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2015年11月2日月曜日

第418話 諸聖人の日

11月1日(日)は、イタリアの祝日”諸聖人の日”です。
この祝日は、どんな日であるのか余り関心を寄せずに居りましたところ、先日、曰く因縁を伺いましたのでメモ替わりに書いてみます。

ちょっと耳慣れない祝日の名前ですが、イタリアに長く住む知人の説明に依れば、年間を通じて毎日カレンダーには、誰誰の聖人の日と定められているそうです。

しかし、聖人《サンタ・サント》は、数100人、数1,000人?にのぼり、カレンダーに収まり切れない聖人をお招きする特別な1日に為るのだそうです。

まあ、何と合理的な考え方があるものだ!と門外漢の私には真に愉快な想いのするフェスタ《祝日》ではあります。

更には、翌日の11月2日は毎年”死者の日”と呼び、ご先祖様のお墓参りをする習慣があるようにも親しいイタリア人から聞きました。
まあ、日本のお彼岸の日のお墓参りと同じような様なことですね。

今年の諸聖人の日は、生憎と日曜日に重なった為、連休または飛び休とは行かずに残念がったイタリア人もここに住む外国人もホゾを噛んだかも知れません。
          ※写真は上記の文章との関連性はありません
シチリア島パレルモのCATTEDRALE
            2013年9月に訪問しました

 神聖ローマ帝国とノルマン・イタリア王国 
              継承者だったフェデリコⅡ世が眠る墓
                  《1194ー1250、55歳没》

            
              合理的 諸聖人が 一堂に
                             元鷹
 

2015年10月28日水曜日

第415話 エッ!もうナターレ?

26日(月)午後にピアッツア・ヒィーウメにあるローマ唯一のデパートに行ってきました。これと言った買物品が有った訳ではありませんが、時々メンズフロワーやB1にある家庭用品、雑貨日用品、旅行用バッグ用品などを下見するだけでも楽しめるのです。

お世話になったあの方この方へプレゼント品、或はギフト包装紙を観てみようと言った感じでフロワーを歩きまわりました。

幸いにもB1日曜雑貨品コーナーにラッピング用紙が飾られていました。
中に気に入ったデザイン、カラーのラッピングがあったので調達しました。
1ロール8ユ-ロでした。これだけの長さが有れば、結構使えるかな?!

いつも導線にあるスーツケース売場を見るのが常に為っています。今回もフランス製、イタリア製、ドイツ製などの商品を拝見しました。其々のメーカーに特長があって、甲乙つけ難しです。

でも、フランス製のバッグが良さそうに思えて、今後の買物時に参考にしたいと思いました。デザイン、機能性に優れた点がありました。

ところで、このB1には”NATALE”(Xmas)のデコレーションが、されていたのには、少なからず驚きました。未だ、10月下旬です。関連商品もチラホラと並べられていました。年々歳々、スタートが早まっているようです。

デパートを出た通りにもほんの数件ですが、ナターレの飾り付けを始めたお店を見て、もう季節はクリスマス商戦へ移ったのかも知れない、と頷いたしだいであります。
ラ・リナシェンテ百貨店B1家庭雑貨用品
            もうXmasディスプレイが、始まっていました。


               

            やはり百貨店近くの一般のお店
             家庭雑貨のお店でしたが、Xmas関連
             商品が展示されていました。


             過ぎたるは 孔子曰くや 今昔
                             元鷹  

2015年10月20日火曜日

第408話 生まれ変わるコロッセオ その1

いい季節となりました。女心(男心とも)と秋の空。毎日のお天気は、天気予報とは違って、非常に読み憎い日々が続いています。

それでもお天気が良い日は、何と言っても爽やかで気持ちが晴れる想いがします。其々の季節に恵まれている日本と同じようにローマの季節も素敵です。

私にとっては、この時期は”旅愁”のメロディーが朝に夕に浮かんでまいります。アメリカの作曲家オードウェイ、そして作詞は犬童球渓です。
秋の深まりと共に、♫ふけゆく あきのよ たびのそらの ♪と何処からともなく聞こえてくるようです。

さて、前回から随分と時間を空けてしまいました。
実は、またまたエンストならぬブログ・スト?に嵌ってしまいました!

8月にもお世話になったP/CサービスセンターにP/Cを持ちこみまして
ヒントを頂いたお陰で、やっと再スタートが出来ました。
ご心配をお掛けしてしまいました。恐縮至極であります。

いよいよ本論へ。
先週13日に所用???がありまして、コロッセオへ参りました。
相変わらずの堂々とした体格、否、建造物*体でありました。

側に建つコンスタンチヌス凱旋門からコロッセオを観ましたら、
なんん・・・とその右側中央辺りは、修復されてモダンなデザインに生まれ変わっていたことが分り、驚き感心した次第です。

そのような感慨を抱きつつ、古代ローマの代表的な巨大石造建築/円形
競技場”コロッセオ”のことをもっと掘り下げてみたい、という欲求に駆られて、トボトボと小雨のなか諸皇帝通りを一人歩き、ヴェネツア広場のバス停へ向かいました。

ここの部分は、メトロB線「コロッセオ」
            駅を出て、ほぼ反対側の位置となります。
            まん中右側をご覧ください。修復された
            箇所となります。


            
新しい顔を創りだしたコロッセオ(部分)
            アナボコばかりのコロッセオでしたが、
            モダンな今風のイメージを発信しています。


            コロッセオ イタリアの臍 ど真ん中
                               元鷹 

2015年8月23日日曜日

第383話 秋風の立つ

不思議とローマでも8月15日聖母マリア様被昇天の大祝日を過ぎてから、秋風が立つ今日この頃となりました。

朝起きる頃には,部屋の空気がヒンヤリとして、気持ち良さを感じております。ついこの間までは、ムシムシと暑くて往生しておりましたが。

スーパーマーケットでは、秋のフルーツが葡萄を筆頭に店頭を飾って賑やかです。その中で、そろそろ出番の終盤を迎えつつある夏の風物詩の代表格トウモロコシを今日は、取上げてみたいと思います。

6月下旬~トウモロコシをスーパーで見かけるようになりましたが、出初めの時季の味は、甘みもなく素っ気ないものでしたが、7月8月と猛暑が続いた頃のトウモロコシには、身も詰まっていたものが多く、美味しく戴けました。

日本では、例えば「未来」と命名された品種改良をされて、一段とうま味、甘みを楽しませてくれるトウモロコシがあることを想い出しましたが、ここでは、「品種改良」云々といった”カイゼン”は、ないように見受けます。

スーパーマーケットでは、どういったものか、常に1本当りの価格が、
1.08€ と設定されており、形・大きさはまちまち、よって重さもまちまちですが、同じケースに並べられています。(正確には、放り込まれています)
※1.08€ = 155円57銭位

ですから、その日の午前か午後の店だし時に、たまたま居合わせていたら、早いもの順で、お得感を得られる次第です。

さて、ツマラナイことですが、私はおやつ用にこの夏の間に、見かけますと、必ず2本(1.08€×2)を仕入れます。

家に戻って、出来るだけ早く皮(葉)を剥いて、茹でるのです。
1本は、出来たての熱いものを、残りの1本は時間を置いて、または翌日の朝食に供することもあります。

そんな、こんなで今年も楽しい自炊生活にトウモロコシは、夏を思う存分に感じさせてくれる我が家の「夏の”トモ越し”」なのであります。


この夏一番の旨いトウモロコシでした!
            塩をふってアツアツで汗を掻きながら
            食べました。



            茹であがり トウモロコシの 色や佳し
                                元鷹   

2015年8月15日土曜日

第379話 聖母マリアの被昇天の大祝日

今日の8月15日(土)は、聖母マリア様の被昇天の大祝日の日、即ち
国民祝日の日となります。

手元にある小学館の伊日辞書を紐解きますと以下のように説明があります。

ferragostoの祭り〔8月15日以降の約1週間〕の起源は古代ローマのアウグストゥス帝が自分の誕生日に因んで制定した Feriae Augusti〔8月1日の祭〕に由来する。現在ではキリスト教の  Assunzione〔聖母マリア被しょう天の大祝日〕で休日。

まるで日本のお盆のようなイメージを想い起してしまいます。
前号にて、”夏休み”のことに付随した事柄を縷々書いてみましたが、キリスト教の世界では、今日は聖母マリア様の被昇天の大祝日の休日の日であります。

キリスト教の世界を知らない私には、聖母マリア様が被昇天されること自体、どんな意味なのかも解からずにおります。

折角、長い間、聖地ローマに住んでいたのですから、多少の知識を吸収しなければと思います。

とは言え、本日8月15日(土)は、私どもの仕事はまことにもって”繁忙を極める”真夏の一日となりそうです。

明日からは、8月後半にはいります。秋へ向かって真っしんぐらです。
精々この蒸し暑さを体いっぱい受けて、来る秋冬へ力を蓄えてみたいものです。


          暑いとて 暫しの我慢 秋は来る
                           元鷹

2015年8月14日金曜日

第378話 夏休み中です!

日本はお盆の真っ最中ですが、ローマは夏休みのピークを迎えようとしております。町中を歩いておりますとシャッターを下ろして、何時から何時まで休みなので宜しく!と言った字書きが、B5サイズ程度の紙に書かれて在るのを目にします。
             
一般的には、商店、レストラン〔小型/中型規模のオーナー経営者〕などでは、この時期2~4週間の休みを取ることが多いのであります。

例えば、ローマの日本料理、寿司店などは、8月初旬~9月初旬の期間に2-3週間程度を休みにされているようです。 

さて、我々サラリーマン〔月給生活者〕は、どうかと言いますと,基本的には、国で決められた労働法に則り交代に夏休暇を取得するようになっております。

期間の長さで申しますと、最長はおよそ3週間〔幾つもの取得方法が有りますが〕程度です。日本で言うところの有給休暇取得への熱は、大変なものがあります。

一般に誰かれなく、”休み”へのチャレンジ?意欲は、到底日本人のサラリーマンには、真似のできない技であります。

日本では、新聞紙上に有給休暇の取得率が相対的に上昇してきたとか、育児休暇への取得状況などが、報じられています。但し、100%近い数字には程遠いように記憶しております。

もし、イタリアで同じ様な報道がなされるならば、さぞかし正反対の数字が出てくることでしょう。100%どころか、翌年度の休暇も申請し消化してしまった!と言ったような愉快?な話題が、出てくるに違いありません。

お国柄、土地柄、生活文化歴史の違いは、当然影響するものの、
”休む”と言うことへの希求心と人生を愉しむこころの在り方には、
少し学ぶところがあるように思えてきました。

自分をみつめる時間、家族と一緒に過ごす時間、近隣社会との触れ合う機会、趣味を楽しむ時間、等々切りが無いほどの仕事以外のことが、
人生の持ち時間を構成しています。

イタリアの長期休み/フェーリエの歴史は、古代に遡るようです。
この時期に長期休みを取ることは、たしかに理に適っております。

ラテン詩人ホラティウス〔前65~前8〕の残した”短いことば”こそ、
混迷の現代に生きる私たちの指針であるように思われてなりません。

          CARPE DIEM カルペ ディエム
         〔訳〕この日を掴め 次の日に信を置いたりせずに。



          人生に CARPE DIEM あればこそ
                  時を惜しみて 我生かす道  
                                        
                              元鷹 

2015年8月10日月曜日

第374話 LA BOHEME 観賞後編

前話より「カラカラ」を「カラカッラ」というように敢えてスペルに忠実に発音しております。お気づきでしたでしょうか?

何故なら、スペルは”CARACALLA”と書くからですが、近い読み方をしてみたいと思いまして敢えてーLLAの読み方を「ッラ」としました。。

第372話の中で、皇帝カラカッラとは渾名〔あだな〕であって、本当の皇帝の名前をマルクス・アウレリウス・アントニヌス皇帝のことであることをご紹介しました。

面白いことに”LA BOHEME”の主人公は、"ミミ"と呼ばれて本名は、ルチアだと歌っています。「私は、ミミと呼ばれています!」という歌いだしのリリアは、とても印象的でスーッと主人公ミミの心情に入り込めるかのような錯覚をしてしまうから、”ことば、詩の持つ力”には驚いて仕舞います。

オペラの会場カラカッラも、オペラ”ラ・ボエム”の主人公ミミも「渾名(あだな)」であったことは、物語〔ストーリー〕とは関係ありませんが、偶然の面白さを感じました。

オペラは、第一幕から第四幕まで続くのですが、舞台で繰り広げられた出演者らの歌唱力、躍動美、静と動、オーケストラ、衣裳美術等々、どれをとっても「感動」の一言でした。

オペラのおよそ2時間30分の間は、正に「夏の夜の夢」であり、暑さを忘れさせてくれた心地よい幻想の世界でした。

フィナーレでの出演者挨拶の場面
            ミミことルチアと指揮者

            

            会場に貼られていた演目のポスター


幕間のパウザ〔休憩時間〕
            バールで涼を求めるお客さま 

           
         盛夏の夜 ラ・ボエムのミミに 拍手起き
                                元鷹

2015年6月12日金曜日

第361話 EXPO D'ORIENTALE

ローマ市EURの池のある公園のある広場にて、EXPO D'ORIENTALE〔東洋博覧会〕が、5日から7日まで3日間開催されました。

方や”EXPO”と言えば、”食・FOOD”をテーマにした「EXPO MILANO」世界万博が、ミラノにて5月1日から始まりました。

ところで、テーマの「EXPO D'OIENTALE」は、日本の夏に各地の町村で実施する”夏まつり”のようなものですが、東洋の国々からの物産やカルチャーを紹介し、その国々の魅力を探るような意味合いが有るように見受けられました。

さて、日本コーナーでのイベントをご紹介致します。手元にプログラムのような書きものはございませんので、自分が眼で観たものを書かせて頂きます。

臨時に設えたステージでは、学生さんと思しき年代のイタリア人女性らがマイクを握って、POPな日本の曲を見事に日本語で歌っていました。感動しました。とてもハッキリした日本語でビックリしました。

また、同じ公園の一角では、合気道の模範演技が開催されていました。
また、剣道の支度をしたイタリア人も演技に備えて集まりつつあるような状況でした。

さて、重大発表です!元鷹が、イタリア・ローマ/エウルで、ソロ・デビュー
を果たしたのです。ステージは、ただ今紹介しました「ジャパン・コーナー」でした。曲目は、「’O SOLE MIO」、「CARO MIO BEN」の2曲でした。

そして、「知床旅情」を三人の麗しき日本人女性にお手伝い頂きました。
突然のことにも関わらずに、御参加頂いたHさん、Fさん、Yさんには大変助けて頂きました。この場を借りて御礼申上げます。有難うございました。

ところで、ソロ・デビューの結果は?どうだったのでしょう!?
それはもう、地獄へ真っ逆さまとは、あの時の気持ちを表現したものに違い有りません。音程は狂うし,歌詞は出て来なかったり???大失敗!

腹から思いました。ステージに上がることは、難しいチャレンジであることを。そして、普段の練習の悪いところだけが出てくるものであることも身に沁みて感じました。

さて、しょ気てばかりはおられません。これからの「歌う」活動をどうしたらいいものかを考えていたところ、ふとアイデアが沸き上がりました。

自分の声質、声域はバリトン、バスですが、これまで選んで歌ってきた歌曲は、更に高い音域のテノールに相応しい曲だった訳です。
ですから、一オクターブ下げて歌うことを今一度考慮せねばなりません。

いい勉強になりました。人前で歌うことの大変さと心地よさを併せて体験した機会となったのでした。お誘い頂いたFさん、Hさんに感謝します。


            驚くべきエネルギーの爆発!
            日本語で一所懸命に歌って会場を
            盛り上げてくれました。

            カンツォーネ やっと気づくか 自分流
                                 元鷹

        
            

2015年6月1日月曜日

第358話 屋台の西瓜売り 写真集

ローマの夏の風物詩〔屋台の西瓜売り〕は、やはりどのようなものなのか、
ご覧頂きたいと思いまして、店主アンジェロさんへ私のブログのことや、
日本の仲間や知人に紹介することを説明させて頂き許諾を得ました。

              5月30日20時30分ころ 共和国広場にて

           

            いつもお世話になっています
            店主のアンジェロさんです!

           
色々なフルーツが美味しそうに並べられて
            お客様の眼を惹きます
            冷えていて、暑さを飛ばしてくれるのです


            スイカ色 緑白赤 三色旗 

                             元鷹   


2015年5月31日日曜日

第357話 屋台の西瓜売り

皐月5月今日で終わります。ローマの季節は、日一日と盛夏に向かって、まっしぐらです。夏の始まりの風情を”屋台のスイカ売り屋”に感じております。

ずっと以前にもこのブログでご紹介しておりますが、今一度おつきあい願います。場所は、テルミニ駅近くの共和国広場の一角です。

5月後半から毎年同じ場所で展開されます。正式な呼称を知りませんが、
「屋台のスイカ売り」とでも名付けてみたいと思います。

販売の商品は、スイカの切売り〔一切れ1€〕ほか、メロンの切売り、サクランボまであります。営業時間は、朝10時過ぎから、夜半の23時前後と
おもわれます。

仕事が終わって、帰り道に寄り道して、冷えたひと切れのスイカを食べますと、疲れがスーッと抜けるように感じます。

この屋台が姿を消す頃には、朝夕に秋風が立つころになります。
今の夏は、何度立ち寄るのだろうかとふと頭を掠めました。


           風物詩 スイカ食べ食べ 石畳
                              元鷹 




2015年4月1日水曜日

第335話 エウルの花見

まず最初にお詫びと訂正を申し上げます。
  第334話と今回の第335話の中間に第228話を挿入させて
  頂きました。下書きに置いたまま、忘れておりました!

ポカポカ陽気に誘われて、「エウルの花見」を楽しんで参りました。
エウルとは、ローマの新地〔1930年代につくられた街〕の総称です。

この一角に人口池があって、湖畔河岸に日本からローマに贈られた
サクラの木々が植えられています。ネットで調べてみましたら、1959年
7月20日に当時の総理大臣岸信介が、記念植樹をしたと記録がありました。

このサクラ並木の一帯は、すなわち人口池の一辺を「日本の散歩道」と
名付けています。"Passeggiata Giappone"と地図には、記されています。

今日3月31日午後の時点では、ほぼ八分咲きと言ったところでしょうか。
今日でここを訪ねたのは、3回目となりましたが、何時来ても気持ちの良い景色と空気を味わうことができるのは、有難い限りです。

サクラの木を手入れされていた管理人さんに、”この一帯には何本のサクラがありますか?”と訪ねましたところ、”さあね、沢山あるね!”と素っ気ない返事が返ってきました。

さぞかし、空想ですが、1959年〔昭和34年〕に植えられた当時には、
池の周りに100本、200本のサクラが花を咲かせていたのかも知れませんが、今日観た限りでは、100本も無いほどでした。

それでも平日に関わらずに、池周辺には家族連れの人達が木の下でお花見を楽しんでいる姿が目立ちました。

今度の5日と6日はパスクワ連休です。ローマ市民、エウルに住む多くのイタリア人で、池の周りは混み合うことでしょう。

それにしてもローマ・エウルの「日本の散歩道」のサクラも、ワシントンD.C.
ポトマック湖畔のサクラ並木も、其々、現地の人達に日本を代表するサクラ、お花見の醍醐味を長きに亘って、楽しんで貰っていることは、ただただ
素晴らしい限りであります。


今盛りの「日本の散歩道」のサクラ並木

           
温んだ池からサクラを楽しむ?カメさんです。

            
サクラの木の手入れ作業中の人に
            聞いてみました。”サクラは、何本ありますか?”
            返答は”TANTI”(沢山、さぁ!)の一言でした。


            ローマの散歩 今日は日本の 散歩道
                                    
            サクラ花 幸いなり也 春を呼ぶ  
                                  元鷹

2015年1月1日木曜日

第305話 本年も宜しくお願い致します。

”ROMAの麗雅都だより”ご愛読の皆さまへ

旧年中はご愛読を賜りまして厚く御礼を申し上げます。
さて、新年のご挨拶をイタリア共和国ローマ県から
謹んで申し上げます。

日本との時差は、冬時間ですから丁度8時間ございます。
ローマは、ほぼ午前10時になろうとしています。

ローマは、寒さを感じるものの大きな太陽の日差しを頂き
穏やかな元旦の朝を迎えることができました。

一年の計は元旦にあり、と申します。
私は、今朝早く起きまして日本から持ち込んだ博文社製の
当用日記を開けて年頭所感を書きこんでみたところです。

今年の目標が、三日坊主で終わらないように
精々一歩一歩駒を進めてみるつもりでございます。

本年が皆さまにとりまして、お健やかな一年と
成りますようにご祈念申し上げております。

   カポダンノ 気持ち引き締め 日記書く

2015年 元旦

元鷹 氣涯

2014年12月27日土曜日

第303話 ローマ・テルミニのクリスマスツリー

今日(12月26日)は、サン・ステファノの日にあたり祝日であります。
昨日は、クリスマスでしたから2連休の祝日休みとなりました。

しかし、多くの観光客で市内の観光名所は何処も溢れかえっております。
年末の風景を全3回にわたりご案内したばかりですが、やはりテルミニ駅の構内に飾られた愉快なクリスマス・ツリーも追加させて頂きます。

既に毎年このブログでご紹介した参りましたから、覚えていらっしゃる方も多数いらっしゃるかも知れませんが。

”愉快なクリスマス・ツリー”のその訳は?

飾りものは殆どなく、駅の利用客が思い思いに自分のメモや、煙草の空き箱などを使ってサンタ・クロース(Babbo Natale)への訴え、希望、願いを書き込み、そして自分でモミの木に取り付けるだけです。

暇にまかせてぐるっと一回りしてみましたが、流石にローマ・テルミニ駅です。世界からローマに来られた利用客が、自国の言葉で綴っているのが
微笑ましく思えましたが、日本語でのメモ書きは、見当たりませんでした。

面白いのは、駅構内に設置されたクリスマス・ツリーですから、簡単でも
ツリー設置の曰く因縁とか、使い方を紹介する看板などがツリーの側に置かれてもよさそうなものですが、そのようなサービス?は一切有りません。

これもイタリア人気質なのか、このような流儀なのか、素っ気ない処が面白いのかも知れません。”書くも書かぬも旅人にお任せします!”と云うところでしょうか?

えっ!?これは何。
                 お客が作るクリスマスデコレーション?
                 下の写真をご覧ください!

                 
ツリー全体をご覧戴くとメモの数の凄さが
                 お分り頂けるかも知れません。
                 セルフサービスです。御参加されますか?


                 テルミニで 七夕さまを 想い出す
                 天の川なら 電車要らぬもの

                 夢希望 サンタに頼む 気は同じ
                                    元鷹

                             

2014年12月26日金曜日

第302話 ローマの歳末風景 その3

クリスマス当日の今日25日は、聖夜♫ならず”サイレント・デイ”と言っても良いようなまことに静かな日となりました。昨日と同様に空はドンと重く普段のあのローマの青空は影を潜めていました。

ローマの歳末風景”その3”の一番目には、先日23日(火)にオープンしたばかりのお店/お菓子屋さんをご紹介します。

場所は、サン・ベルナルド広場の一等地にあります。
たまたま散歩中に眼に入ったお店のネーミングにビックリしてしまった次第です。お店の名前は、”EXQUISITALY”(イクスクィズィタリー)です。
※Piazza di San Bernardo,99 Roma 00187

英語のEXQUISITE(イクスクィズト)とITALYとの合成語であることは、ほぼ間違いないところです。この前半のEXQ(省略)は、極めて美しいもの、
極めて上質なもの、という表現の形容詞です。

このお店はお菓子屋さんですから、さぞかし”他では手に入らない最高に美味しいお菓子・チョコレート”を用意しております、という経営者の心意気をお店の名前にされたのではなかろうか、と想像してしまいました。

そうだ、部屋の明かりを今少し明るくしようと出掛けた先は、フイユーメ広場にあるデパートの"LA RINASCENTE"(ラ・リナシェンテ)でした。

流石にクリスマス直前の買物客は、プレゼント品探しで忙しそうな風情を醸し出しておりました。

地階(家庭用品、雑貨品、旅行品、照明器具などを扱う)のフロワーには、
これまで見たことが無い数のお客様で賑わっていました。
さて、探し物・電気スタンドは結局諦めざるを得ませんでした。

スカンジナビア・デザインのお洒落な製品が多く、予算にも手が届かないし、アパートとの雰囲気もマッチしないことから、見送ることにしてしまいました。

帰りは、いつものように化粧品売場裏側に在る出入り口から外へ出ました。バス停へ向かおうと左側へ足を向けるとデパートの隅に年恰好70歳位の男が、ジッと坐って焼き栗を売っていたのでした。

コートの襟を立てながら足早に歩く買物客や通勤客たちは、そんな焼き栗売りの所在も気に留めずに家路へ急ぐのでした。

ギラギラと輝くデパートの明りとその裏側の焼き栗の男のジッと動かない姿が、帰りのバスの中で妙に頭に霞んで仕方ありませんでした。


ガラス戸で店内も丸見えです。
                 品揃えは、まだまだこれからの様子でした。


                  

            遠くからもTVの大画面のように映っていました。


            
鳥打帽が似合った焼き栗屋さんでした。
            寒い路地でポツンと・・・ああ、歳末かな!


         
             歳末に 街角でみる 明と暗
                             元鷹

2014年12月24日水曜日

第301話 歳末のローマ風景その2

今日は、クリスマスイヴの日です。ここ10日間前後は、どこのお店も
と言って良い程に多くの買い物客で賑わいを見せていました。

歳末の街角の風景には、ヴァチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂をご紹介しなわけには参りません。タイトルは、「歳末のローマの風景」としましたが
その大きな一角ですから、年末の風景にはピッタリであります。

23日(火)午前10:30ころ。大聖堂の広場は、既に広場の列柱にそうようなカタチの列がまるで長蛇の如く続いていました。

今年、ここサン・ピエトロ大聖堂に10回前後の訪問をしてきましたが、
これほどに大聖堂へ入場するための長い長い人垣をみたのは、初めてです。どう少なくみても、2,000人以上は並んでいたように思えます。

広場中央には、例年のように”プレゼピオ”が実物大にホンモノであるかのように造られていました。また、プレゼピオの正面から右側へ廻り込みますと、巨大なモミの木(それに違いない!OR?)を楽しめます。

毎年イタリア各地から或は他の国の町から、ヴァチカン市国へ贈られると
聞いているのですが、このような巨木をどのように運び入れるのかが、不思議で仕方が有りません。

一体、市内の歴史的建造物を見ても同じことが云えるわけですが、
巨大なものの造形や設計設置に関しても見事な技術とアイデアを披露できるセンスをイタリア人は、持ちあわしているのに違いありません。

世界からサン・ピエトロ大聖堂に。
            列は入口から正面左側まで、このように。
            案内係や整理係員がゼロと云うのが真にスゴイ!

モミの木(?OR!)
                 隣のオベリスクは、建築家F/ドメニコ
                 によって1586年に移設された。

                 
     
毎年のことですが、見事に造られています。
中央に見えます揺り籠の中には25日未明
に生誕の神の子が入る仕組みです。   
 
 
広場には 人も歴史も 綿々と
                元鷹

第300話 歳末のローマ風景 その1

2014年午年もいよいよ残すところ丁度1週間となりました。

振りかえってみますと、計画が目出度くできたこともあり、また中途半端のまま先へ進まない状態に成ってしまったものあって、複雑な心境です。

笑っても泣いても今年は、あと1週間。精々自省に十分な時間をかけて、
来る年2015年(羊年)に期待したいと願うものであります。

そんな年末歳末のなか、ローマの街角のブラリと歩いてみた昨日今日の
印象を雑記帳へ印すように書いてみたいと思います。

最初は、昨日22日(月)夜半に、ローマの音楽の殿堂AUDITORIUMへ音楽仲間と一緒に出掛けた印象記です。

この日は、アンナ・ネトレブコ(ソプラノ)とサンタ・チェチリア国立アカデミー・オーケストラ&コーラスの共演(競演か?)があり、指揮者はアントニオ・パッパーノという豪華版でした。

会場となったサ-ラ・サンタチェチリアは、恐らく市内最大の音楽堂であり
2,500人前後の聴衆を収容することが出来るそうです。

昨日のコンサートは、タイミング的にはクリスマス直前であり,いやそれ以上に上記の豪華出演者アンナ・ネトレブコとパッパーノ率いるサンタ・
チェチリア国立アカデミーとの共演だった為、ほぼ満員の会場でした。

うっとりと堪能したコンサートでしたが、会場を後にすると底冷えするような寒さが待っていました。市内からそれほど離れていない割には随分と温度に差があるように感じた次第です。

私は、コンサート前にとった軽食の際の白ワインが、効きすぎてコンサート
前半に睡魔に襲われてしまったのが、何ともはや残念でした!

”腹ごしらえ”をしてから、コンサートへ。
            オーディトリウムの一角にあるレストランの風景。
            安くて美味しいので超満員状態が続きました。

            
会場のサーラ・サンタ・チェチリアです。
            オーディトリウム最大のホールです。

            
中央左:ネトレブコ(ソプラノ)
            中央右:指揮者パッパーノ
            世界最高のソプラノと素晴らしい演奏に
            会場からはエールを送る拍手が長く続きました。

            
            年の瀬に ネトレブコ聴く 幸せよ
                                元鷹  


2014年12月22日月曜日

第299話 老舗菓子店”ダニーノ”の陳列棚

ローマでは、普段の日曜日や土曜日の午後など閉めるお店が多いのですが、この時期クリスマス商戦の繁忙時には、流石に多くのお店がオープンしております。

また、このシーズン(11月下旬~クリスマス直前まで)の風物詩とも言えますが、イタリア人(ロマーニ)のお買物品探しで商店街は人混みするのが常であります。

恐らくですが、最愛の家族に、妻に夫に、そして彼・彼女に、或はお世話になったあの人へ・・・と、最適な贈り物を探すために多くのショップを訪ね歩くわけです。

この熱意ある行動力には、敬愛の念を抱きつつもエネルギシュさには
ただ驚き感心するのであります。

彼らのクリスマスへの熱い想いは、日本で育った私には理解を超えるものであるのは、当然なことであります。

よって、多くのお店が、「休み」最優先のプライオリティの土地柄であるにも関わらず、仕事に入るのは需要・供給の原理に自然に沿ったものと言えます。

以前(昨年だったか?)にも、ご紹介しておりますが第299話のタイトルの
如くローマの有名老舗お菓子屋さん”ダニーノ”(シチリア・パレルモに本家あり)の今の”ヴェトリーナ”(ショー・ウインドー)を撮影して参りました。

余りにも可愛らしく、愛おしく、愛情味を発散してくれるこの「ヴェトリーナ」
を見るだけでも”幸せを貰える”のです。

そうです!幸せを売る店、見せる店というのがオーナーの経営姿勢の中に生きているのかも知れません。

ローマにお越しの節には、是非とも””ダニーノ””の藝術的とも思える
お菓子、ケーキをお試しください!

☆ショップ情報 Imformazione di
  DAGNINO / ダニーノ
  *PASTICCERIA / お菓子屋、ケーキ販売店
  Via Vittorio Emanuele Orlando,75  00185 Roma
     TEL.**39-06-4818660
  

雪化粧の馬小屋 
幼子の生誕
 
まるでお伽の国のお話しのようです
 
”ダニーノ”入口全景 
            ガレリアには二人掛けのテーブルとイス
            とがオシャレに並べられています
 

 
遺跡佳し 勝れるドルチェ あっローマ
 
 
ダニーノに 歩めば幸の 香り発つ
 
 
如何せん 始めたディエタ 三日坊主
 
 
                    元鷹 
 
                                 

2014年12月21日日曜日

第298話 師走のコルソ通りは凄い!

最初にお願い申し上げます。久しくの休筆をご容赦下さいませ。先ず持ってお詫び申し上げます。本日から再開させて頂きます。

さて、第289話は題目の通り、毎年掲載させて頂いておりますが、師走の「コルソ通り」の夜空を飾るクリスマス・デコレーションでございます。

因みに、一般にはクリスマスとは申さずに”ナターレ/NATALE”と呼んでいます。メリー・クリスマスは、”ブオン ナターレ”となります。

一昨日の19日(金)日の入り後、満を持してコルソ通りへ出掛けてきました。40番のプルマン(乗合バス)をヴェネチア広場に下車すれば、グァンと広場中央に白銀で覆われた背の高いクリスマス・ツリーが眼に飛び込んで来ました。

そして、広場からポポロ広場までおよそ1.5KmのローマNO.1(私にとって、ということだけですが)のコルソ通りに入りました。

今年の飾りつけは、想像以上の華やかさで師走の夜空をゴージャスに
輝かせておりました。

その飾りは、各国の国旗をモチーフにしたものです。
第一番目は、当国イタリア共和国と欧州連合の旗を飾っています。
※反対側に位置しますポポロ広場側からみれば一番最後となる訳です。

その夜空の輝き具合やカラフルな国旗の浮き彫り具合などは、下記の
写真をご覧頂いた方が、一目瞭然となっておわかり易いことかと思われます。

当然ですが、直ぐに気に成りますことは、一体全体”日本の国旗は、何処にあるのだろうか?”という想いでした。

それは10分も歩かないうちに解決できました。
見つけた場所は、コロンナ広場近くでした。丁度、スペインのお店「ZARA」の前の位置と申した方が良いかもしれません。

海外で、況や地元ローマ市中の繁華街で眺める日ノ丸は、やっぱり
感動でした。改めて、国旗の持つデザインの魅力に感激した次第です。

12月19日午後5時15分ころ
            ヴェネチェア広場のクリスマス・ツリー

           

            夜空に浮かぶ欧州連合とイタリアの国旗


            

            ついに発見!我が国”ニッポン”登場です!!
            もっと輝け日本の国旗!!!と願いました。


              LED コルソに光る ノーベル賞 
                                    元鷹

            

2014年8月17日日曜日

第264話 漢詩に親しむ

今日は8月16日です。ローマは今週即ち11日から明日の18日までの
この一週間は、年間を通して最も道路が空いている期間です。

多くの工場、商店、レストランはFERIE(フェーリエ・中長期休暇)をこの8月にまとめて取る国がらです。12ケ月1年の商売を11ケ月でやろう、と云うのですから驚きです。

特にこの一週間(8/15祝日・FERRAGOSTOを挟む)は、普段の喧騒は消え、まるで地方の小さな町に住んでいるかのような錯覚を起こさせるほど静かになるのです。

もっともこの暑さのローマでの生活を離れて、山や海の家へ或いは海外へ家族・友人とリフレッシュに出掛けるという習慣は、理に適っています。

家族を最も大切にする国民性も手伝ってか、遊び上手は中々のものです。国がら、国民性、そして土地がらということも言えるかもしれません。

さて、漢詩のお話です。
5月でしたが、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂に近い中国食品店で見つけた1冊の本がきっかけでした。「唐詩一百二十首」と題名の付いた本を
定価8€で購入しました。

ページを捲れば、懐かしい漢詩が眼に映りました。例えば、孟浩然の
「春暁」(”春眠暁を覚えず”、で始まるあの詩です)や、杜甫の「春望」
(”国破れて山河在り”)ですが、他に白居易、李白、王維などの名前が
懐かしい限りです。

中国語会話も仕事に必要になっております。ノンビリと漢詩でもあるまいに、と思わないわけではないのですが、意外な発見!をしてのです。
中国語の難しさは、発音にあり。

漢詩を音読(ピンイン)読みしてみたら、四声を学ぶこともできて、詩も楽しめるから、これは一石二鳥かも知れないぞ!!と一人合点です。

何とか、うろ覚えながら「春暁(chun xiao)」を暗記しまして、恥かしさも押し隠さずに、中国人スタッフに聴いて貰います。独習の成果もなく、発音を直して貰うばかりでした。

しかし、驚いたのは若いスタッフですが全員が、この詩を暗記していることでした。これは、一体どういう訳だろうか?

つい先日のことですが、休憩中の歳の恰好70歳代の中国人女性に筆談で、孟浩然の「春暁」を書いて、お見せすると嬉しそうな表情をされて読み上げてくれたのです。

また、こんなことが有りました。6月だったでしょうか?5歳のお嬢さんと
お婆ちゃんの中国人にやはり「春暁」の漢詩をお見せしたところ、お二人で詠いだしたのでした。私は、ただただ感心してしまったのです。

唐の時代(7~8世紀)の詩を今日でも、ごく一般の人々が自然と朗々と
よみあげるのです。私たちが万葉集の歌とか松尾芭蕉、小林一茶などの句を歌うのと同じようなことなのでしょうか?

私ごとで真に恐縮でございますが、半世紀も昔に母が独りごとのように私に聞かせてくれた万葉集の憶良の歌が今でも忘れられずにおります。

       しろがねも くがねもたまも なにせむに
       まされる たから こにしかめやも

偶然に中国食品店で出逢った漢詩の本

              
            
 暗唱のため墨書きしてキッチンのドアに。
            ♫ チュンミエン ブ ジュエ シャオ ♪
              ”読書百遍意自ら通ず”と念じつつ。
              
            

            これは王維の漢詩”竹里館”をメモに書いて
            覚えようとしたものです。
             
               今に知る 漢字の世界 大宇宙
                               元鷹

                 




































































































































2014年8月10日日曜日

第262話 風鈴を楽しむ夏

ローマで4回目の盛夏を迎えました。
今年の夏は、毎日のように風鈴の音〔ね〕が、朝に昼にそして夜に、
こころの真棒まで涼しさを運んでくれるのです。

私のアパートの部屋に飾った風鈴は、少し変わっています。風鈴と云えば、南部鉄や陶製で作った鈴をイメージされるかもしれません。

風鈴は、鈴の中に吊るされた短冊が風に揺らされて、風の強弱に応じて独特の風流な音を創りだします。本体の素材によって、音は様々です。

しかし、我が家の風鈴はいつも決まった音色を聞かせてくれ、風が無くても楽しませてくれています。なぜなら、それは本物の涼しげで澄んだ風鈴音を記憶させたアイデア商品〔グリーティング・カード〕だからです。

タネを明かせば、先月7月22日に6月にローマで知り合いになった
K様ご夫妻から届いた封書の中にお手紙と共に入っていた模擬風鈴なのです。

朝顔の絵や、一つの鈴には花火の大輪が2つ、もう一つの鈴には赤い金魚が2匹描かれているのですが、何とこれらの絵、即ち朝顔・花火・金魚の3点セットが、風鈴の音色とともに相乗効果を生みだしてくれるのです。

2ケの風鈴は、縁側に掛けた簾〔すだれ〕に取り付けた風景をイメージしています。ボタンをいつでも押せばチリン、チリンと癒しの涼しげな音色を出す仕掛けです。

ですから、朝に昼に夜にとボタンを押しては風鈴の音を楽しむことが出来るのです。単純な仕掛けではありますが、何と優雅で風流なものでしょう!日本人の繊細な機転・アイデアの賜物であります。

ところで「鈴」というイメージは、私にとっては江戸時代の国学者・
本居宣長を想い出させます。確か彼の作った書斎のことを「鈴の屋」と
呼んでこよなく「鈴」を愛したという話を想い出しています。

また、彼は桜を大いに好み俳句、和歌に随分多くの作品を創ったことでも有名です。

宣長は、春は桜に心酔しながら季節を楽しみ、書斎・鈴の屋では
国学の書を紐解きつつ人生を貫いたインテリ風流人だったのかもしれない、と勝手に覚束ない想像をしております。

ベランダへ抜けるガラス戸に吊るされた
            模擬風鈴の音色が、私に毎日元気をくれています。


            
            風鈴の  音色や涼し ローマの夏
                                  元鷹