ローマ市内至る所に設えられた大中小の噴水は、市民には勿論のことですが、旅行者や巡礼者には大切な憩いの場所となっています。
歴史的には、古代ローマ時代から街の中心地へと、水路は延々と水道橋などを利用して運ばれてきたようです。
市内の水のターミナル《プールされた位置》の目印的オブジェとして、或は時の権力者の威厳を保つものとして、泉・噴水が造られたようです。
とくに顕著なのは、16世紀から17世紀に掛けてのいわゆるバロック時代と括られる時代です。時の法王シスト5世は、大司教のころからローマに都市計画が必要なことを考案し、着々とタイミングを計ったのでした。
ときや良し、法王《1585-1590》になると一気にローマの都市整備へと情熱を傾けたのでした。今でもそのカタチを私たちは眺めることが可能です。その代表的なものは、オベリスク、噴水にみられます。
さて、本論に戻ります。前回の「亀の噴水」に続いて、”本の噴水”を
ご紹介します。パラッツォ・アルテンプスを後にしてリナシェメント通りを
エマニエレⅡ通りに向かう左側に、Via degli Staderariがあります。
この通りへ入ると直ぐに右側の建物に組み入れられた噴水が、
「本の噴水」です。この地区は「サンテウスタキオ」と呼ばれています。
噴水は、建築家ピエトロ・ロンバルディに依るものです。1930年代頃。
そして、ラルゴ広場に近いVia delle Botteghe Oscure,31に在る
「CRYPTA BALBI」博物館に立ち寄り、ヴェネチェア広場を通り越してコルソ通りへ出て、ポポロ広場へ向って左側を歩くとVia LATAが見えます。
観光客で人混みが多く、見失いがちですが、ラータ通りに入ると直ぐに右側の建物の壁に嵌った噴水がご覧に戴けます。面白い構図の「ファッキーノの噴水」です。”水売り人”がモチーフです。
結構な年をした男が、胸に水樽を持って水を出しているのですが、
その商売の恰好がそのまま噴水のデザインになっていて中々愉快です。
建築家ピエトロ・ロンバルディの噴水
本と鹿頭部には、ストーリーがあります。
”ファッキーノの泉” 16世紀後半に造られた
ファッキーノとは、力仕事に従事する人の総称だったとか。
街ぶらり 噴水みかけ 憩う我
元鷹
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