テルミニ駅の今一つの特異性は、何と紀元前6世紀に造られた城壁の一部を構内外にもっていることであります。七つの丘を囲んでセルウィウス王が城壁を造ったのですが、その一部〔既に残骸化〕だとされています。
ローマらしいのは、2600年前の遺跡/城壁と陸の表玄関とも言えるローマ・テルミニ駅が、時代を超えて住み分けしていることであります。
テルミニ駅正面に向かって左側に城壁跡を見ることが出来る訳ですが、
その壁の延長とも思える城壁の一部が、500人広場の前を走るニコラ通りを超えて、ヴォルトゥルノ通りとの角地にも表出しているのが分ります。
面白いのは、ローマ・テルミニ駅B-1にファーストフードの「マクドナルド」が
あるのですが、その直ぐ傍にも一体何だろうか?と思わせるような岩の塊がニョキ・ニョキと天井に聳えています。
まるで、駅地下街とアートのオブジェが、共存しているかのように見えるから不思議です。左右に行き来する通行人は、殆ど関心を寄せないようですが、何とも滑稽な気もします。
遺跡を上手く残しながら駅を造った設計も素晴らしい、と感心しております。正に「此処にもローマが在る。」と思わせるアート的風景があります。
現在も市内のあちこちで観る城壁は、アウレリアヌスの城壁と呼ばれています。西暦271年ごろのものだそうですが、旧ローマ市内をおよそ20KMに亘って囲んでいたそうです。因みにセルィウスの城壁は、約10KMであったとのことです。
9月には、ピア門を何度か取上げてご紹介させて頂きましたが、このピア門は、城壁を出入りする門の一つだった訳です。この城壁は、観光で皆さんがローマに入る時には、必ずガイドさんがご説明されるはずです。
しかし、ローマ・テルミニ駅をバスで走っている時に、上記のセルウィウスの城壁跡を案内するガイドさんや添乗員の方は、意外と少ないかも知れません。
ローマにいらした際に、古代に造られた城壁〔跡〕にご関心を持たれた方は、2500年以上の歳月を超えて今日なお静かに息づいているセルウィウスの城壁跡のオブジェを是非ともご覧になってください。
セルウィルスの城壁跡は、ひっそりと
して現代もなお息づいています。
ローマ・テルミニ駅地下に保存されて
多くの通行人の眼に止まっています。
ニコラ通りとヴオトォルノ通りの角に
やはり城壁跡の一部が残っています。
古代壁 時代を映し 今もなお
元鷹
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