では、"L'elisir d'amore"(愛の妙薬)が初演を迎えました。
続いて、9日、10日、11日、13日、14日の計6回の公演でした。
いつ、どこでは全く記憶に無くなっているのですが、かつて日本で観たことがあり、ローマ歌劇場での公演を楽しみに待って居たところでした。
8日の初演にガレリア(天井桟敷)のいつもの席から、ローマでは初めて観る”愛の妙薬”全編2幕を楽しみました。その時の感想を記して置きたいと思います。
これまで観た舞台との大きな違いは、舞台美術の優雅さ、光の演出力、
大道具小道具の可愛らしさ、そして衣裳のカラー(緑・白・赤の3色基調)
が、其々際立って見事なことでした。
普段は、全編3幕から4幕の舞台で時間を長く感じることが多いのですが、”愛の妙薬”は珍しく2幕であり、軽妙なテンポの演出も楽しくて、あっと言う間にフィナーレを迎えてしまいました。
ところで作曲は、ベルガモ生まれのガエタノ・ドニゼッティ(1797-1848)によるものです。ベルガモは、ミラノの北東に位置した街です。
街には、テアトロ・ドニゼッティと名付けられた劇場があるそうで、オペラシーズン(9月~12月)には、彼の作品が常時プログラムに入っているとのことです。私には、一度訪ねてみたい処の街になりました。
さて、私の隣の席には、普段と違って中国人と思しき二人の若者カップルが、熱心に舞台を観ていたのでした。
一幕が終わった休憩時間に挨拶を交わしたのですが、男性はオペラをローマで勉強しているプロ志望のバリトン歌手の卵のようでした。
このバリトン歌手の話し方や物腰には、リラックスした表情の奥側には オペラ歌手を目指す覚悟のようなものを感じて、ついつい感心してしまいました。
ローマには、情熱を滾(たぎ)らせて音楽に全精力を傾けるアジアからの若者が少なく有りません。大いにその力を集中発揮して大成されんことをこころから願うものであります。
ガンバレ!アジアの若き音楽家よ、日本の若き音楽家よ!!と叫ぶのであります。
「愛の妙薬」第一幕 音楽、光、衣裳など
耳目を奪うほどの軽快さに心が躍るようでした。
まるでお伽の国から繰り出してきたかのような
いでたちに夢心地の喜びを与えてくれました。
フィナーレにて登場した歌姫たちの表情には
初演を無事に終えた後の喜びで溢れていました。
これほどに 心躍る オペラかな
元鷹
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