2014年4月4日金曜日

第230話 トリノ通りのこの人に 第1回 オクサナさん

カレンダーは、いよいよ4月卯月となりました。
4月はサクラの季節であります。日本のサクラ前線は、今時分は関東周辺にまで広がってきているのでしょうか?

この週末、或はつぎの週末にはサクラ大好きな多くの見物客がドット各所のサクラ並木に三々五々と笑顔で集まってくるのでしょうか?

さて、このブログ「ROMAの麗雅都だより」も折々のローマの街角の風景をお伝えしながら2年半を経過しました。ややもすればマンネリに陥りそうな時機もありましたが、七転八起の例えの如く何とか継続しております。

今年のブログのテーマは、一つには「七大聖堂めぐり」ですが、未だ一聖堂を巡ったのみです。年内には、残りの六聖堂をご紹介させて頂きますので、お楽しみにお待ちくださいませ。

そんな按配ではありますが、新・テーマ「トリノ通りこの人に」を今日からスタート致します。乞う御期待ねがいます。



トリノ通りは、読者の皆様が良くご存じの共和国広場近くに位置しますローマ三越の脇を走る、目測ですがおよそ250m程の通りです。
東側にはサン・ベルナンド広場、西側にはエスクイリーノ広場を従えます。

其々の広場の正面には、サンタ・スザンナ教会とサンタ・マリア・マッジョーレ教会が、この通りを挟み込むかのように天に向かって聳えています。

世界中の何処の通りにも日々ドラマがあるように、ここトリノ通りにも悲喜こもごもなるドラマが、そしていろいろな人がしっかりと生きています。

最初の「この人」は、トリノ通りとナツィオナーレ通り交差点の一角に在るお店(通称:バンカレッラ/露天商)に働くオクサナさんです。

オクサナさんは、お国の東欧からイタリアに来て13年になるそうです。
お国には、愛するご子息3人を残してのお仕事ですが、その商売熱心さは元気いっぱいです。

話す言葉は、ロシア語、イタリア語など4カ国だそうですが、やや早口でエネルギシュな語り口には、何か人を引き付ける魅力と人懐こさが漂います。

ここ数年のローマ観光客のなか中国人旅行客の増加には目を見張るものがありますが、やはり中国人のお買い上げがトップに上がるそうです。

先日は、日本語を教えて欲しいとの相談を持ちかけられました。
きっと、時々訪れる日本人客に少しでも日本語で接客したいとの思いから
だろうか、と勝手な解釈をしています。

しかし、伺ってみれば労働環境は厳しいものがありました。1日12時間働くそうですが、代わる代わる立ち寄るお客さん対応はいつもひとりです。その合間に商品の入れ替えや諸々の細かな仕事をこなします。

朝夕に”スィニョーラ!ブォンジョルノ!”、”スィニョーラ!ブォナセーラ!”と挨拶しますと目を細くして、右手を上に向けて返答してくれます。

暑い日も寒い日も、背中を丸くして黙々と元気に働くオクサナさんの姿に遠い国もとの家族への強い絆と信頼の情を感じせざるを得ないのであります。


素敵な笑顔のオクサナさん
            今日も明るく元気に「BUONGIORNO!」とお客様に
                お声をかけます。


               
ある日の20時ころです。体を冷やさないように
温かそうなダウンジャケットを着用して店に立ちます。
 
 
 
ひとの世は 生きる価値あり われ生きる
 
                       元鷹   
 

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