それ以来のことですので、先日、刃物研ぎ師の小父さんに偶然に出遭ったことが、妙に嬉しくてついつい駆け寄ってしまいました。
研ぎ師の名前は、以前の研ぎ師さんと同じ名前のピエトロさん。
出逢い場所は、日本国大使館に近いVIA・FLAVIAでした。
ピエトロさんは、仕事を終えて銜(くわ)え煙草姿でBOTTEGA(工房)となる
自転車のお掃除を熱心にしていたところでした。
私は「お邪魔しても宜しいでしょうか?」とお声を掛けさせて貰いながら、
近寄って、いくつか質問を試みました。
その1.このお仕事は何年されていらっしゃいますか?⇒21年
その2.ピエトロと云う名前の研ぎ師をご存じですか? ⇒知らない。
その3.お仕事は、このゾーン(地域)が中心ですか? ⇒SI、そうだ。
さて、刃物研ぎ師のことをイタリア語では、何と呼ぶのだろうかと気になって、いつも立ち寄るピッコロバールのアルベルトさんに尋ねてみると、
「それはね、”ARROTINO”(アッロティーノ)って言うのさ!」とメモ用紙に書いて教えてくれました。
その昔は、日本でも多くの家庭には”砥石”が用意されていて、当たり前のように刃物を研いでいたものですが、時代は変わってしまいました。
昔の話のついでにですが、やはり日本でも(正確には、私が育った田舎ででは)包丁・刃物の類を研いでくれる職人が、年に数回巡回に来てくれていた記憶があります。
当時は、多くの家庭で主婦が魚料理、肉料理と何でも自前で作っていた訳ですから、刃物磨きの需要も高かったのでしょう。
レディ・メイドの時代になって、幾何十年。
ローマの街角で見かける”刃物研ぎ師”との出逢いは、そのまま私の想い出を半世紀昔の日本に戻してくれるのです。
仕事を終えて「工房」代わりの愛車を
手入れする研ぎ師のピエトロさん。
自転車は、「手作りの研き工房」です。
ピエトロさんは、職人らしいキビキビした
手つきで工房を磨き続けていました。
切れ味は オレに任せろ ピエトロだ 元鷹
街角に 職人生きる たくましさ 元鷹
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