微風が心地よく部屋の中を自由に流れ廻っています。
さて先月の4月25日〔土〕は、イタリアにとって大切なと言いますか、重要な記念日の祝日〔イタリア解放記念日〕の日でした。
何処でどんな祭典〔式典〕が行なわれるのか、下調べもせずに”ここであろう?”と思われた大統領官邸を午前9時過ぎに訪ねましたが、どうもその気配は一切ございませんでしたので、”諸皇帝通り”方面へ向かいました。
幸いにも”ベネチェア広場”に近づきますと式典が、丁度スタートしたばかりの様子で、ブラスバンドの国歌演奏が聞こえて来ました。見物客はヴィットリオ・エマヌエレⅡ世記念堂を囲むように歩道の立ち見席でした。
無名戦士の慰霊のため、今年は70年目の節目の年のようでしたが、セルジオ大統領、レンツィ首相、マリーノ市長、そしてヴァチカン市国からの
大司教〔と思われる〕ほか、参列代表の姿を垣間見ることが出来ました。
さて、式典は私には良く分らなかったのですが、終了後に面白い場面と言いますか、イタリアらしさを感じるシーンを眺めることが出来たのでした。
大統領、首相ら超VIPが黒塗りの高級車に乗って、その高級車の前後を護衛の車に挟まれて広場をさっと後にしたのでした。
ところが、市長のマリーノ氏は、何処から持ち出してきたのか、自前の自転車、それもごく普通のありふれた自転車に跨って、広場を後にしたのでした。
勿論、参加者市民や観光客に向かって片手を上に挙げて、左右に大きく振るのが、私のポジションからもはっきりと見えました。
噂には聞いておりましたが、ローマ市長マリーノ氏は堂々と自転車を踏みながら広場を後にしたのでした。
まあ、中々出来ない行為であります。通常なら、財政が悪くてもローマ市長には、運転手付きの高級車も用意されていることでしょうに。
翌日、私が直々に観たこの光景をイタリア人同僚、勿論ローマ市民である訳ですが、話しましたら、にわかにこのように言われたのであります。
”市長は、そのようにして人気とりをしているのです。横道に入れば、
市長専用の高級車に乗り移るんですよ!”と。
人の口に戸はたてられない、と昔から言います。このようにみる市民も居るものかな、と少々考えさせられました。
式典スナップ 4月25日午前10時ころ
イグナッオ・マリーノ市長の後ろ姿に
見入ってしまいました。感動!
ローマぶり 自転車市長 いざ行かん
元鷹
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