”PALAZZO DELLE ESPOSIZIONI”[市立展示館]があります。
凱旋門のような正面と幅広い階段をもつこの建物は、建築家ピオ・ピアチェンチーニの設計となります。
市立展示館はナチォナーレ通りとミラノ通りの交差点に位置しており、
白く大きな建造物ですから、直ぐにお分かりになられることと思います。
この展示会場では、現在4月15日~7月20日の期間ですが、
「Gli Etruschi e Il Mediterraneo」(エトルスキーと地中海展)を開催中です。
”Etruschi”(エトルスキ-)は、古代ローマの歴史が起る(紀元前8C)以前にイタリア半島の中部トスカーナ地域を中心に栄えた文明です。幻の文明とも言われて、どこから来て何故消えた(?)のか詳細は不明だそうです。
しかし、これまで発掘された数多くの墓、建造物などからは文明度の高い多くの遺品、装飾品が集められており、その暮らしぶりや文化度の高さなどが偲ばれています。
さて、会場に展示されていたいくつかの器のデザインを見てハッとしてしまいました。
日本の伝統的なデザインの一つ”青海波”(せいかいは、又はせいかいば)に似通った形をした器を見つけたからでした。
ローマ市内のペイブメント(正確には、歩道から建物へのアプローチ部分、或は駐車場などに見られます)にも、この青海波文様が至る所で見られて、その都度「歴史・蘊蓄」を突き止めたいものだ、と久しく私自身の
宿題になっているデザイン文様なのであります。
これまでも数回に亘ってブログに取り上げさせて戴きましたが、勝手な気ままな仮説を「絹の道(シルクロード)」によるもの、即ち東西の交易によって、東は日本へ、西はローマへ伝わったデザインだったなのではないだろうか?と推測の域を飛び越えられずにおりました。
しかし、今回の展示会で発見?した器の文様は、どうしたものでしょうか?会場で購入した展示品解説本によれば、この器の製造年代は6~7A.C(紀元前)と示されていますから、私の根拠のない仮説は、脆くも一気に吹っ飛んだ、ような気がしてしまいました。
待てよ、全くの偶然と言うことも世の中には在るではないかと、一抹の期待感が頭を過ったものの、エトルスキー文化の美を眼前にしては、そんな
ちっぽけな期待感など持つこと自体に恥ずかしさを感じてしまいました。
とすれば、今日のところの妥協案としては、「デザイン青海波」は幻の文明
エトルスキーが原点であるとするのが、一つの見方ではないだろうか、と
こころを落ち着かせた次第です。
それにしても”Etruschi"の文明は凄いと唸らずには居られません。
今回は、読者各位のご意見あるいはご批判を乞うものであります。
波形の整美さ、配列の優雅さが素晴らしい
H27.4cm、直径14cm、650~620A.C
出所:Cerveteri,tomba di San Paolo
出典:Gli Etruschi e il Mediterraneo
SOMOGY/EDITIONS D'ART p.122-123
箱モノなのか器なのか不明、
しかし、青海波は整っていて美しい
6A.C 、テラコッタ
出所:Cerveteri
H22cm、 L53.3cm、 pr10cm
出典:同上、p168-169
テルミニ駅近くガエタ通りに在る駐車場敷地
をかたどる青海波デザインです。
これは一例でしかありません。これまでも
ご紹介のように敷石ほか、鉄製扉などにも
このデザインは、多く見られています。
青海波 エトルスキーの 波高し
元鷹
0 件のコメント:
コメントを投稿