神殿の見物料は、6€でした。さて、これでいよいよ紀元前5Cに建てられたギリシア神殿の前に立つという、憧れの実現となる訳ですからゾクゾクした感じがしてきました。
実際に神殿を眼の前に見つめますと、まるで2500年前の時代に遡ることが出来たような錯覚を覚えました。
ソクラテスやプラトンや、アルキメデスや、アリストテレスなどが、声を掛けてくるかもしれない、という,大袈裟に言えば、そんな空想さえ湧いてくる不思議な空間の世界でした。
どの位歩いたでしょうか、記憶が定かではありませんでしたが、いよいよ
午前中にタクシーの窓から見ることが出来たコンコルディア神殿が、ドーンという存在力をみせながら目前に現われてきました。
和辻哲郎著「イタリア古寺巡礼」に依れば、”中世には教会として使われた”ことがあり、その為に現在あるようなカタチがほぼそのまま残っているのだそうです。
氏は、1927年(S2)~1928年(S3)の1年半の間、文部省派遣留学生として欧州へ渡ったそうです。(ドイツ、フランス、イタリアを訪問)
余談ですが、今日でもこの一帯を訪れるのは、結構骨が折れる旅ですから、況や当時(90年前)のご苦労は並大抵のことでは無かった、と甚く同情するものです。
さて、もっと丘の先にはユノー神殿があります。
丘の先端に在ると言っても良い場所です。ここからの下界の眺望は、絶景でした。
カタチは、コンコルディア神殿のようには、整っていませんが、逆に太いドリス式のエンタシス(柱)の美しさを身近に感じられました。
瞼を閉じると遠い遠い昔のギリシアの時代へ誘(いざな)ってくれるような
空気を吸い込むことができました。
やっぱり2500年の神殿跡地には、神々しいMIRAGGIO(蜃気楼)が今日でも漂っているのだろうか、とおぼろげに思いつつ小雨の丘を下りました。
堂々のコンコルディア神殿正面です。
右側下に男性らしき人が立っています。
全体の大きさをイメージしてみて下さい。
この写真は、ユノー神殿です。一連の神殿の中では
最古の神殿です。この壊れ具合が何ともはや。
ギリシア文明の力を感じさせてくれました。
これはコンコルディア神殿をホテルの非常階段口
から、早朝に撮影したものです。暗闇に神殿を浮かび
あがせる憎い照明効果です。
神殿や ゲーテと和辻の 書を読みて 元鷹
堂々と グレコのドリス 丘に建つ
満月や 神殿群を 相照らす
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