2015年12月10日木曜日
第431話 サムアップ Di Roma その4 噴水
今日は噴水に纏(まつ)わるお話しです。
ローマ市内、ヴァチカン市国、至るところに大中小の噴水がみられる風景は、ローマらしさの特長であります。
”噴水の在る街の風景”こそローマの大きな魅力のひとつなのだろうと思っております。ブログ始めてからこのかた街歩きの見所の一つとしまして、主な噴水を取材して参りました。
ですから、ローマの噴水のサムアップの役割は、個々の噴水のことはバックビュー(かつてのブログ)に任せまして、私の総論、まとめを書いてみることに致します。勿論、断片的な或は独断の発想にしかない点はご容赦を乞う処です。
ロンドンにはテムズ川があり、パリにはセーヌ川、そしてローマにはテヴェレ川があります。人々を魅了してきた大都市は何処も”川”が中央に流れています。
しかし、ローマには古代に、中世に作られた水道橋遺跡が残っているのはご承知の通りです。古き時代に皇帝が、中世には法王が水道をローマへ導き、或は再整備して市内へ水を引き浴場を噴水を作りました。
また1930年代には、ローマの10か所に区割りされた地域に、其々の
地域をイメージしたデザインで噴水が作られたのでした。
法王庁・ヴァチカン市国は、いつのころからでしょうか、世界からカソリック信者をローマへ巡礼させる為には、宿の整備は勿論、途中途中に水道(噴水)の設備を設置しなければならなかったのでしょう。
ですから、殆どのピアッア(広場)には、水飲み場(噴水)の提供がなされていたのだろうと思われます。生活者の飲料水、洗濯用の水、そして巡礼者への命の水の源になっていた大切な噴水だった訳です。
遡って古代ローマでは、歴代の皇帝は市民の為の浴場を作ったと云われて居ります。知名度が高いのは、現在でも夏の間だけですが、野外オペラの会場となります「カラカラ浴場」(カラカラ帝)です。
ローマ・テルミニ駅500人広場前に広がる一角、現在はローマ国立博物館や教会として活用されているテルメ・ディ・ディオクレツアーノが、よく知られております。
其々の浴場には、1、500人、3、000人の市民が浴場を楽しめたと云う巨大なものでした。これ程の規模の浴場ですから、相当な給水・排水システムを有していたものと考えられます。
古代ローマ時代から、土木建築技術に優れた技を発揮してきた歴史をみるたびに、ローマの街作りの憩いの場所(広場)に噴水を設置するというアイデアは、地下水が豊富であることがベースに在って初めて可能なことなのだ、と思うのであります。
そう言えば、皆さんが必ずローマに来たら訪れる映画”ローマの休日”に写されていましたが、”トレヴィの泉”は1年以上も掛かり、やっと最近になって修復が終わりました。
さてトレヴィの泉では、コインを肩越しに投げると再びローマに戻れる、といわれています。修復中、噴水は止まったままでしたが、見学者がコインを投げるポイントだけは、しっかりと用意してありました。
なるほど、世界の冠たる観光シティ・ローマ当局の”しっかり振り”には変な感心をしてしまいました。
晴れた日の 水や輝く 生き生きと
元鷹
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