第12回ヴァチカン国際音楽祭が10月29日から11月10日の期間、
ヴァチカン市国あるいはローマ市内の会場にて開催されました。
音楽祭のトリのプログラムを担ったのが、西本智実指揮ヴェートベンの
作品125いわゆる第九交響曲でした。日本からは、250名前後の大合唱団員とオーケストラの皆さんが参加されました。
さらにローマ在住の日本人音楽家、或はパリから駈けつけた音楽家、
そして「第九」好事家(私のような)が加わった大所帯となっての大演奏会と
成りました。
テノール、バリトンが少ないこともあってか、地元ローマ界隈からのプロの助っ人《いわゆる「トラ」》の方々ほぼ40名の参加もありました。
演奏会は、11月10日《日》午後9時開演、オスチエンセ通りに建つ四大教会のひとつサン・パオロ・フオリ・レ・ムラ大聖堂にて行われました。
注目すべき話題は、何と言っても女性指揮者西本智実への熱い眼差し、そのものであり、そして西本智実の指揮/或は「第九」オーガナイズへの
関心だったと思われます。
最前列には、教皇庁から枢機卿《お名前は分りませんでしたが》、始め
所謂、VIPがドーンと陣取っておられました。また、TVカメラが色々な角度
から、撮影している様子がステージから、眺められました。
大聖堂で歌う第九は、初めてでした。ソリストも合唱もグングンと響き渡る
声の反響は、第九の雰囲気にピッタリでした。迫力満天の歌声だったように感じました。
特に、第4楽章合唱前半の盛上り小節319から329までは、四声とも落ち着いて、のびのびと”sf”と”ff”を無難にこなして、フェルマータ《指揮者は比較的長く引張られました》まで、良い感じで歌うことができました。
終わってみれば、観客席からの大拍手、そして中央の席あたりからスタンディング・オヴェイションの波が前後左右に伝わって、とうとう枢機卿まで
お立ち上がりに成られて、にこやかに拍手を胸元でされていらっしゃいました。
ベートヴェンの”歓喜の歌”は高らかに大聖堂に響き渡り、歌う者も聴く者もそして奏でる者をも包み込み、最終小節922まで一気に西本智実の指揮棒によって見事に大聖堂全体が「歓喜」に導かれたのでした。
サン・パオロ・フオリ・レ・ムラ大聖堂正面入口
石像は、サンパオロです。厳かな雰囲気は大聖堂
ならではのものでした。
第4楽章合唱です。西本先生の体全体で指揮を
されるお姿は凛々しくかつ歌い易かったです。
中央には、ソリスト2名が見えます。そして、私も?
ベートヴェンが指揮者にのり移ったかのような、否
指揮者がベートヴェンにのり移ったか、と思うような
見事なdirettrice西本智実の指揮でした。BRAVA!
第九聴き 枢機卿も お立ちなり 元鷹
歓喜の波は 感動のうねり
0 件のコメント:
コメントを投稿