れたものです。
日本でも読み返して、なお且つ今回4年前に自宅の小さな書庫から、携えて,態々ローマに持ってきた本の1冊です。
須賀敦子さんの書いた本の全てを読破しているわけでは有りませんが、私にとっては、ごく自然に親しみを感じさせる文体、文章は、読後に一種の清涼感を与えてくれるのです。
作家須賀さんは、イタリアに10有余年の歳月を過されし後、日本へ帰国か〔1971年/S46〕されて上智大学等で教鞭をとられたそうです。
1990年(H2)に初めて発表した作品集が、ご紹介の「ミラノ 霧の風景」は、女流文学賞、講談社エッセイ賞を受賞した、と文庫本の表紙内側に紹介されていました。
私にとっては、平成10年から再度ローマに戻るまでの13年間に文庫本を読んでみたり、特集を組まれた雑誌などで氏の生い立ちから、活動などの知識を得ておりました。
また、いつでしたか年月は、全く記憶にないのですが、確かNHKだったように思うのですが、氏の生涯を見つめるTV番組を観たことが想い出されます。
アッシジ(イタリア/ウンブリア州にあるサン・フランチェスコ教会で有名)のことが、詳しく紹介されて居りましたが。氏は、ここでの取材をテーマに次の小説の題材をイメージされていたことなどが、解説されておりました。
さて、「ミラノ 霧の風景」では、12章に亘っていろいろな人物との出逢いが書きとめられています。中でも、現代作家のこと、イタリアの代表的な
詩人たちのことなどのことが最も興味深く楽しませてくれました。
将来、じっくりと須賀敦子全集を紐解く時間を持つことを今から楽しみにしております。
最初に出会った須賀敦子さんの著作
「ミラノ 霧の風景」白水社刊
私の大切な本の1冊です。
凛として 文体にみる 人の相
元鷹
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